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濡れたアスファルト、
黒光りしながら
ゆらゆら揺れ
今日は雨、
胸奥が
酷く切なく軋み
遠い記憶の余韻が響きます

 *

あれは小学二年のこと
休み時間の騎馬戦で
後頭部を切 ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で

(金木犀の花が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)

 ....
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の辺りに蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく

西の空が
 ....
用水路沿いの道筋が
黒い墓石に至る所
彼岸花が群れを成し
赤々と赤々と
咲いている

移動していく車列に乗り込み
ぼおっと凝視する私の脇を
過ぎ行く赤い点々と
迎える黒い御影石
天 ....
開かれる
空の瞬き青々と

白雲棚引き
行方は知らず

哀しみ溢れて
秋風の吹く
ふっと森の脇道に
消える女の
コートの裾が引き摺られ

土煙上がり
瞬間の
狂騒に黒い幹がそそり立つ

森はやがて雨に濡れ
ひっそり静まり返っている
何処か遠く彼方から
子供たちの声響く夕暮れに
缶カラからから転がっていく

風もない 人もいない のに
からからからから転がって
グシャリひしゃげる 銀の乱反射
無数の記憶の断片が
ぱ ....
のどかな秋の夕べ
遥かな思い出が
ふっと蘇っては
消えていく

橙に染まるリノリウムに
重なり踊る影と影
小刻みに震えながら
一条の線となって
消滅する

遠い 遠い
何もかも ....
蝉がひっくり返り動かなくなっていた
マンションエレベータ前のコンクリート床の上で
僕は危うく踏みつけるところだった
何もこんな殺風景な所で死ななくても
僕はそう思いながら摘まみ上げようとした
 ....
孤立

死病

人は人と
繋がらなければ
生きていけない
のに

金を持って
いないと
キリストだけ
を信じて
いないと
健康で
いないと
胃ナイト 
クエネェシ ....
灰色の街道沿いの
深く暗い井戸の底、
白く円かな女の顔が
微細に揺れ動きながら
切れ長の目を閉じ浮かんでいる

死んでしまった死んでしまった!
わたしは戦慄のうちそう悟り
隣で無表情に ....
逃れ去っていく
逃れ去っていく記憶の
その核心を掴もうと
広がる鉛の海を泳ぐ、泳ぎ続ける
 
 失われた薔薇の花と団欒
 終わった関係と更地
 虚脱の時を刻む秒針

静まっていく
 ....
言葉
宇を身籠もり
身籠もる言葉は
響く声また声の渦
何かが何かが ウマレテイル

  〇

夏の炎天下の縁側で
西瓜を食べている
兄と弟、汗流し
その頃青大将たちは
群れ ....
かなしみの
青が降る
透明、
ただ透明に
なっていく
己の体
幾億もの幾兆もの者達が通った道
途、未知、溢れ
枯れ果て、移行する
闇の光の奥の
ふるふる震え揺れ
時の間隙縫い
 ....
フローリングに寝転がり
爆発する太陽を浴びる
降って来る光の洪水は
世界のすべてを肯定し
温め熱し燃やし尽くす

)否、否、否
)肯、肯、肯
)越えて超えて!

病に苦しむ己も
 ....
白雲が
猛暑の青空を
ぽかり行く
私は架空の縁側に
寝転びそれを
眺めている

いつしか遠い記憶に眩み
五歳のじぶんが微睡んでいる
その残像を追いかけながら
胸奥に疼く郷愁に
身 ....
毎夜夢に現れる人達の
考えていることが見通せない
それぞれがそれぞれの意志を持ち
それぞれがそれぞれの言動を繰り広げ
夢の中はまんまブラックボックスだ

私の夢なのに!私の夢なのに?

