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口から耳を吐き出す。
耳は目になって排水口を流れていく。
目になった耳は明日の壁を踏みしめて
雑踏を突き進む。

耳が吸い込む声は、
いつだって罵倒と嘆きだ。
けれど耳は、
罵倒の皮を ....
私の耳は雑踏を歩く。
歩きながら無数の罵倒を食べている。
ある声は街中でぶつかりあった肩に
舌打ちし、
ある声は、休日の電話に悪態をつき、
ある声は、暖かな午後に寒いと言って愚痴を吐き、
 ....
私のすべてに帰依するもの。
私から外へ帰依するもの。
消えていく、あるいは、
はじまっていく暗い闇さえ、
今は一筋の光に照らされている。

手にした者しかわからない、
痛みとぬくもりが、 ....
脳髄の奥底で、
渦巻く怒りに似たことばは、
構築を知らぬまま
進むべき道の足跡ばかり探る。

*

机の上に仮面が置かれている。
仮面は口元をカッターでなぞられたように
笑っている。 ....
夏井椋也さんのあおい満月さんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
すべりだい- あおい満 ...自由詩615-12-31
歩く耳- あおい満 ...自由詩615-12-26
コンクリート- あおい満 ...自由詩415-12-25
地図- あおい満 ...自由詩815-12-12

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