誰もが知る肌に
夏の落ち着きを失った季節は、
陽のわずかな傾きに
秋を告げる

沈黙をやぶる囁きに
自問自答をとめる

潮の香りは、さやけき潮の音
反射する 陽炎のひかり
 ....
晴れた日に傘を貸し
雨の日に傘を奪う

どうやら
それが流行りみたいだ

他人だもんね
困ろうが狼狽えようが
観客席からは滑稽に見えるのだろう


土砂降りになって
みんな借り ....
妹とふたり
霧雨のシンフォニーホール

舞台の上はふたり
セピア色の照明に浮かび上がる

息を吸うたび
音が全身に満たされる

長く透き通る高音の波が
眉間を通過し
思わず目 ....
新米を炊いた
土鍋で炊いた

二人暮らしなので
小さな二合炊き

二十分蒸らして
蓋を開ければ
しあわせの香り溢るる

神棚に供えて
日々の糧に感謝

「こんな美味しい米 ....
挿し木をひとつ
もらいました

軍手をはめて

小さな鉢に

土をもり

水をかけてくれました

コンビニの
ビニール袋で
包み

揺れないように

持ち帰り
カーテン越しに置き ....
交番の横

公衆電話ボックスの中で涙まみれ

お巡りさんは私を見て見ないふり

勝手な言い分と怒りを

優しく宥めてくれた人

救いあげて走らせる白い車

夜中の阪神高速はオレ ....
 今宵手にとる梅酒のロック
 漬け込んだ梅の実も
 取り出してそのまま齧れば
 甘酸っぱさの酔いが
 心のうらがわまでしみてくる
 
 溟い憩いにグラスを傾ける
 私の手は苦い
 梅の ....
数日前に茹でてタッパーに詰め込んだ、冷たいそうめんをとりだして食す。もうだいぶ硬くなっているほそい面、たいぶ新鮮味のなくなっている細かく刻んだネギ、ふにやふにゃの刻み海苔、氷を入れてかなり味のうすくな .... 嗚呼もう
愛してる
阿吽の息
逢えたね
青い鳥も
赤くなる
飽きたら
悪夢見て
明け方に
憧れたの
朝日の方
足を向け
明日から
汗かいて
遊びたい
あたしは
あちこち ....
かけちゃだめだけど
日々にあればいいもの
君が知るもの
誰も知らないもの

一服
匙で3杯
泡がくるくるまわって
つたないお点前
おかしは桜餅
よみひとしらず
白目が灰色に染まりはじめる
黒目が必死に見つめるもの
白目を穢して
黒目に映る暴力の影
白目は不安から恐怖へ
黒目がきらりと光る
白目は恐怖から絶望へ
黒目が執拗に見つめるもの
白目が ....
きみはどこでおりるの
ないしょだよ
そっか

ほしへかかる鉄道

どれくらい経ったかい
あれからどれくらいたっただろうね
君が降りてから何年経ったかい
ぼくがおりてからなんねんたった ....
八月のように
心をあらわに
噴き上がる痛み
目隠しをして
笑いあっていた
バス停は遠く
電車は遅く
返事を待つまで
日は暮れなかった

透けていく町の方へ
二人の影を落としても
 ....
塩水を一緒に舐めたりして
舌がピリピリするような味は
いつまで経っても残るものだった
マンモスの足跡が踏んだ
地層のミルフィーユを崩すから
同じ石に躓いて泣けば
砂時計の中みたいだね
ふ ....
空にぶちまけられたビタミン剤の
人工的な着色がキレイでキモい
今年のトレンドは太陽の皮膜で
詩人なら必ずネタにしないとね

偽りの価値観が崩れたあの日は
テーマとしては申し分なかったの
 ....
釘は六寸に引っ掻いた胸の痕跡
左は股の付け根から膝がしらにかけて
合わせて一尺近い縫い込みの跡が盛る
想像するリアル怪人(例えばフランケンシュタインとかゾンビだとか)
切り裂き息を吹き返す ....
月の夜にはからすが舞う
かけたままの心には蟋蟀が鳴いている
無垢な地図帳には地番がない

