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草の根と息吹と
あなた、忘れていったね
飛行船の落とし物みたいに

剝がしたり叩いたり
転んだりしながら過ごした毎日を
何と呼べば良かったのだろう
丁寧だったり雑だったり
胡麻 ....
ほつれていくテレビに
故郷が映った
見慣れた橋や川面の姿
人も映っているけれど
ほつれていて
よくわからなかった
会釈くらいはしたかもしれない
そう思うと
雨の音が聞こえた
 ....
 
 
電柱を数えていると
母にはしたないと叱られた
数える以外、電柱の用途など知らないから
何で、と聞いてしまった
何で、と二回聞いてしまった
風景の端っこを小型犬を連れて婦人が横切る ....
 
 
とり急ぎ、という言葉を初めて聞いたとき
鳥も急ぐのだと思った
正確に言うと
へえ、鳥も急ぐんだ、と思った
それはユウコの初めての言葉だった
今思えばあの頃
鳥は皆、急いでいたよ ....
午後が落ちている
歩くのに疲れて
坂道を歩く
人だと思う

エンジンの音
やまない雨の音
降り積もる
昔みたいに

曜日のない暦
夏の数日
確かに生きた
覚えたての呼吸で
 ....
 
 
店員さんが運んできたコップの中に
凪いだ海があった
覗き込めば魚が泳いでいるのも見える
こんなにたくさんの海は飲めそうにない
先ほどの店員さんを呼ぼうとしたけれど
彼女なら里に帰 ....
僕に関係の無い人が笑っている
僕に関係の無い人が泣いている
僕に関係の無い人が風に揺れている
僕も少し風に揺れながら口を開けて
あの日のことを思い出そうとしている
あの日、が何のことなの ....
 
 
プラスチックが降り積もる
世界は彩と形に満ち溢れ
ラジオからはいつものように
幸せな物語が流れている

どのように話したらよいのか
君に話したいことがたくさんあるのに
話すべ ....
安売りをしていたので
星をひとつ買った
命名権付きということで
相応しい名前を小一時間考え
以前飼っていた犬の名前をつけた

部屋の電気を消すと星は仄かに瞬いて
偽物みたいに綺麗だ ....
 
 
バスに乗って目を瞑ると
私の中を通過していく
一台のバスがある
開いた窓から
誰かが手を振っている

懐かしい気がして
手を振りかえすと
バスは小さな魚になり
泳いで行っ ....
 
 
理由のいらない椅子が並ぶ
未明に墜落した紙飛行機の残骸と
食べかけのルーマニア菓子
砂浜の砂の数は
既に数え尽くしてしまった
栞の代わりに挟んだ魚が
静かに発酵して
すべての ....
 
 
知り合いに似た形の雲が
空に浮かんでいて
その人の名前は
とうに忘れてしまった

ミシン目で切り取られた海が
安売りされている商店街を抜けると
賑やかな駅前に出る

駅前 ....
  
ファミリーレストランで食事をしていると
同じ形をしたファミリーがやって来て
西の方角から順番に着座した
 
ブラザーはシスターに
シスターはマザーに
マザーはファーザーに
それぞ ....
 
 
味噌汁の中をラクダが泳ぐ
どんなに泳いでも
沖などあるわけがないのに

僕はボートに乗って
ひたすら豆腐を網ですくう
今晩の味噌汁の
具にするために

いつまでこんなこと ....
 
動物の名前を書いていると
人がやってきて
他人事みたいにほめてくれる

交差点のあちらこちらでは
初夏が観測され始め
立入禁止の札もまた
ゆっくりと音をたてている

このまま一 ....
ガトさんのたもつさんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
知らんぷり- たもつ自由詩12*24-12-1
テレビ放送- たもつ自由詩11*23-12-3
日向- たもつ自由詩2*20-3-25
生活- たもつ自由詩9*20-3-20
引き出し- たもつ自由詩1120-3-10
ランチ- たもつ自由詩1420-1-5
さよなら- たもつ自由詩2418-6-8
終戦- たもつ自由詩915-8-8
夕日- たもつ自由詩3515-8-1
見舞い- たもつ自由詩2015-7-15
理由- たもつ自由詩1615-6-25
駅前- たもつ自由詩615-6-14
ファミリーレストラン- たもつ自由詩815-5-25
味噌汁- たもつ自由詩715-5-24
はげ- たもつ自由詩415-5-20

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