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耳元に
毛細血管の危うさで
流れゆくのは
私の心臓

体中を駆けめぐる
火照った愛撫が
暴れ出すのを
待っている

水の臭いは排水溝へ捨てた
吐息を微かに白くして
私の心臓は
 ....
つらいの?
私はワタシに聞いてみた

つらい
ワタシは答えた

そっか、ふて寝した?
私は続けた

あまり眠れない
ワタシが言った

眠ったときは、いないよね?
私は問うた
 ....
ジーニー
最後の言葉しか
記憶できないきみに
語りかける言葉は
コスモスへの波動となり
私のカオスを整理する

だが
きみの実像は
何もない
ないのにあると感じるのは
原子の世界 ....
通りすがりも 同僚も 家族も
一対一でも 多数同士でも
「あっちむいてホイ」に興じている
電波上の 同じ画面を 見続けていた としても
目を合わせることは 禁忌なのだ
抱擁感さえも失い どこ ....
まだ無名の星に
光が差しはじめた頃
静寂な空気の語りと
無重力の宇宙の波動は
無音を破ろうとして
互いに感覚の符号を送り続け
やがて瑠璃色となった惑星に
言葉を招き入れた
人間たちは歓 ....
それが
ゆりかごであれば よかった
あるいは
護摩供養であれば よかった

起きること は
ときに
起こってしまうこと に
すり替えられ
溶けない涙が湧き出し
炎は風となり散りゆく ....
搔くな といわれれば 搔く
掻きまくる むしろ 血が溢れ出すまで
搔き尽くす その痒みが 痛みに変わるまで

欠くな といわれれば 欠く
欠きまくる むしろ 満たされるまで
欠き尽くす そ ....
俺か
って
嘆いて
頭を垂れたか
それとも
土下座したいのか
かつての自分勝手よ

誰に向かう
その冷えた眼の先
湧水の空
荒涼たる雲を捉えようとする矢は

己に滾る赤い涙は ....
粘土の
少し油臭くて
押せば形を変える
素直で
拘らないところが
好きで

柔らかいけど
ちょっとだけ固く
抵抗する素振りを見せて
ふにゃりと
沈む
そして
どこまでも受け容 ....
あのひとが脱皮するのを見た

鮮やか
に細く磨き上げた手
の甲
の上を走るふくよか
な血管
に見惚れた
美しさ
が屈託なく笑う声
に蹴散らされ
刹那
するり
と剥けた

 ....
ひだかたけしさんの末松 努さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
紅く晴れた夜に- 末松 努自由詩7*17-2-16
どうしたの- 末松 努自由詩417-2-14
ジーニー!- 末松 努自由詩6*17-2-9
あっちむいてホイ- 末松 努自由詩10*17-2-5
黙らぬはずの沈黙- 末松 努自由詩10*17-2-1
おなじになれない- 末松 努自由詩5*17-1-22
かけ_かけ_かけ!- 末松 努自由詩8*17-1-19
覚醒し、獲得せよ- 末松 努自由詩5*17-1-16
やわらかに酔わせて- 末松 努自由詩617-1-15
もののあはれ- 末松 努自由詩717-1-15

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