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梅花ははらり、ゆらめいて
乙女の黒髪染めていく
鶯は唄を奏で
陽光は大地を抱き
春は僕から奪ってゆく
心ふるわす冬の冷たさと
微笑んだ彼女を――
小さな掠り傷だらけの心は
胸にしまうには息苦しい
白日へ晒すにはとうてい醜い
何度もごみ箱に捨てかけた
なにも感じなくなればいい
心に{ルビ彩=いろ}などいらない
その度に悪 ....
こころはぜんぶ涙の結晶になって
ころり、ころりと
私のものから離れてゆく
私のもとから離れてゆく
逃げないで
置いて行かないで
私だけのものでいて
こころを忘れたくないか ....