白い石畳が光に溢れ
行き交う人々の顔が
白色に洗われていく

追い抜いていく
自転車から
黒髪の流れ落ちて

梔子咲き零れる側を
歩く、口無しの恋心
ため息の後に芳香

機が熟 ....
わたしはまだ熟していませんと
果実が云っているのに

かまわないよと
あなたは嬉しそうだ
故郷の味なのだろう

枇杷は好きじゃない
けれどそれは枇杷も
知っているようだ

わたし ....
3歳になったばかりのひぃちゃんが
裸足でおんもに飛び出して
水溜りで遊んでる
空から大粒の雨がぼぼぼ
大きな傘差したひぃちゃんは
しゃがんでかえるさんとお話よ

ゲロゲロぎょっとびっくり ....
定刻どおり
バスがまだ来ていないので
画用紙のうえには
バス停にいる人々の
シルエットが
壊れかけた
目覚まし時計の
秒針のように
記されていて

バス停で
麦藁帽子を
深くか ....
木漏れ日を、流星だと言う
夜空だけのものではないよと
青空に引く、軌跡を追い
それはいつのまにか笑顔に重なる

視線
漏れ出した輝きは燃え尽きる星じゃない
鍵盤を叩いたときにできる段差が ....
死んだわたしの
腐りかけた体に
たくさんの赤ちゃんが
やってくる

死んでぶよぶよに
腐りかけた体を
舐めて
舐めて
穴をあけて
ちゅうちゅう
ちゅうちゅうと
吸ってくれる赤ち ....
一、

まっくら  まっくらがりが  まず
鎮座、回転、連続回転
わからない
わからないよ
どうしたって、
まっくら
まっくら



二、

放射している
いがいがのとげ ....
はじめは
音もなくただ
切り取られた絵を
見ているようだった

気付けば
あたりいちめん
降り続いていた
ほそく長い銀色の

むせ返す空気を
土に
留めておくように


 ....
以下略とかかれた中に
コトコトゆれながら
姿をととのえて
目線を前に向ける

遠くからくるものの予報と
今から行われる今日は
ゴールの前に立たせながら
端から走れと耳打ち

涼しい ....
年月とともに
町並みが変わるように
この畑も
様子が変わっていった

ビニルハウスは
引越しを繰り返し
屋根の下で育ったものは
町へ出荷され続けた
そのことだけは
変わらずに ....
血管取り出してな。中の血全部抜くねん。そのままやったら死んでしまうからな。なんでも好きなもん入れたらええわ。イライラするんやったら牛乳入れてカルシウム摂ったらええし。赤に飽きたんやったら青でも黄でも好 .... ふくろうを売りに来た人は
中年の腹が出た女だった
彼女のお腹の中には
不満や悲しみや欲望が
脂肪の姿をして蓄まっているに違いない

ふくろうなんて飼えません
と断ると
玄関に置いておく ....
  その街につけられた百個目の名前



  暮れてゆく暮らしの中に
  現われる名もなき女神
  笑い泣く人々の叫び声が
  彼女の臓物を貪り食う



  女神は喋ら ....
ありがとうが言えずに
飲み込んだら
安っぽい甘味がした

さよならさえうまくできずに

たくさんの言葉を飲み込んだ僕は
砂糖菓子に窒息する
その動物園の
彼女は羊の飼育係です
ぜんぶの羊の顔を
それぞれ見分けることができる
それがひそかな自慢です
不眠症の彼女は
ベッドの中で羊を数えながら眠ります
夜の羊はなぜか
どれも同 ....
母のいた畑に 花が咲いて
緑のつるが 今も空をめざす
木綿の空から雨が降る

やわらかな しずくは
ふくらみはじめた えんどう豆と
強い夏を育てるために
静かに 静かに

あれは 白 ....
たとえば
ハムからは肉が見えない
考えて動かす
そのしなやかな筋肉が

薄くて向こうが透けそうな
ハムになるまで
少し考え過ぎたけれど
もっと考え過ぎた人がいたので
その魂を背負っ ....
まるめたしっぽの
ちいさなおさるが
まっしろなてーぶるに
のせられた

