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ちなんで、もしも、である前に
観察するだけのキャットファイトを
虫の温かみで、あざ笑ってみせよう
高熱のオクターブで赤ペンを溶かして
番犬をレンチン、はっかの匂いがするのだ
葉脈のふ ....
いちまいの余生に見まがう、あの頬の
夜のふるいにかけられた白き無題よ
こめかみに走る雛鳥、点描にひかりが染みこんだ
その一つひとつはめもりのない朝
捨てられないものを増やした膝を
い ....
海の背中に鳥が落ち
八月半ばが焼け進む
青みと光と電線町よ
白光の出口のようで
ただの真昼の三丁目
蝉が鳴き止まないと
見知らぬ死の名前を
あなた ....
ほんとうは、たたかうほうが好きです
若いことを踏み潰した、地続きの傷
なぞると忘れた横顔に似たきり、
痛みにしがみつくことなく
目を閉じます
白い配りもの、光って、子に散る声 ....
やせっぽっちの山をひきつれて
小銭ほどの野ばらをこえます
つないでいる手というのは
ひとにぎりに残った樫の木でしょうか
ばらばら、と山の根もとをこぼし
ぼたぼた、とやまびこが線路にも ....
絵は完成したと言えば
美しかっただけの悪意にも
たましいと宣言しますか
食事が用意できたと言えば
温めなおした事実にも
思い出せない祈りを判別しますか
花の気を知らずにいるお前の
覚 ....