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秋の香りが残り僅かなあなたを
連れていきました
どこか 遠くの あなたを
待つ女にはなれません
と
言い切る前に
お行儀の悪い左手が
わたしの頬をぶちます
秋はふざけた科白 ....
森羅万象の奥行きを潜り
泡立つ呼吸音に身を委ねる
壊さなければ訪れない静寂に
あてがった指 時間を悔やんで
包まれた喪服の相容れない微粒の黒
引き千切って 逃げ出すのもいい
やがて更新 ....
秋の向こうに{ルビ欹=そばだ}てながら静かに燃える木の葉ほど
老いの門口 艶やかに {ルビ靡=なび}くことができようか
ひとによりけり だが
誰も自分が想うほど 美しくも醜くもなく
ま ....
苦行に明け暮れサラリーマンは電車の棚で蛹になった
無関心という制服に包まれたシュークリーム並の少年たちが
耳におしゃぶりを挿したまま喃語と一緒に痰を吐きまくるから
ユニクロを着た老人たちの血圧は ....
若いってたぶん弁当をふたつ食べれることだと思う
いろんないやなことを無視できることだと思う
酔い方に遠い孤独がにじまないことだと思う
背中に秋の陽を受ける
地獄も天国もない街道 ....
砂は いった
ぼくは 砂に
のまれた
節の 娘
射し込んでは 突き刺さるだけの
眼球 に
一つに
一つに
一つに
一つに
一つに
一つに 砂が紛れて いった
....
今日の良き日に
このクズはクズだ
健やかに太く律された足はクズの足だ
虚ろだとでも言わせたげな目はクズの目だ
限り無く白紙を埋めたこの手はクズの手だ
見られ想われ殴られ洗われたこの体はクズの ....
ジョン、ジョン、やめてくれ
来た、来た、来ないでくれ
ジョンの言い分はこうだ
「
眠い
眠りは疲れを癒すもので
休息を必要としないとなれば生はない
僕は生きているぞ!やったぁー!
....
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