心地良い朝を吸い込んだら
迷子のオキシダントが
途方に暮れているのが分かった

悔しすぎて歯軋りしたら
心配性のフィブリノーゲンが
身構える気配を感じた

本当を言い当てられて黙っ ....
酒浸りの毎日が厭きてくると、突然思い立って詩なんぞを書き始めるようになつた。

 詩を書くことにしたのは、既に日々欠乏しつつある己の体力と得体の知れない精神と何とか帳尻が合うかも知れないと言う甘 ....
手ではない何かが動いて
君ではない何かを引き寄せた
恋という記号を剥ぎ取って
唇ではない何かが貪った

唇ではない何かが動いて
名前ではない何かを呼ぶと
君という記号を脱ぎ捨てて
 ....
 
雪が降る、雪が降る、

赤いハートに降り積もる

春はまだか、春はまだかと、まるくなる



 
しろい床に置かれた名札付きひとつのハコ
そこにはふたつのいのちそれぞれが
部屋を出るほんとのほんとの直前に
それじゃ
余韻を残し振り返ってセルフィー
ルネへひとこと
そして雷鳴
つめたい ....
「ハイジのおでこはアールデコ」

塾に行く子供たち 電車を待ち
丸い おせなで ゲームする
一番線に 白ヤギが紛れ込んでいますご注意ください
満員電車の中で みんな気付きません
二番線に  ....
正義と正義のせ
めぎ合い 置き
去りにされる血
と涙 見え透い
た手口のイカサ
マ 手札は不条
理のフルハウス
パンドラの箱の
隅を 爪楊枝で
つついているの
は いったい誰
 ....
金の無い人間を殴りつけ

ときどき金を恵んでやり、
金のある人間には金をせびり

躊躇しないジャンキーで
金のある時は大盤振る舞い
金の無い時はけち臭く

外の乞食に金をせびる
育 ....
漢字の書き取りをしながら息子が大粒のなみだをぽろぽろとこぼしている
耳という字を書いていた
どうしたんだ?と聞いたが俺には言わないらしい
その後スマブラをしたんだけど俺の勝ちがちょっと続いたら
 ....
オイラおっさん猫2003年生まれだからおっさん猫

同年にあかねちゃんに拾われたから毛食住セレブ猫

時が流れておっさん猫 でもかわいい健在の猫パン チ

最近は赤ちゃんがオイラを ....
ぐるり50センチほどの脳裏にある
あの日の、その場所に
もう行くことができない
がらんと口を開けた
灰色の校舎の入り口に立ちすくみ
背中からは夏の午後の日差しが
人の形 ....
猫砂に埋もれた二人の思い出は
一部は綺麗に乾涸らびて
形だけくっきりと存在している

一部は砂がかけられずに
異臭を発して、未だ砂の上の鎮座する。


軋む心と身体を引き摺って
ほん ....
めざめは はるかとおく
めざましは なりやまない
汽水域からの 電話の呼び鈴が 
あんなに激しく鳴っているというのに
あらたな就職口からの
電話だというのに

めざま ....
廊下を過ぎて行った
赤いスカート
大人になったら
セックスがしたいです
子供に戻れたら
ハグがしたいです
おにぎりが
握りたいです
いつのまに裸に
なっていたのだろうか
糸を張らな ....
銀色の糸に息を吹きかければ
アブラゼミの死骸の中から
大きな蜘蛛が這い出てきた
田んぼ特有の脚の長いやつ

名簿に名前を回収させにいく道の途中
生きのびた方のアブラゼミは 早くも
青空の ....
懐かしいという言葉を話すと
鼻の奥がツンとくる。

春はまだ来ないが、
冷たい風が吹いている。

君と二人、風に乗って行けるものなら、
君の生まれ故郷のこけし橋の欄干に行きたい。

 ....
己の罪の数だけ
要らぬ蕾をつけるがために
言葉と孤独を闇に吐きつつ
切ない光合成を繰り広げる

届かぬ時空に
半端な想いを投げ上げて
何もつかみ取れない握力を
夜毎くどくどしく恨み ....
 *与ひょう(仮)

あなたのいのちの陰影を
はきだめから拾い集めた
{ルビ文字=もんじ}の墨と二枚の舌で
なぞりたいのです

顏の砕けたおつうさん
どうか一編の愚行と
淡雪のよう ....
出先の喫茶店で「童心」がお題の
コラムを書いてから、自宅のママに電話した。

――じゃあ、読むよ。
――今、周に聞かせるからちょっと待って。

ママが携帯電話の音量をあげてから
できたて ....
目を閉じると
緋色珊瑚色菜の花色
まぶたの裏に
現れては消える明るい斑

風の無い中庭は
緩やかな分子で満たされて
枯れ枝から枯れ枝へ
見知らぬ鳥が声を探している

鎖骨のあた ....
盗まれた
この小さな庭に差し込む光の
わずかなパンの欠片を啄む小鳥の
瞳に反射するわたしの
明滅を繰り返す魂の
内側へと続く戸口が
目の前で閉まってしまう夢と

