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女を寝取られた男が、嫉妬にかられて寝取った男のちんこを
枝切りばさみでちょん切ってトイレに流すなんてのは
まったく話にならない。
下品な雄ブタの発作だ。
J子はアイスキャンディーを ....
憎しみ合う時が終わった時
平和が始まるのだろうか
はみだして 行き場のない ことばたちが
過去へかえっていく
そうだった
あなたに 出会うよりもまえから
あなたのことを 好きでした
みつめあうよりも
ずうっとまえから
わたしのどこか ....
知人の見舞いに桃を持っていったが
急に呼吸状態が悪くなったと
面会はできず
桃は連れ帰った
食卓に置いた木箱のふたを開けると
縦にみっつ並んで
桃たちは姉妹のようだ
血色よく尻を ....
銀色に光る水しぶき
小学校の
プールが見えた
陽炎の中に
まぶしく輝く森
まるで
他人事のような
暑さの記憶
いつまでも 耳の奥に
歓声がこだましていた
一体
何 ....
(踏切を 一滴ぬらす 金魚売)
一握りの午後の 、
その発声の凹の底で、手の皺のなかの風を冷ましながら
坂をのぼる男
黒ずんだ肌
蝉の腹のような太もも
....
昨日、犬を 殺してきましたと
あなたは言った。
あまりにかわいそうなので
殺しましたと。
母以外の他人には けして 懐かない
犬でした。
夏には きゅうりを丸齧りしてい ....
見ただけで
その人の何がわかる?
どっか行こ?
自由だなって
思えるどっか
ケータイもパソコンも
鳴らないどっか
眠れる夜のどっか
夕暮れになるといつも
そこに
ぜんぶを残して
かえった
いったいどれだけ自分の中から
わいてくるものなのかとおもって
そのうち悲しみなどに浸れなくなってくるのだった
フリーマーケットにはまさかフリーダムは売ってはいないが
団地の夏祭りのフリマに無職の37歳
嫁に食わしてもらっている松岡君と出店することにした
家に眠っている書籍が主体で
売り上げの半分は ....
*
白いシーツが晴々とはためく青い午後
大きな風にのって君の嬉しそうな声が疾走る
思い切り抱きしめればまるでお化けのようなカタチ
くすぐったいと笑う君をすっぽりくるんだその存在を
ぎ ....
ここは
死体の街
ここは
終焉の先
固く縛った荷を解いて
その椅子にかけなさい
誰に遠慮することもない
ここには永く客など来ていない
何か食べる ....
やはり、深い、苦しみは、救われず、気付かれず。
涼しいうちだけの華、肌が感じているその一時。後片付け、そこには誰もいないのさ。
いっそ簡単に、あなたの心を奪えてしまえれば、それとなく呟いた ....
死に化粧の父は
歌舞伎役者のように凛々しくて
酒で枯れ果てた唇が
潤っていたのを初めて視た
・
回顧する夕暮れ
鳴いている壊れた時計
線香の香りが夏の空気と合わさ ....
累々と赤い匣家が らの花を食む
みずに触れる 苫屋のともし火
逆さなく とまれグロ溶かしゆく
バスに乗って目を瞑ると
私の中を通過していく
一台のバスがある
開いた窓から
誰かが手を振っている
懐かしい気がして
手を振りかえすと
バスは小さな魚になり
泳いで行っ ....
夏
と言ったら
海
ビーチパラソルは無く
海の家も無く
砂だけがある浜を
海水パンツ一丁で
海水に突入していく
はずはなかった
私の出身地は山間で
山から切りだされた木を
....
海が広がっている
どこまでも
広がっている
ゆっくりと
波立ちながら
幾つもの筋を刻み
奥まっていくその生動
水平線に凝縮する濃紺を
雨空の灰白に際立たせ
のたりのったり
....
みずから の
からだを つかいきった ら
今日は、からだぜんぶで 床を かんじてみよう か
床の飴色は頬に ひんやり
水飴にもなれないまま
わたしの良からぬ電気を逃がすように アース ....
価値を洗う
匿われた秘め事に添えられて
命の枝葉を派生させてきた
夜の露の中でしか満たされない静寂を
静かに土中へと引き寄せる
裏切りの奥を問い詰めれば
逃れられない渇望と
分か ....
終わりに言葉はいらない
さよならと言わず
ただ、手を振ってほしい
小鳥がついばんだ林檎だけ
落ちずに残ったとき
決してこの世は綺麗なものだけで
満たされてはいない
線路の左側を歩いていくと
虹に辿り着くと幼い頃叔父が言った
母について記すとき ....
普通という言葉が
とても嫌いでした
思い描いていた「普通」に
なかなか成れなかったからです
夏が透ける雨の隙間
渇いた紫陽花が
雨を、乞う
君の言う「さよなら」は
少し前向きな意味でありますように
君の言う「おいしい」は
目一杯の笑顔でありますように
君の言う「ごめんね」は
少し不器用でありますように
君の言う ....
いい詩を書く為に
たくさんのことにとらわれながら
ただ書いていた
人の言葉に人の考えや
思いにとらわれながら
ひたすら詩を書いたけど
自分の詩なのに
人のことばかりで
自分がどこに ....
夜が来て
少し気が楽になった
今日が終わるからじゃなく
明日が始まるからじゃなく
私が夜の住人だからだ
田んぼの中を
カタコト抜ける電車は
やがて海に出る
終点は港で
そこはふるさとだ
寂れた駅にひとつ
真っ白なベンチがあって
子供の頃の記憶を
日差しが象る
いつかの夏のように ....
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