おさるは
おうさまに
あいさつする
とうめいなこえで
あいさつする

おまえは
せかいでいちばん
みに ....
青梅を庭先でつみました
いいにおいにだまされて口に入れてはいけません
氷砂糖を舌先で転がして一緒に梅酒でも飲みましょうか
簡単なことは嫌いですか
そう
もっと複雑なことをお望みですか
 ....
その日は雨だった
けれど
私は友達二人と老夫婦とで阿佐ヶ谷住宅近くの
うどん屋へ向かった
阿佐ヶ谷の駅までバスで向かい阿佐ヶ谷駅からは
すぎ丸というコミュニティーバスに乗った
すぎ丸の中は ....
電灯のスイッチが見当たらなくて
君の顔が見えませんでした
夕暮れで 僕は
君に飲み物を出したろうか
僕は君に 飲み物を出したろうか
それはもう三日も前のことだったろうか と

オーガンジ ....
先だって火星に着陸した惑星探査機フェニックスには
地球遺伝子コンペで優勝した「火星タンポポ」の種が積み込まれていました。
タンポポの根はどのような解析装置よりもはるかに深く
隠された繊細な水脈を ....
あわせたてのひらのあいだから
こぼれおちるもの なあに

こゆびをつけて みせかけて
おやゆびを はなしてみるの

ころん、おちた 
びいだまだ
たたみをすべって とまる
せいざした ....
似かよった街の
似かよった道の行きつくところに
友人の建てた家があるという


何年も何年も借りたままの
いろんなものを返しにゆく
川辺にはワニがいてこちらを見る
 ....
あるとき私は、一輪のスミレだった
ひび割れたコンクリートの僅かな隙間に根を張り
強い紫色の花をリンと輝かせた
けれど陽の当たらない場所に生まれた私は
誰にも見つけられることなく
静かに枯れて ....
しゃりしゃり 音をたてて
ぼくらの素足は歩いてゆくから
つま先で輪を描いた。

どこからか流れ着いた
すかすかの
流木の端っこ「のぞいてごらん?」って
言うから 見てみたら
 ....
蚊取り線香は
金鳥に限ると
じいちゃんは言っていた。
今分かった理由

ツユクサ
ムシトリナデシコ
鈴なりのコバンソウ
脇役の花たち

バイオリンの音
弾む音
朝霧に
包まれ ....
月曜日のテレビはつまらない
とあなたは言うけれど
そんなに毎日テレビが面白かったら
黒目が原色になっちゃうわ
だからあなたは
月曜日の夜に兎になる
真っ青に鋭い風のように
Tシャツを纏っ ....
靴に足を入れて爪先をとんとん。
空からの階段を何かが駆け下りてくる。
ガラス瓶の中の住所から
尋ね当てた先のドアをとんとん。
無口な透明人間たちの声なき訪ない。
悲しみやら
目につけば
水に腕をくぐらせ
滴のきらきらと落ちかがやくさまが
この雨降り以外
かわかし続ける陸のうえ
路の上で

美しくなどないよ
とりあげられたある日は
何 ....
ふたばさんのおすすめリスト(111)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
口無しの目覚め- 木屋 亞 ...自由詩3*08-7-1
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ふくろうと胡蝶蘭- 小原あき自由詩10*08-6-16
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さよならさえうまくできずに- 衿野果歩自由詩3*08-6-10
- yo-yo自由詩8*08-6-9
えんどう豆の花のころ- 西尾自由詩308-6-7
ハム- 小川 葉自由詩308-6-6
王冠- 縞田みや ...自由詩2*08-6-6
青梅- 暗闇れも ...自由詩108-6-4
阿佐ヶ谷住宅- 横山亜希 ...自由詩4*08-6-2
来客とずさんな回答- 縞田みや ...自由詩6*08-6-2
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くらやみであそぶ- ミゼット自由詩3*08-5-30
ノート(しずく)- 木立 悟自由詩408-5-27
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ツメクサで茎相撲を- ペポパン ...自由詩7*08-5-23
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