信号機の青 と、
群青色の空が重なって
眩暈に吊られてしまいそうになる

一日の仕事が終われば
世界の一日が始まる あさぎりの夏

また朝刊二軒分ほど残ってしまった
むろんわたしの ....
きびしい、
現実の靴底に、容赦なく踏みつぶされた、
その蝶の夢の、ぐちょぐちょが、
きみの蛹をかたちづくった、
ごくありふれた、
きわめて地味で地道な蛾が、
ごくありふれた、
日常の風景 ....
見えていないものがあると
判断が狂う

実に、何も見えていないのである

天才と狂人は紙一重という
今は、天才とバカは紙一重という

僕にモザイクが入ったのだ

そういうわけで
 ....
本が来る

熱烈な片想いが成就するかのようで

子宮がゾワゾワする

浅い昨夜の眠り

今日あたり

恋しい本が来る

半眼で想う

(行ったことのない)スコットランドの風 ....
 You've been thunderstruck
   お前は雷に打たれたんだ

          ── AC/DC








老鶯の声雷にふと揺 ....
犬の名前を並べる、
タロー、ルル、ブンタ、シロ
そのことを悔い、
喉元にキムチの色を塗りつけて、
俺たちは、見つめあった

北の城壁が高く聳えていた
たぶん、高さは、
喉の渇きで測った ....
職場での問題やら

他色々と

出口が見つからず

地団駄を踏む心持ち

状況がすぐ見えず厄介である

自分を少し見失っているよう

これはいかぬと思い

久方ぶりにお茶を ....
 
 時計の針が前にすすむと「時間」になります。
  後にすすむと「思い出」になります。

          ── 寺山修司





紫陽花に雨近づくや曇り空

もどり来て ....
 
 涙の跡を指でなぞり
  悲しみに、もう一度ゆけと言う

         ──羊文学






青空をひとつ残して蝶別る

青空の下に別れて蝶ふたつ

風聴いても ....
都会にポッカリと空き地
照らすのは日の出から
カンカンぎりぎりと草原に
射し込めてこの爽やかさ
今日という日の 日日草
翳りだけ待たされて
鼻先につん!とくる
風は明日を感じさせない ....
 それは神様でも
  たぶん知らなかった

       ── hound dog





何か言ひ残すかのやう春の雪

やがて散る花もたしかな今を咲く

鶯や健やかに ....
白い牙を覗かせて、
獰猛なうねりが崩れ落ちる
老いた小舟は
海の奈落へ吸い込まれてゆく

ゴオオオーと大波は唸り、
水の壁をふたたび聳え立たせる
曇った空には、
騒ぎ啼く海鳥たちが浮か ....
私たちが暮らしてゆくのに、
米を買うのにも窮するような毎日だったら
きっと憲法第25条は守られていない

ご飯と納豆だけの朝飯を食べ、
お昼は抜いて、
夜はカップ麺を食べて眠る

そん ....
ちぎって、ちぎって
ゆびさきがあかく腫れるまで
すてた葉っぱから

青くなみなみと
流れ出でた血
海のように辛(から)くて
うまれた魚は悪夢のようにおいしい。


わたしたちは悪魔 ....
{ルビ理由=わけ}もなくかなしい時がある
理由はあっても 不明なのだ

本当は 
居場所の見当はついている

古い古い付き合いの 理由を
引っ張って来て 座らせて

またも千日手を繰 ....
わたしはきっと見たことがある
祖母の灰色の目をとおしてだけれど
B29がつきぬけるように真っ青な
雲一つない空をはしってゆくのを

疎開するため
汽車で広島を出るとこだった
ちいさな伯母 ....
「子どものための幻想詩」

子どもらしい子どもにしたがる
大人のためかもしれない

大人になりきれない子どもがえがく
むなしい まぼろしかも

けれど中にはよいものが

目を磨くん ....
仔犬を胸に抱いた少年
あるいは
眠っている赤子を
抱っこ紐で抱えた母親
のように

買ったばかりの
ラナンキュラスの
花束を
両手で持ち

包装紙の隙間から覗いて

微笑ん ....
【無口】


山高帽の男の顔は見えないが
どこにでもある石を缶詰のように
開けようとしている

男にだけにわかる匂いを閉じ込めたのは
誰なのか
日記帳の文字の旧字体が
机 ....
ハイバックの助手席じゃあ
帽子のツバが すこしむずかしい
すこし雨滴のあとの残る車窓から見える景色は
映写機のように枠のある動画
だけれども携帯の電池なんて いらないよ
幸運にも にわかに咲 ....
【こめる】

