すべてのおすすめ
街道をふらふら歩き進み歩道沿い、
赤い赤い花の群れ渦
の中に
黒い革靴一つ、落ちている
右片方だけ 色褪せ 皺の寄り
黒い革靴、落ちて在る。
存在の大海原に
今日も冷雨は降り続け
 .... 
割れ目が口を開く
唸りを上げて滴り
蕩けるキャンディー
眉間に皺寄せ叫び悶え
微細な重層亀裂ノイズ
脳髄に充満し滑走し始める
破滅に向かう忘却のグルーヴ 
発情する爆発する幻想のケダモノ .... 
新緑の濃密な匂い、
開けた病室の窓から鼻孔から
身体中に流れ込み浸透し
消えていく消えていく、
鬼火の思念や感情が
そうして、束の間
囚われの身から開放され
新たに感じる振動スル思考 .... 
視覚を失った思考、
わたしのなかで解放される
盲目となったわたしに、
新たな光景、生き生きと立ち上がり
凍結した大雪原
輝く満天の星達の
巨大な光の眼また眼が
明滅し爆発し流れ渦巻き .... 
呑み込まれていく織り込まれていく
巨大な力と熱のうねりに
圧倒的で繊細な愛の織物に
わたしの中で蠢き思考し活動する力の流動体が
人生の不条理こそ条理と響く木霊の透明未知が
受肉の快と苦に .... 
1 2