すべてのおすすめ
闇の紋
闇の渦をなぞる金
水を切る風
景を梳く風
手のひらの上の 見えない珠の内で
星が生まれ 消えてゆく
その光を浴び 手のひらもまた
消えては現われ ....
髪と髪が触れ
影になる
風のなかの粉
砕けて光る
ざわめきを登りつめたところに
廃線の花 水に浮く葉
ひとつひとつの滴に残る
まばたきの水紋
打 ....
うなじから首から目から羽を吹き血を吹きながら辿る足跡
蜘蛛は蜘蛛何も残さず何も見ず虫を喰みただ夏に凍える
ふところの火を手に結び手をひらき何も無い日をかき分 ....
水音のなかに
時間が並ぶ
どこを切っても
倒れゆくもの
耳元の螺子
洞の夢
すぎるかたちの声たちが
すれちがうたびに語りあう
勝者も無く花冠は増え
言 ....
透明な砂地の樹が倒れ
枝が根に
根が枝になり埋もれている
影が打ち寄せ 去ってゆく
空の名札が剥がれ
旋りながら落ちてきて
やっと捕らえることができても
暗 ....
水のなかの鐘が鳴る
祈りではなく
怒りのままに
鳴らされつづける
静かすぎる径の
はらわたが響く
光の内の
水泡をほどく小さな指たち
穴の向こうのまぶし ....