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ガスコンロの焚火をつけて、
朝食用の目玉焼きやウィンナーが、
熱せられたフライパンのなかで活発に弾けるように、
いつも活き活きとバタバタしていたね、
炊飯器からいつでも熱々のご飯を茶碗によそっ ....
まだ整備されていない、
とても茶色がかった昭和の夢の中を、
ヨウイチ君と一緒に遊びまわって、
一体ぼくは何を忘れてしまっていたというのだろう、
彼の名字がどうしても思い出せなくて、
なんだか ....
土曜日、
掃除のため工場の窓を開けて、
そのすぐ下を見やる、
とても窮屈な折半屋根のいくつもの溝に、
いつの間にか溜まっている、僅かな土、
そこからひょっこりと生えている、
数本のほそなが ....
お盆を過ぎると、
いつも風が少し涼しくなるのは、
多くの死者たちが来訪していた、
その磁場の名残なのか、
死んだカブト虫たちを裏庭の暗い土に埋めて、
その上にできるだけ細長い小石を立ててゆく ....
鈴虫よ、
そのささやかに響きわたる、
きわめて細い、
澄んだ高音のさえずり、
そのガラス質のように薄い二枚の羽で、
涼しい夜をさらに涼しく研ぎ澄してゆくもの、
君は、まるでまだまだ音を出す ....
ちいさなちいさな火花を散らす、とても弱々しくなった、ちいさな晩夏の太陽が、ポトリ、と水色のバケツに落っこちて、やがて秋の陽がのぼる。
ガトさんの本田憲嵩さんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
平成家族- 本田憲嵩自由詩1124-10-11
ヨウイチ君- 本田憲嵩自由詩1124-9-30
土の日- 本田憲嵩自由詩924-9-2
晩夏の鐘- 本田憲嵩自由詩1324-8-20
ヴァイオリニスト・鈴虫- 本田憲嵩自由詩524-8-14
線香花火- 本田憲嵩自由詩1124-8-2

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