条件は
いつだって
みたされないものだ

要件は大概なおざりにされ

描き続けること
想 ....
あるきまわる場所が
いつしか世界の外枠になってしまった
そんな人類にとって
深海の騒がしさはいつも憧れ

何も知らないことで
何度も希望を生んできた
白痴の創造主が僕らの中にいて
 ....
北向きの窓から
ふいに
秋の
風が産んだ子が走り抜けていく
本のすきまから伸びた
栞のしっぽが揺れ
亡くした猫のしっぽも揺れ
過去が
耳なかでちりりんと揺れる

寝転がると
窓い ....
遠い国の少年の歌声が柵を乗り越えて
仔馬がいなくなった落日に秋が来た

枯れ葉が地を水面をうちながら
次第に翳る空の気まぐれに高原で
樹々に寄りそう祖霊たちが笑っている

やがて色褪せて ....
海は心臓

空は動脈

大気は細胞

雨は静脈

川も静脈


さびしがり屋の

きみに幸せだと

蓋してもらって

言わせたいんだ


海は心臓

空は動 ....
わかれた

たぶん、わたしたち

わかれた

さようならも

わかれようとも

言わないで

わかれた

社交辞令で

また会おうねと

言い合って

 ....
闇の紋
闇の渦をなぞる金
水を切る風
景を梳く風


手のひらの上の 見えない珠の内で
星が生まれ 消えてゆく
その光を浴び 手のひらもまた
消えては現われ  ....
緑、揺れている
ゆうらりゆらら
梢の向こうに青い空

昨日はこの宇宙の片隅で
街を驟雨が濡らしていき
青紫に染めたんだ
ピカリと光り響きながら
青紫に染めたんだ

緑、揺れている
 ....
センスで、感覚する。
 あたしのラジオ波のソナー。
リッチ、リッチ。

 タツノオトシゴの、
  落とし前。
「おまえ、あたしを食べたかったんだろ?」

海の、
 開き。
  十分 ....
置き去りにされた筆は
黴びて、いいにおいを放ち

窓の隙間から吹き込んでくる青空は
甘く舌に転がりこんでくる
永遠を誓うように

誓われた永遠はキャンパスの上で
苦しみにのたうち回り
 ....
どうでもいいぢやないか

それは君のくちぐせであり
ぐうぜんにも 君からきいた
さいごのことばでもあつた

ひと月まへ 一緒に飲んで
別れ際にきいた いつものせりふだ
その前に何を ....
左側の
下から二本目には
幼い過ちが
絡みついている

右側の
上から四本目には
小狡い鳥が
棲みついている

左側の
上から三本目に
温かい実を
結びつけてくれた人
 ....
夕陽を抱いた木々の裸は細く炭化して
鳥籠の心臓を想わせるゆっくりと
いくつもの白い死を積み冬は誰を眠らせたのか
追って追われる季節の加速する瞬きの中
ゆっくりと確かになって往く単純なカラクリに ....
聖書をよく焚いてから飴玉を投げ上げてください。
反転します。


 落下しない
 林檎
 蜜柑
 それから
 檸檬。


安物です、この宇宙は。

{引用=( ....
青の群れさんのおすすめリスト(217)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
回帰- 月乃 猫自由詩12*25-9-14
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海影- 花野誉自由詩13*25-8-30
晩夏- リリー自由詩22*25-8-30
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- wc自由詩12*25-4-8
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ファーストラヴ- ミナト ...自由詩220-3-11
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昔怪人と呼ばれていた男は七面鳥に惚れる- アラガイ ...自由詩10*19-12-6
月夜には- 梅昆布茶自由詩14+19-9-24
深海で紅茶を、深宇宙で紙巻きタバコを一本- 竜門勇気自由詩1*19-9-19
秋はそこから- そらの珊 ...自由詩14*19-9-16
秋へ向かう歌- 帆場蔵人自由詩5*19-9-16
海は心臓- 函館ドラ ...自由詩319-9-15
わかれのあと- あるみ自由詩4*19-9-14
あと_かさなり- 木立 悟自由詩119-9-14
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彼女は、砂浜で。- la_feminite_ ...自由詩7*19-9-7
置き去りにされた筆の言葉- 印あかり自由詩1119-7-28
或る友へ- 石村自由詩31*19-7-8
肋骨- nonya自由詩16*19-2-9
見えない幻- ただのみ ...自由詩16*18-12-31
星崩れ症候群- 石村自由詩23*18-12-30

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