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育まれた大地は哀しみに暮れ
あなたの幸せを乞う、と
腐敗した果実を土葬にいだく
還れない連鎖がある
祝し祝される転生の輪を閉じ
静かに響く余韻の産声を預ける
生き写しの影が光となる ....
ひとりの部屋に
はらはらと蛾がさまよい込み
白い壁に逆さまの
ハート模様をこしらえる
こんな日は
蛾にさえ心を慰められるものだ
浮き沈む日は山の間に
虫の囀ずりは蜃気楼のごとく
....
水面を幾重にも抱きながら藻が囁く
流れは何をも見送るもの
躓くものも うつむくものも
嘲笑うものも 祈りのひたいも
魚が撥ねる
いま その尾が視とめた光の破片が
太陽の剥がれた抜殻とし ....
手の平を透かして、皮膚の内側から太陽が射す
精霊が戯れる木陰にいて
同じ歌を幾度口ずさんでも
けっして消えることのない痕跡
その痣を口移しであなたの皮膚に刻んでは
剥がれ落ちようとする人間の ....
大気の継目
深い呼吸に上昇し
仰げば次元の小径
真鍮の足跡
蟻となり纏った視野は日輪の槍に射貫かれ
せせらぎは大木に流れを受容される
私は硬直した椅子の背となり空間に浸る
それは賛 ....
からだを崩して
水の音が静かに静かに
重力に逆らい天上へとそそぐ
赤ん坊がボールの中で宙返りをしている
老婆は手編みのベストを厳かにまとって
庭木は樹海の水脈を眩しげに浴びる
洞穴 ....
ひとひらの葉に穴を透かして
虫は陽をあおぐ
表皮を緑に染めるため、
いいえ
葉を愛するゆえに、彼はひとひらを枯らすのです
あなたは私を幼いと言う
一足一足がまるで驚愕だと言う
あなた ....
透明なビニール袋に夜闇を包んで抱きすくめたい。耳梁から泡になって消えていく音楽のように、この部屋に息をしている形容しがたいもの/ほら、私の爪先に侵入していながら体温は南極の氷に閉ざされてしまう。いくら ....
ひとつぶの光を追う
求められた大きな聖杯が
冷えた水蒸気をまとう
あらゆる渇きに喉が浸せるように
切り裂かれた流星は象徴を保ったまま幾片の塵となり降り注ぐこの夕闇に
君は息をひそめて自身 ....
糸を伝わる震えとぬくもり
声の往信が私達をつがいの鳩にする
時間が道路なら振り返って走ろう
白線にそって回顧の草を摘みながら
あの白い家屋に飾ってある
陽に焼けた一枚の写真を目にするため ....
引き裂かれた純白は紡いだ秘史
振り向く斜陽は
嘆きの夜を引き上げる
むせぶ人の片頬の躓きを藍色に包み抱いて
腐臭の眼に沈む夜
鈍刀は胎盤を貫き
血の海は溶岩流となって皮膚を焼いた
絶 ....
山際に故郷を茂らせて
霧立つ河は唱和する
悠久の径を手引くように
水面には明かりの灯った小さな神輿が流れ
その一つ一つに幼子が蹲っている
名付けられた世界を知らず
生誕の由縁も語れぬまま ....
こたきひろしさんの由木名緒美さんおすすめリスト
(12)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
無言劇
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由木名緒 ...
自由詩
9*
19-9-11
夢の晩酌
-
由木名緒 ...
自由詩
3*
19-9-3
虫のなみだ
-
由木名緒 ...
自由詩
15*
19-7-20
燃えさしの煙草と蝉の抜殻と
-
由木名緒 ...
自由詩
6*
19-5-31
幕間の燐光に
-
由木名緒 ...
自由詩
8*
19-5-9
宿り木の元で
-
由木名緒 ...
自由詩
8*
19-4-18
地殻の節理
-
由木名緒 ...
自由詩
8*
19-1-21
昏睡の祈り
-
由木名緒 ...
自由詩
7*
18-12-8
君の命が杯になる
-
由木名緒 ...
自由詩
14*
18-12-5
世界は泣いている
-
由木名緒 ...
自由詩
15*
18-11-16
◎銀河の原罪
-
由木名緒 ...
自由詩
10*
18-5-4
◎裸身
-
由木名緒 ...
自由詩
14
18-2-7
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