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マホガニーの卓上で喫する
ココアにもはや甘さが無い
食傷気味の男によってもたらされる
ひとつの清涼剤としての
装飾品への
空虚な安らぎのひと時
つねに持続する
怠ることが許されない日々
....
湖畔の公園
鬱蒼とした森の道
イヤホンの耳栓で
外界を遮断しながら
今日もコーヒーショップで
光熱費と時間を減らし終えたのち
その黒く湿った撓垂れから
さらに咽る風を送る
帽子を目深に ....
大時計の針の上で寝そべる
空の瑠璃色を映す
湖の波紋が 夜の膜のように拡がってゆく
その浅い水の褥のうえには
夏に日焼けした物憂げな表情が
よりいっそうに青く映り込んでいる
その細ながい胴 ....
おぼつかない
てのひらでうけとった
灰色の雲間からの
太陽球のささやかな光筋に
もうすでに摩耗しきった熱の残滓
会話と歩幅に
かたつむりの速度を馴染ませた
潤いの傘の季節
かつての興隆 ....
三十代の父親が
生まれたばかりの自分の息子を
社宅のマンションの一二階の窓から
投げ落とした
覚せい剤が欲しい実母は
再婚相手の男とつるんで
小学生の娘に
売春をさせていた
....
1
赤トンボたちが
飛行機のルーツのように飛行している
一日ごとに冷たくなる風が
透明に流れている青空の清れつさと
黄いろい木々の退廃を同時に包含している
秋の午後
パズルのピー ....
ヒラリ
ひとつひとつの
想いは
幻のように生まれては
虹色の色あいの
花ビラとなり
刻々と
その色あいを変化させながら
宙へと
おだやかに 無数に舞っていた
(おぼろな感覚だけを
....