萌えあがっては散る桜の色や匂いは相対的に嫌悪の対象で、春の僕の中心は虚しい空洞だ。
君のくちびるを表現する言葉を知らず、ただ凝視するため延々と会話する。
そのはかなさの散る刹那を君自身は知らな ....
夏が騒がしすぎて
あんまりにもあんまりだから
黙ってもらいに
花火を消した
花火を消したら悲しんだ
ざまあみろと静寂の世界
目を閉ざして
耳をふさいで
見えないものは存在しないもの ....
部屋を星明りだけにして
本も読めないようなわずかな陰影
布団に横たわりじぃと身をこわばらせる
そこにはすべてがあった
すべての夢があった
しかし眠りだけない
ずーといつまでも
続く夜 ....
毎晩LINEで吐息を聞きながら眠る。
距離も年齢も現実的な障碍も、
切ない迷霧に隠れてしまう。
二次元の恋を三次元にするという提案は、
ゆっくり常温で解凍すべきなのかもしれない。
....
ポケットの中で繋いだ
華奢な手が汗ばんでいる
コンビニの明るさに吸い寄せられるけど
欲しいものは売ってないない
君はバンドエイドを買う
何かをつなぎとめるため
意識がうつろぐの ....
ゴダールの気狂いピエロとおなじように
既婚だった彼女と駆け落ちした
海に沈む太陽のような永遠
ランボーの詩だ
彼女の夫は首吊り自殺した
彼女はやがて去っていった
空の碧と海の碧 ....
身体障がいも聴覚も視覚もおなじ王国にいる。精神障害者だけは二項対立の外にいる。
精神っておそらく壁の向こうはの人には渾沌だ。官僚の悪意か。医学界の怠慢か。歴史的偏見か。精神という管理社会外宣告。 ....
肺がすっかりしぼんでしまったから、
彼女の吐息で満たしました。
吐息に思えましたが、空気でした。
彼女は存在しません。
しかし、朝やかましいすずめの声などいろんな媒体に憑依して現れます ....
アメリカにはバニラスカイって空があるらしい。
姪と散歩していたら遭遇した。
「あんなにおいしそうな空(絶句)」
というのでスターバックスでバニラクリームフラペチーノを食べた。
家に帰って妻 ....
水たまりが銀色に太陽を反射していた。
午前中の予定を終わらせて、
冷蔵庫から低脂肪乳を出して
ラッパ飲みした。
NHKの集金人がやってきて、
インターフォンを押している。
郵便局員が納 ....
昨年海水浴に行った彼女が入院した。
また、夏が来て、
ボクはその海水を
苺ジャムのビンに入れて、見舞った。
水は青くもなく、
きらきらと光を反射することもなく、
濁っていたが、君は躊躇 ....
僕の靴墨に汚れた手を握らない
横顔ばかり見せて正面の微笑みを見せない
君
この齟齬は、僕の気持ちは
一方通行の迷路へ向かう
走り続けるジープを追いかける子供
チョコレートを欲しがり ....
何の為に産まれ
何の為に生きて
何の為に死ぬのだろう
最期の時に分かるのかな
酸素を吸っては二酸化炭素を吐き出し
せっせと光合成に励む草木の青さを忌み嫌い
愛だ何だと叫びながら欲に駆ら ....
零れ落ちた詩を拾い集め
パズルを組み立てる代わりに
初めて出会った場所の記憶を掘り起こす。
(それがどこなのか、悲しいくらい忘れてしまった。)
今
目の前に居るのは幸せに ....
君は一杯着飾っていたね
着けるだけ飾るだけ幸せになれると
友達も言っていた
君には複雑な鮮やかな柄が似合う
肌着はもっと暖かい真っ赤が良いよ
もっともっと着飾った方が
君はいつ ....
あなたは、今もあなたで
わたしは、今もわたしで
それでいいんだけどね、でもなんだか、なんだかね
道端に吐き捨てられた痰
ファミレスで騒ぐ大学生
電車で泣き止まぬ赤子
電車に飛び込むサラリーマン
公共の場
みんなの空間
空気読んで
距離を測って
つかず離れずの赤の他人
見 ....
白んだ空、遠い雲
靄がかかった街と頭
春はあけぼの、微睡む意識に
このまま溺れていたい
止まらない時計と心臓
止まっているのは思考回路
心だけ置いてけぼり
それも良いかもね
ス ....
遊び星
なんのための遊び星
空を飾る星々の
いらぬ光をもらってる
ゆらゆら軌道を変えてはまわる
空に模様を描いている
空に羽を描いている
空から落ちるたくさんの星屑
風景がちがう
あなたがいないだけなのに
ただ、いないだけなのに