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夜
ビルの間を車で抜ける
慣れた街の裏通り
ちょっとエモーショナルなHOUSEを聴いて
心地よくて人生を忘れる
意識が消える瞬間はいつも素敵
うるさい自我が吹き飛んで
音 ....
通りすぎた時
触れ合った手に
金色の光が見えることがある
それが縁というもので
その光がはっきり見えるようになるのは
手が触れたずっと後の話である
縁があった人の思い出は
....
戯言に心奪われている間に
刻々と
夕景は色を変え
惜しむことなく一日の終焉を飾る
何も出来ない人の器を
笑うような神々の所作
手を見つめる人はやがて死ぬといわれるけれど
私は自分 ....
絶望に負けたくない、と
娘が言った
絶望を知ったのかと
私が絶望した
悲しみにも負けたくない、と
娘が笑った
娘が隠している涙に気づいて
私が泣いた
この子は
強いん ....
おまえのすべてを
潔くて美しいと思うけれど
泣かない女は
泣く女に負ける
わかってる
泣いてつなぐような愛は
おまえにとって愛じゃないんだよね
だけど
くだらない感情に ....
何も無いのに
意識をつなぎたがって
真っ白な生地に
絵の具をかけ散らす
とめどない言語フラッシュ
突き止めようとしているのは
もともと正体のない自分
呼吸し
食事し ....
夢を 見た
青く暗い森を照らす
金色のランプ
彷徨い続けていると
やがて二次元の
紙の森になって
すべてが影絵になった
幼いころ
母が作ってくれた影絵
数十年ぶりに迷 ....
丘を越える夢を見たい
風吹く空に金色の
夕陽に溶ける夢を
穴の中にいる自分
暗がりでなおうつむいて
夢さえ見なくなって
どれだけ経っただろう
開けても閉じても目に
色彩 ....
時々
体の壊れる音がする
それとも
心の壊れる音か
耳鳴りは
永遠に続くかのような蝉時雨
悲しくはない
目を閉じれば
あの夏にいる
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