 ....
この夜に目醒め
この夜底に触れる
私にはもはや
親兄弟家族親族はなく
現世的無縁仏だ
円やかな現世孤児だ

そこでは
 私という存在が剥き出しで
そこでは
 私が真っ裸のすっぽんぽ ....
白い部屋に横たわり
独り時が過ぎるのを
さっきからずっと眺めている

)右足の親指が急につり
)反り返ったまま動かない

無音無言の部屋のなか
時は流砂のように流れていき
私が上げる ....
光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ....
雨に
濡れる
緑の丘を
白馬たちが
次から次へと
走り去っていく

その響き また その響き
凄まじく獰猛で限りなく繊細で
全ての白馬達が視界から消えた後
深く異様な沈黙が この界 ....
欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない現実に
後ろ手付いて息を吐く

二度と取り戻せない時間の堆積
記憶は麻痺しながらも
思い出したように不 ....
暗闇に蒼白い河原の
小石夥しく静まり返り
流れ動き澄む川は無音
黒く光る水面の異様
恐るべき氾濫を孕み
奥まった沈黙を保つ

決して終わらない不安は
この沈黙という深い謎に
剥き出し ....
熱波の到来、渦巻く大気
気の遠くなるような青い空

蝉時雨の下、俺は進む 
光の踊る、時の未知へ

夏へ叫んで、夏へ叫んで
遠い木霊を聴きながら
光に貫かれ
すべてが踊り出す
この八月、
白い波しぶきを浴びながら
旅人は麗らかな海辺の街をいく

静かに客人を待つ庭先には
石と薔薇、薔薇と石
石に刻み込まれた眼は
鬱屈を宿しなが ....
光の矢はもう無数
うねる青のキャンバスに突き刺さり
神の息吹きはもう絶え間なく
熱風となりこの世界を掻き回す

)白衣の少女達、妖精のように
)黄色い向日葵達、満面の笑みで
)鳴き続ける ....
縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て

遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が

風に吹かれて
風に吹かれて

名無しで ....
丸く黄白い
月が
宙に浮かんでいる
この夜は
脈動静か
気は鮮明
揺れる
草葉の陰に居て
絶えざる街のザワメキを
浴びて浴びる
わたくしが
視界に飛び込む
孤独の実を
むしゃ ....
ザッザ ザッザ
足音、響かせ
さ迷う人

その心中に
微動だにせず静か佇む
確かな凝視、
サヤを剥く

さ迷い人の憎悪を
さ迷い人の心魂を
裸にして、裸にして




 ....
みんみん蝉が鳴いている
夕焼け空に鳴いている 

巨大な夕陽が今正に
落ちようとしているその時に

みんみん蝉が鳴いている
夕焼け空に鳴いている

巨大な宇宙の営みが
寸分違わず足 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨降りの記憶- ひだかた ...自由詩520-10-10
憧憬- ひだかた ...自由詩520-10-9
夕闇- ひだかた ...自由詩520-10-5
秋いろ- ひだかた ...自由詩220-9-30
初秋にて- ひだかた ...自由詩420-9-28
出来事- ひだかた ...自由詩220-9-27
夕景- ひだかた ...自由詩520-9-20
無限遠点- ひだかた ...自由詩820-9-19
- ひだかた ...自由詩420-9-18
光のあの子- ひだかた ...自由詩420-9-14
古井戸(改訂)- ひだかた ...自由詩420-9-12
その時その瞬間〇寂寥と平静- ひだかた ...自由詩720-9-6
森宇宙(改訂)- ひだかた ...自由詩420-9-5
かなしみ- ひだかた ...自由詩520-9-3
太陽を浴びる(改訂)- ひだかた ...自由詩420-8-30
架空の縁側- ひだかた ...自由詩220-8-30
夢の他者(改訂)- ひだかた ...自由詩4*20-8-22
宇宙の風道- ひだかた ...自由詩720-8-21
繋縛- ひだかた ...自由詩420-8-18
ある夏の光景- ひだかた ...自由詩6*20-8-17
白馬- ひだかた ...自由詩720-8-14
記憶2- ひだかた ...自由詩320-8-13
界の未知- ひだかた ...自由詩220-8-7
夏へ叫ぶ- ひだかた ...自由詩320-8-6
八月の光- ひだかた ...自由詩520-8-6
夏、怒涛- ひだかた ...自由詩420-8-5
童夢- ひだかた ...自由詩13*20-8-4
光の場所- ひだかた ...自由詩520-8-1
自我- ひだかた ...自由詩220-7-29
みんみん蝉が鳴いている- ひだかた ...自由詩220-7-28

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