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喉を失くした
もう言葉で潤えない
どんな綺麗で優しい言葉でも
空腹を満たすことは出来なくなった
おいでよ
もう誰も信じなくていい
どこからともなく聴こえてくる
もうひとりのわ ....
蒼い魚が泳いでいたオリオンの川
三つの願いはシリウスへと
今夜も回っています
思い出のメリーゴーランド
どうした兄貴
やけにセンチなフレーズをと茶化してもよいものか
文芸部 ....
素因数分解した僕らは
裸足になって砂浜を駆けていく
照りつける日差しはひたすら加法だ
無限が婉曲に伸びて
規則的に押し寄せる波は
静かに四本の絃を鳴らして去っていく
これ以上はない
その ....
時々思考が靴擦れしてしまって
開いた口が痛い痛いと叫んでしまう
時々思考がふやけてしまって
歯ごたえのない口になってしまっている
時々思考が気化してしまって
きかない筈の口も ....
表意文字同士で手を繋ぐ駅裏の小路
休んでいいかいと言った少年の姿はもうない
弦楽器の音合わせに
五本の指は小さな画面の上をひた走る
青年は手を自由にし煙草に火をつける
再び繋ごう ....
平坦な生き方しかしてこなかった
それでいいと思っている
薄っぺらなままだった
それでちょうどいいと思っている
しかし
味はいろいろ覚えてきたつもり
甘めの醤油味みたいな
ざらざら ....
独房の堀で羽を休めるアゲハ蝶
憐れみの蜜を吐き出す
黒い光沢に光りが反射して
影だけ先に飛んでいく
十七歳の部屋では少女が
明日を憂えていた
それでも敏感に影を捉えて
不意に彼女 ....
何処にも見つけることは出来なかったはずだ
そう訴えているかのように
私の視覚を証言台に立たせ尋問する
画家であれば画材は其れまでに蓄えてきた感情の十色
上手く言葉を塗り付けようとするが
もう ....
あなた
風をたくさん挟んで
送り出す
君への便り
いつまでも止まらない翼は
想い出を回し続け
空に漣を描いていく
今日あった小さなぶつかりは
すぐに修理できるから安心して欲しい
....