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金曜日のためか 広場の一角で
子どもたちは ボウルを蹴って
騒いでいる
だが もぅ・・・・・
卒寿の俺さまには
そのまねは できっこない
救 ....
東海は 渥美半島の 砂山から
真昼の渚に 乱舞する
海鳥たちを ながめるとき
太平洋を覆いつくす
「悠久」のふた文字が
こころにしみて
....
卒寿のおひとりさまにあって
それは
昼さがりの うたたね でも
まどろみ でもなく
ただ 無聊に
まぶたを 閉じていたとき
隣家からもれてくる
....
重みをなくした
他愛もない 愚痴を
オブラートにつつんで
嫁いでいった 一人娘に
しばしばメールしている
卒寿となった おひとりさま
だが 一人娘は 多分・・・
言外 ....
蝶番に赤錆びが 出始めた
脳味噌に白カビが 生えだした
それなのに
卒寿までいのちが めぐまれたこと ....
なぜだろう
トンネルに入る汽笛が鳴った
青い春の旅路
なぜだろう
トンネルにもきづかずに過ぎた
赤い夏 白い秋の ....
卒寿となって
おひとりさまは やっと気づいた
連日 体の苦情を おのれに呟いているが
そのことだけでも 実は
在り難いことなの ....
声帯を枯渇してしまった
卒寿のおひとりさまは羨望する
梅雨入りまえのそよとの風が
庭木の梢をそっと愛撫するのを
新緑っていぃなぁ
おまえには話相手があって
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