裏返った
あの ....
鏡に向かって
眠気と髭を剃り落していた朝
くたびれた自分の顔に重なるように
ふっと浮かんだ父の輪郭
丸くて憎めない
目の記憶

電車の中吊りは
気の早い春の旅への誘い
オーデコロ ....
ふしあわせは
雨のように降ってくる
不穏な空から予定通りに
稲妻をともなって突然に

傘も持たずに
ぼんやり歩いている時に限って
ふしあわせ予報ははずれて
私の思考と良心はずぶ濡れ ....
雲ひとつない高笑い
真っ青な永久歯で
空は
高層ビルに喰らいついている

控えめな思い出し笑い
押しつけがましくない暖気で
光は
目抜き通りを撫でている

束の間の微笑み返し
 ....
遠い昔のことよりは
今の家族を思うとき
苛立ち不満を見るよりは
今の楽しさを感じて生きる。
不自由な君の手をさすり
冷たい君の手をさすり
世間話につい昔
未来の話は嘘になる。
今の楽し ....
ほどよく乾いた小枝や
抜け落ちた羽根や
通り過ぎていった月日の
さまざまを
ちりばめておく
もうそこは
きみのねぐら以外のナニモノでもない

広い宇宙のなかで
ただひとつだけ
選ん ....
頭が痛いと君は言う。

私が死んだらという話はしない約束だが、つい君は口にする。その度に僕の手に握られている砂粒が少しづつ隙間からこぼれ落ち、風に吹かれて飛ばされてゆく。
そのあと、僕の心は痙攣 ....
いやだなあ
濡れると冷たいから

多分ね
綺麗に見えるようになったんだよ
彼は言った
月が綺麗なことはむかしから知ってる
けれど
そうだね
色んなことが過ぎて
声も失った
あの時 ....
コンパスは嫌いだ
三角定規も嫌いだ
三〇センチの定規も嫌いだ

でも
雲形定規はどう使うの?
何故四角定規はないの?

何かを描くために必要なものか?
とくと教えて欲しい


 ....
佇んでいたのだろう
あの時のわたしは

苦手なことを並べた
傷付きたくなかった
それでも出会いを求めて
やって来た

缶ビール片手に
やわらかな言葉で話す
路上に座り込み
生活者 ....
たちばな まことさんのおすすめリスト(156)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かものはし- nonya自由詩19*15-3-4
日常- ……とあ ...自由詩8*15-3-2
舞踏- nonya自由詩14*15-2-28
まるくなる- 殿上 童自由詩17*15-2-23
ヴァンダとルネ- Seia自由詩215-2-22
ハイジのおでこはアールデコ- るるりら自由詩19*15-2-22
見学者- nonya自由詩17+*15-2-21
チャーリー- ……とあ ...自由詩5*15-2-20
死にたいと言うな_助けてといえ- 馬野ミキ自由詩27+15-2-18
毛食住おっさん猫- 朝焼彩茜 ...自由詩12*15-2-17
さよなら青から- 春水八郎自由詩5*15-2-17
猫砂- ……とあ ...自由詩11*15-2-17
はるか- るるりら自由詩12*15-2-17
不眠症- 竹森自由詩215-2-15
とーこー- 竹森自由詩515-2-15
思い出- ……とあ ...自由詩11*15-2-15
- nonya自由詩18*15-2-15
夕鶴奇譚- ただのみ ...自由詩26*15-2-14
息子の教育- 服部 剛自由詩13*15-2-11
ひなた- nonya自由詩11*15-2-11
give‐and‐take- 衣 ミコ自由詩6*15-2-5
記憶- nonya自由詩17*15-2-4
ふっ、しあわせ- nonya自由詩16*15-1-31
冬_午前11時30分_快晴- nonya自由詩16*15-1-24
生活の隙間- ……とあ ...自由詩20*15-1-17
おかえりなさい- そらの珊 ...自由詩22*15-1-8
ため息- ……とあ ...自由詩8*14-12-14
橙の月- 凛々椿自由詩414-12-13
出会い- ……とあ ...自由詩11*14-12-6
手をとる- 鵜飼千代 ...自由詩18*14-11-24

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