{ルビ九十九=つづら}に折られた時の束ね
行きつ戻りつ
差し挟まれた幾つもの文から萌えて
息吹く面影がある

月が像を失い
奔放な青と黄が眼裏を揺らす夜に
散り積もった悲色の花びらから
 ....
涙を部屋になみなみ注ぎ
溢れかえったら泳ぎ出そう
波立つほどに満ち溢れたら
並木道まで泳いでこう

ショッピングモールくぐるマンタ
カモメ引き連れ羽ばたくクジラ
トビウオは太陽まで届きそ ....
空の何処かを突くと
海になる
だがその場所を知るものは
二億五千万年前に去ってから
一度も此処に戻ってきていない















 ....
心地良い朝を吸い込んだら
迷子のオキシダントが
途方に暮れているのが分かった

悔しすぎて歯軋りしたら
心配性のフィブリノーゲンが
身構える気配を感じた

本当を言い当てられて黙っ ....
バスの座席に身を沈めると
自分の居場所を見つけた気がした

乗客は疎ら
誰もが無言で
窓の外を見つめている

赤いテールランプの川
灰色のまま濃くなる空に
星のように瞬いてとび去る
 ....
あたまの声は
なかまの声だ

あたまの痛みは
あなたの痛みだ

  ☆

抒情を排し
饒舌さを避け

なにものでもない
言葉の羅列

  ☆

僕たる僕の
僕 ....
胸に枕を敷いてうつぶせになって寝転んでいた。

そして自分の指を見ていた。

あんまり近すぎてぼやけた指だった。

あんなことのあったあとだ。

しばらくこうやって気を静めていよう。
 ....
心を傾けたくて
首をかしげてみたりする

垂直を保っていた中身が
静かにあなたの方へ移動して

夜になれば
いっそう傾けたおして
すみずみまでもが水平になる

殻という
分岐を越 ....
海は優しい
もちろん
それだけではないことを
たくさんの人が知っている
海は荒れ狂う
そんな日は
早々に寝てしまうだけ
海鳴りを子守唄にして

たどりついた
ふるさとの
今朝の海 ....
県南の町を
目指していくと
いつの間にか
新しいバイパスに入り込んでいた


どこでわかれたろう
さっきまで 慣れた道だったのに
わかれ道すら気付かず
私たちは
知らない道を渡 ....
実際に6才の少年を
一年おきに撮影し
その成長過程を
描いた作品だが
結局47才になった今も
物語は続いている
スタッフも共演者も
いい加減ウンザリしてきて
来年はいよいよ
手術シー ....
今、私は冬の終わりと春の始まりのうすごおりのような、境界面にいる。(、のだと自覚する)

今日は暖かくなると天気予報が告げている。自転車通学をしている娘の防寒ジャンパーが玄関に置き去りされている。 ....
「ハイジのおでこはアールデコ」

塾に行く子供たち 電車を待ち
丸い おせなで ゲームする
一番線に 白ヤギが紛れ込んでいますご注意ください
満員電車の中で みんな気付きません
二番線に  ....
独り 楽しむ と記し
独楽(コマ) と読む

独り楽しむためには
独りで己を支えなければならない
独りで支えるためには
日々 回り続けなければならない

そして回り続けるためには
己 ....
とりどりの人がいる

顔、瞳、髪の色はもちろん
おそらくは心の中や
境遇までも

透明の涙が私を取り巻く重いものを流してくれる日もある
透明の涙が
さらに粘度を増して醜いゼリイになって ....
リンゴを木の枝にうまく乗せることができない

その人は寒空に部屋着のまま 油断したのだ

やっと乗せ終えたところを見計らって挨拶すれば

かじかんだ「コンニチワ」と鼻水少々 そそくさと家の ....
雪はいつの間に
雨に変わったのだろう
目玉とお臀を
ぴかぴか光らせる
鋼鉄のねこたち
灰色の街

道端に
ピンクと黄色の花が咲く
花びらの下
こどもたち
寄り添い合って

雨 ....
漢字の書き取りをしながら息子が大粒のなみだをぽろぽろとこぼしている
耳という字を書いていた
どうしたんだ?と聞いたが俺には言わないらしい
その後スマブラをしたんだけど俺の勝ちがちょっと続いたら
 ....
私が不治といわれる病気になった時
学校のことや
子供会のことなんか
代わって引き受けてくれたママ友に
「いろいろごめんね」と謝ったら

事情を知っている彼女は言った
「そんなこと、気にし ....
何もかも終わりにしたいと
にわか雨なんかに負けることなく
濡れる肩も気にせず本気で思った
願わくば少しでも早く
暢気なわたしではあるけれど

まだまだやれるなんて
見よう見まねの台詞
 ....
【閂は開かれる】

閉ざされた記憶の門のかんぬきが
思いがけない方法で開かれることを 私は知った
たとえば 少女の髪にあったリボンが
ほどかれた瞬間に急に大人び
何かを失ったかのような遠い ....
空を飛ぶ 夢をみた

子供のころから あこがれていた
空を飛ぶという 夢だった

鳥のように かろやかに
大空を 自由に 翔けめぐった

でも それは やっぱり ただの夢

あ ....
 数え切れない
 手に負えないくらいの
 幾千枚の白いはなびらが
 ほとんどいっせいに
 枝という枝を離れて
 舞い踊る
 まるで蝶のように
 儚げであるのだけれど
 或る意志を持って ....
真昼のまま凍りついた
ひとつの情念
名づけようもない一編の詩を装い

光明な思想が引きずる裳裾の陰鬱
石仏のように摩耗して正体もなく

言葉は羽 風に舞い
人は水 流れ集まる低く低く色 ....
元気ではなく
何もすることがなく
眠れず
そういう時年に何度か
自分の名前をインターネットで検索した後に
いつもと同じサイトしか出てこず
ふと思い出したように現代詩フォーラムなんかに行った ....
それから
すべての君の中から僕のすべてがいなくなってしまえばいい

それから
ふつうになにげに生きてゆく

それから
今日はやたらと月がきれいに見える
とかは気のせいで
ふつうに ....
コトバスキーさんのおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
こぼれる- ただのみ ...自由詩18*15-3-11
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- シホ.N自由詩7*15-3-3
7ジグソーみそ汁- 吉岡ペペ ...自由詩815-3-2
流動体_【詩人サークル群青_二月のお題_「岐」への提出作品】- そらの珊 ...自由詩14*15-2-26
さいはて- そらの珊 ...自由詩21+*15-2-25
旧道- フユナ自由詩415-2-23
6才の僕のポコチンが剥けるまで- 花形新次自由詩115-2-23
うすごおり- そらの珊 ...散文(批評 ...11*15-2-23
ハイジのおでこはアールデコ- るるりら自由詩19*15-2-22
独楽- ただのみ ...自由詩18*15-2-21
- そらの珊 ...自由詩15*15-2-20
渡り鳥- ただのみ ...自由詩15*15-2-18
雨の街- 水銀自由詩2*15-2-18
死にたいと言うな_助けてといえ- 馬野ミキ自由詩27+15-2-18
明日は我が身- そらの珊 ...自由詩17*15-2-16
にわか雨- 小日向 ...自由詩115-2-16
閂は開かれる- るるりら自由詩17*15-2-14
空を飛ぶ夢- 南無一自由詩215-2-13
墓所にて- そらの珊 ...自由詩2315-2-13
観測者の逸脱- ただのみ ...自由詩17*15-2-7
真夜中の現代詩フォーラム- 馬野ミキ自由詩8*14-5-21
それでも- AB(な ...自由詩813-9-20

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