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微かな痙攣
君のとびきりの接吻が一匹の柔らかい死體人形に稲妻を給餌する
雷鳴は心臓と右肺に秘匿され禁域の嶺にて過熱した母胎へ
再誕を迎える畸形の孖が掌を繋ぐように嘗て彼女等は呪詛であった ....
震え
謳う
脳髄の底から
双眸を潤ませ
這い出した
無貌の
青い吃音症
瓶詰めにされた
仔犬を並べて
逆様の月が
わたしの体液を舐めとるあいだに
惑乱は響き続ける
....
攣する犬の眼球を聳える鉄塔の天辺に据え
脳殻を浸す白濁した満月の体液を攪拌し撒布せよ
砂漠の痘痕に播種された柔かい狂気の核が芽吹く頃
蟒蛇のかたちで生き餌を喰らい、嬰児の眸へ灌ぐ毒の苦味が
....
僕の右肩へ憩う鴉が
君の憂鬱を啄む宵にのぼる満月
卵殻は肉體の成熟だけを迎え腿を伝う経血と
なお幼い儘の世界を眺望する君の病室に山積し
癲狂院の広場に谺するクランケの聲に扉は披く
「よう ....