ひとり
空を見上げているのは
雑踏の中私だけだったから
やっぱり
一人ぼっちなんだと思ったのよ

それはBBQをしている河川敷の人たちを
一人橋の上から見つめている
ようなそんなもの
 ....
懐かしい星を誰と指したか
老いた母に訊くと、うんうんと不明瞭に頷いている
分からないまま過ぎていく時間が過去をぼやかしていき
だんだんと星の色が落ちていく

ひとつ星を指した幼さを忘れてか
 ....
目をそっと閉じてみる
そこは青い風の吹く深海でありあなただけの精神世界だ
あなたは喧騒雑多な街から離れ独りそこにうずくまる
自嘲することもなく非難されることもないのだ
ましてや移ろいで行く時代 ....
きらきらと
ひかるピンクのすみれの
しあわせを願うきみのまなざし
誰にでもあって誰にでもないもの
さがしてさがして
たどり着く束になったひかり
すべてから
とき放たれたような ....
変えようのない過去を振り返らない事はない
ある日突然思い出し、ああ、と声を出し茫然とするだろう
自責に頭をも抱えるかもしれない
罰された思い出とともに蘇ったり
何者にも知られない秘匿として隠し ....
矛盾故に
絡まったしまった
お前のAVコード

一端全てを外し
ひとつひとつ
ほどいてやれば
誰だって
復元は可能だ

例えば
生まれてこのかた
善人になど
お目にかかったこ ....
あわただしい厨房からようやく出てきたカキフライを
口蓋を火傷しながら詰め込み食べ
待たされた客はそれでいて味が分かった顔で頷きながら
口ぎたない罵倒もついでに口から飛び出して

熱々の油に浴 ....
愛する人の子どもを
この手に抱いてみたかった
だからぼくは
家族のCMが嫌い

冷たい水で、一人分の米を研いで
スイッチを入れよう
生きるために
銀色のコンパクトカーの中で
練炭を焚 ....
ぼくの理想は紙のようなもの

時とともに朽ち果てる

破かれ焼かれ霧散する

ぼくの理想は紙のようなもの


真実からはまるで遠い

真実からは相手にもされない

目の前の扉 ....
{ルビ彼=か}の色は何色か
問われた時にパッと浮かんだ太陽の色
光輪を背負い照っている

強烈な太陽は影を濃くするが
光は
陰に湿っている者共のため
柔らかな陽ざしを持ち影を薄くする
 ....
現実に哀れまれている人を見よ
彼らはいかにも自由そうではないか
その言論を封鎖されもせず
気にせず何もかもを取り払った楽園にいる
この世界はどうだ

いったいどうなっているって
誰が答え ....
王将で天津飯を食べて
鳥取砂丘へ出かける
砂丘に着くのは午前1時前後
運が良ければ白い砂山に月が妖艶な光を落とし
これもランボーの永遠のよう
月と砂丘とぼくらと空気だけ
砂山の頂で寝っ転が ....
萌えあがっては散る桜の色や匂いは相対的に嫌悪の対象で、春の僕の中心は虚しい空洞だ。

君のくちびるを表現する言葉を知らず、ただ凝視するため延々と会話する。
そのはかなさの散る刹那を君自身は知らな ....
【10/24】
スマホを眺めながら犬の診察を待っていた
出てきた先生は犬は死んだと言って
ああ、そうなんだなと思っただけで
可愛がっていたはずなのに
犬は気難しかったから
私に懐かなかった ....
毎晩LINEで吐息を聞きながら眠る。

距離も年齢も現実的な障碍も、
切ない迷霧に隠れてしまう。

二次元の恋を三次元にするという提案は、
ゆっくり常温で解凍すべきなのかもしれない。

 ....
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