ちいさな人が ちいさな声でいった
「あさがおは かさ みたい」
くるくるたたんでいる花は かさみたい
雨の日にひらくと かさみたい

ちいさな傘から
ぬー ....
「いかりを おろせ」


ためいきが でる 
ちからづくだから からだが いたい
つらい かなしいが つづく
てのない ゆうれいが つつみこむ
ともかく もがく 

なんとか い ....
そういうことか
海も空も
まるいんだ

どれくらい走ったろう
眼前には海があり
道端には 菜の花と桜が続いている
ふと 同じところを何度も通っているような気が
して
 ....
百均で買ってきた
ミニチュアの黒いうさぎは
手のひらに載せて
選りすぐろうにも
どれもみな
哀しくなるほど同じ顔
同じ姿勢同じ表情
どうしてこんなに正確に
大量生産できるのか
まるで ....
なにもかも捨てておしまいなさいと
無闇に心臓に くりかえしていた 
いたいのいたいのとんでけとんでけの耳の指示どうりに
しでかしてしまった空虚を
空に放つと 釘を打つ音がする

清水さんち ....
夕暮れの空は
少し甘めのコーディアル
濁り踏み荒らされた雪解けの道に
照り返し

闇雲な胸騒ぎも
無知な喧噪も
先鋭化した矛盾の
せっかくの露呈も

ほんのり澄んだ彩で
やさしく ....
昨日まで、子供たち(甥と姪)が遊びに来ていて賑やかだったのが、広島に帰っ
て(帰省)いったので、まあ、急に淋しい感じなってしまって・・。この夏季休
暇中どこへいってもどうせ人人人で一杯だろうし ....
大脳皮質は、
前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の四つに区分されますって いうじゃない
それって クローバーみたいなものかしら
だって 四つの葉だもん

鮮烈な夢が炸裂するとき
きっと 脳内の ....
空々漠々 とした
あおぞらも ちぎれるときは
わすれぐさのように 赤く鮮烈に土壌と宇宙との間で炸裂するのだ
きょうも嘘で すべてを汚染しつづけている人々の足元で 蟻は動く
死してもなお ....
幼子を いつも連れ行く 猫の手で
豆腐切る音 とんとんとん
ハァモニィベルさんのおすすめリスト(79)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
認知症ぶれいく- 洗貝新自由詩16*25-7-29
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論点、争点、盲点- りゅうさ ...自由詩5*25-7-19
ハイランダーはまだ来ぬ- 花野誉自由詩13*25-7-16
まぶしい便り- 森田拓也俳句8*25-7-3
犬の名前- atsuchan69自由詩22*25-7-1
茶を点てる- 花野誉自由詩14*25-6-26
時間の外へ- 森田拓也俳句13*25-6-18
深呼吸- 森田拓也俳句11*25-6-13
日日草- 洗貝新自由詩15*25-6-5
嘘つきごっこ- 森田拓也俳句18*25-5-25
安らかな茫々- atsuchan69自由詩16*25-5-1
憲法第25条- atsuchan69自由詩18*25-3-27
青桐の血- 凍湖自由詩4*17-8-18
かなしい- ただのみ ...自由詩17*17-1-21
1945、夏、わたしにつながる歴史- 田中修子自由詩11*17-1-5
子どものための幻想詩- 田中修子自由詩9*16-9-29
街角- Lucy自由詩17*16-5-12
姫たちのお茶会_中- るるりら自由詩9*16-4-8
姫たちのお茶会_上- るるりら自由詩9*16-4-6
ちいさな_三つの声_- るるりら自由詩16*16-4-4
えーぷるな_ぷーるたちによせた_三つのポエム- るるりら自由詩5*16-4-1
指折り数えるクリノリン_- るるりら自由詩13*16-3-28
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『森で釘打つのは誰?』- るるりら自由詩11*16-3-14
ティータイム- Lucy自由詩13*16-3-7
現代詩フォーラムと文学極道のこと- オダカズ ...散文(批評 ...5*15-8-15
恋かし蘭- るるりら自由詩22*15-8-7
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- 迷路短歌315-8-2

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