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指が鳥になり
ふたたび指になり
ふたたび鳥になる
そのくりかえしを
見つめている
眠る家々をまたぐ蟷螂
土にこぼれ 消える灯り
風が街に着せてゆく
街ではな ....
海岸には 誰もいません
本が落ちていました
文字も絵も無く
ただ幾重にも
波のかたちに濡れていました
銀河は
人々のなかに散ってしまいました
姉は最初からいません ....
人の背たけほどある
横長の宇宙船を縦にかかえ
横断歩道をわたり
洞窟に入った
なかには同じかたちの
巨きな宇宙船があり
底のほうにある継ぎ目を押すと
むかって左側 ....
すろすろすろ と
言葉は融けて
羊は羊飼いに従わず
次々と夜に飛び出してゆく
目が目でしかないのなら
信じなくてもかまわない
死なないくらいに
傷つけばよい
....
わたしはけして わたしらではなかった
わたしはけして わたしらではない
わたしはけして わたしらにはならないだろう
わたしらが昔も今もこれからも
わたしひとりのこと ....
うろおぼえの夜に
指を差し入れ
震えを聴いた
波に従い 従わぬ線
脚の動きを
讃えるまたたき
岩のはざまから
空を視る刃先
曇りと筆
曇り時計
器を ....
どこをどう歩いても
科学技術体験館のなかには
誰もいなかったのに
出口にとまっているバスは
人であふれていた
乗りたくない と言ったら
一人でも搭乗を拒否したら
出発でき ....