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水色ではない水の色
透明ではない透明の色
その透明の色彩で
僕の傷を塗りつぶした
傷ではない傷の色
触れようと無数の手がのびてくる
遊牧民時代の血が
僕に色の螺旋を埋め込んでいた
透明 ....
昨夜の嘘はあなたには通用しなかった
思考の引き出しにある秘密が小さく震えるのを抑えきれず
あなたの唇が弱いところに触れると思わずこぼした
照準は1ミリの狂いもなく急所をとらえ逃すことなく
脳天 ....
組織の飼い犬がビルから落下し凄惨な死を遂げた。その跡は通勤電車で誰かが溢した酒のようにベタついていたが次々と踏まれて下足痕で上書かれた。素直に弔おうとすれば同じ志のはずの誰かは必ず組織のスパイだ。散り .... 夕暮れ
公園で
重なることのなかった影
夜に滲むまで佇んだ

ボールを蹴る音や
笑い声も消えて

ベンチにやってくるのは
大人の時間さ

ムードが僕を追い出して
帰り道
細い ....
神社にいる猫
神様の飼い猫
手の匂い嗅がせたら
背中を撫でさせてくれた

もふもふ
もふもふ

祈りより
心無い肘鉄喰らわされた時の怒り
湧き立つ感情の置き場所を
この毛並みに沿 ....
過去に帰ろうとしたら
暗い海が広がっていて
もうそちらへは行けず
冷たく足を濡らした

現在地に戻ろうとして
位置情報を解放しても
検索されずに行方不明

知っている景色がないか
 ....
外に出れない日
窓の外を眺めていると
窓辺に小鳥がやってきた

淀みを断ち切るような
透明な鳴き声
心に新しい領域が生まれる
心の面積は無限大

小鳥が去った後も
余韻が心を満たし ....
ポカリスエット身体に沁み込ませても

ぜんぜん足りない水分

寒気と火照りのせめぎ合い

身体中の痛み

視界はサンドペーパーで引っ掻いた荒さ

糸の切れたマリオネット

背負 ....
少女の前から飛び立った白鳩
戻ってくるかはわからない

支配者たちの甘い囁き
はしゃいでいいよと言う
平和ための手榴弾
安全ピンを外させるという罠
利益のための囮
偽物の白鳩が空を舞う ....
一人で寝ているのに
部屋に人の気配
そちらを見るのが怖くて
背中を向けていると
背中に柔らかいものが触れる
やがてそれは体を覆い
急に重くなる
退けようとするけれど
体は動かず
声も ....
岩子は人間で幽霊族とは結婚できなかった
岩子が死んだ後
腹から子供が這い出てきた
幽霊族との子供で妖怪だった

岩子の体は灰になり意思だけが残った
やがて姿をアゲハ蝶に変え
子供と夫に寄 ....
真夜中から明日は始まる
明日が今日になって
まだ暗いうちに目が覚めた
やわらかな絶望にくるまって
陽が昇るのを待つ
もう一度眠ったら
起きる時の重たさに
心が負けてしまいそうだから

 ....
爆ぜてふわりと広がる火の粒
無数の思いを映して漆黒の宙に咲く
見上げる顔は様々な色に照らされた

今の自分がパッと開いて
苦悶する思い散らして

心に纏わりつくものが
だんだん落ちてい ....
他愛無い話をして笑い合った
そこが病室であることを忘れてくつろいだ
しかし血色の無い唇は落ち切った砂時計のようだった

帰る時
私の頭から爪先まで目に焼きつけようとする瞳が潤んで光っていた
 ....
誰かの作った世界で
見ざる言わざる聞かざる
飼い慣らされて
俯いて取りこぼした夢
言われるままに行進する
息を殺したまま
三猿たちの断末魔の足音

かつて某猿が摘んだ花だけが
上を向 ....
背番号10番が攻めてくる

守りを固める近づいてくるにつれて

巨漢であることがわかってくる

ディフェンダーは薙ぎ倒された

次はどう来るのか

ゴールキーパーは震えていた
人魚の住む海底に
一枚の絵が落ちて来ました
それは人魚のいる瑠璃色の海と空
絵は溶けかけていましたが
人魚の心を打ちその絵を宝のように思いました

