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心は揺れる。いつも頼りなくて、大嫌いだ。心。
心のことを書いている。
ちりちりとした火に焼かれる日々のことを思う。関わったり、失ったり、人として生きることの苦しさと、辛さと、そのたびに乱れ ....
湿度の高くまとわりつくような熱と空気の密度に対して、肌の内側からゆるく反発するような力を感じている、夏の昼下がり、こうしているとまだ生きていられると思う、それは当たり前のようで当たり前では ....
何か例えば
そういう事を言いたいんじゃなかった
光ったり遠かったり
触れられるものを大切にしたかった
古いボールペン
革のノートカバー
綴られた文字は癖があって
誰が書いたか
....
安全で守られた土地へ
だれもいない
ここに光る
古い回路
無造作に
わたしの単音は
規定され
ようやく呼吸を
思い出しはじめていた
輪郭の記録
signal
こちらの温い ....
今日のことだけ大切で、昨日までは忘れた。
ぼくは地名も歴史もわからないし、
暮らしにはコーヒーと猫があればいいと思ってる。
AとかBとか記号のように生活を送る。
広い雨の大通りを、微生 ....
汚れた衣服をいくつか籠に放り込んで、そうしてぼくたちはカラフルな影を選んで家路についた、どの日めくりにもあった日焼けの跡のことを、反射する屋根の眩しさ、室外機の低い振動、五月は水色のタイト ....
きらきらの泡のペプシコーラみたいな週末が、ぼくの身の上にまきちらされていた。映画館のアルバイトは忙しくて、深夜に帰宅したアパートでは雨漏り騒動があったし、スマホは調子が悪くてなんだか通知がうまく届かな ....
あの壁と、この壁は違った
透明な呪詛だと思えば、
(知らない舌)
やがて、幾度となく数える
花のありかのことを
遠く、広い、呼吸は
(さみしいだろう)
背景に描かれたものたち ....