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 悲しみを夜空に放って明日が風の向こうに佇んでいる。
 発散できない苦しみを胸に秘め、明るい明日をじっと見つめる。
 希望は憶測の彼方に掠れ、現実の重みに耐えている。
 ペン先は暗がりを好む ....
 何気ないひとときがとても大切に思える朝。
 光はまだ淡くカーテン越しに差し込んでくる。
 今を生きている事に幸せを感じ、与え、受け取る。
 闇夜の呪いがゆったり溶けてゆくようだ。

  ....
 愛を囁くと梢が揺れた。
 協奏楽の流れる部屋に人は無口で
 病人の枕元に一輪の花をかざした。
 今在る優しさに皆耳を澄ませた。

 枯草の美に共感出来た時、私は和的な幸せを得た。
  ....
 どこまでも透き通ってゆく緑の世界に僕は立っていた。
 遠く小さい窓辺から新緑に映える森が見える。
 手を伸ばすとそれは限りなく広がってゆく。
 足元には色鮮やかな花々が咲いていた。

 憂 ....
 神々の祈りに私が微笑む時、ああそれは幻か。
 煙草の煙に佇む旅情、今は健気にその花を咲かせるがよい。
 苦痛にも耐えてきた魂。
 すべてが浄化される時が来たのだ。

 清い水の流れに鴨 ....
 遠く南アルプスを望む高原で私は風に吹かれている。
 風は私に留まり、そして通り過ぎる。
 風は私の人生を肯定する。
 私の生きている意味さえも。

 風を信用していない私は少し戸惑う。 ....
 窓から覗いた二つの目が遠く潤んでいる。
 心は情景に溶け込み白茶けた街はとても静かだ。
 まるで初めて見るかのようなその街の光景はどこか異国の匂いがする。
 灰皿の上では吸いさしの煙草が紫 ....
 
 早朝の湖を歩くのは誰だ。
 湖畔の宿で耳を澄ませばそれは聞こえる。
 眠れない夜を超えて我が神経を研ぎ澄ます。
 苛立たしく窓を解き放つと、音の消えた足跡がくっきりと宙に浮かんでいる。
 ....
 風の奏でる色彩はいつも淡色。
 僕の奏でる色彩はいつも原色。
 
 君は過去に向かって生きているんだね。
  僕は過去に縛られているつもりはないよ。
 そういう意味じゃないよ。
   ....
 忘れ去られた思い出を戸棚の中から取り出してじっと見つめる。
 淡い色に変色したノートや書籍。
 どこの国の物か分からない人形。
 出し忘れた葉書。時を刻まなくなった時計。

 遠い記憶 ....
 雄大な光景が私の心の襞に響く。
 山々の稜線が音楽のように流れて見える。
 私は絵画の前で瞑想しながら感動している。
 窓の外には現実が眠っている。

 何かを感じる一瞬間、人の心は純 ....
 
 物語はいつも唐突に始まる。
 ある日の僕は緑の森の中にいた。
 突然の驟雨をやり過ごし、気が付くと教会の前に立っていた。
 初めて自分のもの以外の神の声を聴いた。
 それはまるで音楽の ....
 真夜中の幻燈に真昼の幻想を見る者が一人。
 彼は懐かしさの中に真実を探ろうとしている。
 ぼんやりと宙に浮かぶ光景は全てが琥珀色で
 真実の色さえ隠してしまう。

 誰もいないアトリエ ....
 沈黙を身の回りに置く時、私は決まってここに来る。
 森は必ずしも沈黙ではないが、きっとそれは心の状態なのである。
 沈黙を私は求め、愛でる。沈黙は私に寄り添う。
 物事の美しさは常に変化す ....
 清らかな川辺に降り立った白鷺を見た。
 しばらく彼の美しい立ち居振る舞いに目を奪われた。
 彼はどこからやってきてどこに向かってゆくのだろう。
 なせだか彼を自分と重ねてみた。
 少しも ....
 ある書物は私を受け入れ、私の居場所を示している。
 そんな時私の心は大きく開き、静寂の中の喧騒にただ驚く。
 私の頭上に雲はなく、大地の裂け目では清冽な泉がこんこんと湧いている。
 私の精 ....
 雨上がりが匂う緑の庭園で小さな世界は広がる。
 ピアノの音色が淡い世界に色付く。
 胸に抱えた定かでない悩みは昨日へ消えてゆく。
 私はただ黙々と小さな勇気を今日という日に積み重ねた。
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ひだかたけしさんのヒヤシンスさんおすすめリスト(47)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
放心- ヒヤシン ...自由詩6*17-3-11
朝に想う- ヒヤシン ...自由詩11*17-3-4
愛の囁き- ヒヤシン ...自由詩18*17-2-25
緑の世界- ヒヤシン ...自由詩11*17-2-18
熱望- ヒヤシン ...自由詩6*17-2-11
風に吹かれて- ヒヤシン ...自由詩6*17-2-4
再生の日- ヒヤシン ...自由詩7*17-1-28
悔恨- ヒヤシン ...自由詩8*17-1-22
彼との淡い思い出に。- ヒヤシン ...自由詩7+*17-1-14
見つめる- ヒヤシン ...自由詩12*16-12-28
あじけない部屋にて- ヒヤシン ...自由詩8*16-12-23
森の教会にて- ヒヤシン ...自由詩6*16-11-4
真実の在り処- ヒヤシン ...自由詩3*16-10-22
美しき沈黙- ヒヤシン ...自由詩5*16-9-24
白鷺と太陽- ヒヤシン ...自由詩5*16-9-16
創造すること- ヒヤシン ...自由詩7*16-9-9
庭園- ヒヤシン ...自由詩11*16-5-18

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