ある日人魚が海から顔を出すと
岸辺で絵 ....
カレンダーを眺めると
夏はもうすぐ終わり
隅っこに秋が待機している

ここまであっという間
この先もあっという間
どこに流されていくか
影が差し込んでくる

毎日の明日への不安
そ ....
犬も食わない喧嘩
荒れている間は
まるでこの世の終わり
周りにいる者に
最大限の気を使わせる

翌日になると
あれは何だったのか
というくらい平常運転
ノリ遅れてあたふた
使おうと ....
米米米米 米米米米
買いにいけども
米が無い 米が無い

米の棚にはインスタントラーメン
米の棚にはインスタントラーメン

米が無くても生きていけるけど
心の底辺に流れる不安
インス ....
理不尽に叫びたかった日
拳を握りしめながら目を瞑ると
瞼の裏は草間彌生
体内の粒子が猛スピードで蠢いている

顰の素顔を塗りつぶし
呼吸をゆっくり
数を数えて

瞼の裏のざわめきが
 ....
地獄の底に住む紅蓮の獅子
炎を纏いて湿地へ飛ぶ
湿原は草原に変わり
根を燃やした跡には道ができ
そこは太陽の匂いがする

架空ではなかった
権化となりこの世に降り立ち
目の前に現れた人 ....
迫害は止まない

怯えた私にあなたは言った

歓迎したくない者がやって来て
自己存在を内面から荒らすことがあったとしても
それらを受け入れるように

そして逆さにした十字を翳した

 ....
一日のルーティン
家を飛び出す
挨拶をする
家に帰る

毎日のルーティン
起こされる
泣かされる
ふて寝する

年がら年中
カチッ
ルーティン
ルーティーン
ルーティーーン ....
ひと夏の夜
家族に背を向け
庭に咲いた月下美人を
見つめていた父

そんなこともあった
今ではどんなことだって
苦笑いくらいはできる

寂しい時ほど
思い出すのは後ろ姿
断捨離は「いつか」を嫌う
読めなかった本を処分した
私が摂取できたであろう言葉とは
出会わないまま
その分無知を増やした
人間関係までも切ってしまった
その中に将来助けてくれる
人脈があ ....
遠いつながり
僕を救って
誰かの蜘蛛の糸
しがみついて
不穏を生きる
不安や欲望
無限の孤独感
カオスな世界で
よじ登れはしない
それでも電磁の粒子
時々神の手みたいに
糸を伝っ ....
海水が満ちて
そこに建つ鳥居は
海を歩く神の道
遠くて神聖
写真を撮り
手を合わせるのです

海水が引くと
そこに建つ鳥居は
砂地を歩いてくぐれる
神の道をなぞって
お辞儀をしな ....
無知蒙昧で無邪気なまま
見えない檻に心を閉じ込められ
抗うことを知らず
運命に運ばれている
やがて魂を抜かれてしまうだろう

自分の居場所に気づいた者の泣き声が
地下道に響き渡っても
 ....
今日もおばあちゃんと折り紙で鶴を折る
最初に三角に折るところから
おばあちゃんは折り方を忘れてつまづいてしまう
だからまた折り方を教える

だめだねえ
弱々しく笑うおばあちゃん

毎日 ....
レタスさんの海さんおすすめリスト(105)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
透明の色彩- 自由詩6*24-9-13
lose- 自由詩9*24-9-12
No.n- 自由詩6*24-9-11
ひとり- 自由詩7*24-9-10
祈りより- 自由詩8*24-9-9
迷子- 自由詩4*24-9-8
充実- 自由詩524-9-7
発熱- 自由詩4*24-9-6
安全ピン- 自由詩4*24-9-5
金縛り- 自由詩4+*24-9-4
岩子の願い- 自由詩424-9-3
眠れずに、朝- 自由詩324-9-2
花火- 自由詩7*24-9-1
最期の眼差し- 自由詩624-8-31
三猿の行進- 自由詩8*24-8-30
ゴールキーパー- 自由詩324-8-29
瑠璃色の鱗- 自由詩324-8-28
次の季節- 自由詩424-8-27
犬も食わない喧嘩- 自由詩324-8-26
米が無い- 自由詩5*24-8-25
アンガーコントロール- 自由詩5+*24-8-24
紅蓮の獅子- 自由詩324-8-23
ペトロの妻- 自由詩524-8-22
鳩時計- 自由詩324-8-21
月下美人- 自由詩524-8-20
いつか- 自由詩424-8-19
蜘蛛の糸- 自由詩424-8-18
願い- 自由詩524-8-17
cage- 自由詩324-8-16
折り鶴- 自由詩824-8-15

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