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次の面接は
猫の事務所
氷河期だから
買い手市場だ
面接官は三匹
目つきの鋭い黒猫と
まだら模様の虎猫
そしてスラリとスタイルのいい
ペルシャ猫
お土産のつもりで持参 ....
羊のいない街などに
住みたくはない
眠れない夜に
数えるものがなにもない
夜中まで起きていて
地球でたった一人になって
季節の星座に笑われる
地上に貼りついているものの
そ ....
あれは
だれかを
思わせる夕焼け
非常口から
眺めていたっけ
ベランダからも
眺めていたっけ
心の窓が
開いていたっけ
絵の具がこぼれて
しまっていたっけ
わたしらを造っ ....
仕事帰りに立ち寄った
近所の神社の境内で
鞄を放り投げ
身を丸くして
一匹の猫の姿に
やがてしばしの眠りに落ちる
会議と定食と談笑とやましさ
戦争と法案と山下とやさしさ
から揚げとひじ ....
兄が建てつけの悪い窓を開けると
光がよいしょ、と部屋に入ってくる
光は物珍しげに
部屋の中を見渡して言う
「ずいぶんおかしな所に住んでるね
一日中しめきって
じめじめしてるし、かびくさ ....
君は猫舌だから
猫語しか話せない
だから大抵話が通じず
そのせいでこれまでも
ずいぶん痛い目にあってきた
けれどどうだろう
それでも頑として
猫語を話すことをやめなかったら
次第に話の ....
白いシーツをかぶり
君をおどかしたいな
君の怯える顔が
僕は好きだから
ねえ、知ってた?
この世は全部
空っぽなんだよ
君が愛する草花たちも
みんな幽霊なんだ
それが ....
詩人と娼婦が恋をした。
詩人は娼婦を
身請けする金を持たなかったので
詩を書いた。
娼婦は感動を
伝える頭と言葉を持たなかったので
体を捧げた。
硬いベッドの上
二人は一つ ....