すべてのおすすめ
まだ夜は明けない
カーテンも開けない
日曜日は明日のことが気になる
開放感はない
ちょっと気が重い
体調も気になる
だが休みには変わりないのだ
....
くたびれてしまったコップが
くたびれてしまった自分に
ごくごく水を流している
水道の蛇口が爆発するくらい
くたびれているのだ
ごくごく水を飲んでい ....
サイコロを振った
吉とでた
月と河童
昭和に青春を送り
平成でこけた
死が怖くなった
たとえ河原乞食になろうとも
....
雪が降る
ぼくの心の河に
丘の上の
立ち枯れた一本の木にも
雪は送電線のように
誰にも話しかけないで
綿帽子になっている
....
したしたしたしたしたした
春菊と少女が
したしたしたしたしたした
街のネオンと少女が
したしたしたしたしたした
(北風のふく寒い日は
おでん
すき焼き ....
井上和香が呼びかけた
★電話の子機が
いっせいに蜂起して ベルをならした
銀河系宇宙に向け 井上和香が呼びかけた ....
なんとたまったことだろう
もっと豆にとっていたら
こんなにはならないだろう
これではほんとうの海の声も
海猫の鳴き声もきこえはしなかったはずだ
河津耳鼻咽喉科若先生に診てもらう
....
明石海峡を渡る
猿
群れをなして
渦潮に巻かれ
浮き沈みしながら
潮に乗っている
危ない猿も何匹もいる
息絶え絶えだ
本土から四国へ ....
なんだか街が懐かしい
新宿歌舞伎町なんかいい
歩くだけでどきどきする
ヤクザな兄さんや
キャバクラ
ヘルス ソープ嬢
覗き 傷害 立ちんぼう
....
声をかけるというのが
悪いことではないことを
あなたはぼくに教えてくれた
ぼくは人によく声をかけるのだ
話し相手とすこしでも親しくなりたくて
内心 ....
観葉植物の
光のなかで
ゆったり
籐椅子に
腰掛けて
読書でも
できたら
できれば
珈琲なんか
飲みながら
燦々 ....
Brilliantな彼女
動物園の豹のような 茶髪のおちゃめ
50?のバイクでこけた擦り傷
それでも彼女が笑えばみんなも笑う
彼女は職場のアイドルなのだ ....
ママチャリを漕いで
16号線を走った 少年の日
太陽はじりじり肌を焼いた
片道40? カモメのジョナサン
のように自らを鍛えるために
でかけたのだった
....
風邪を引いて寝込んでしまった
風邪はとつ然にやってきた
咳と鼻水にやられた
ティシュ一箱たちまちつかいはたした
風邪で寝込んでるのもの楽しいが
....
裂かれた魚影は探知機にかからなかった。藻が以上に発生していた。魚影は藻の中にもぐりこんだのだろうか。藻は密生して揺れていた。海底深くはなかった。太陽の光がレンブラント光線のように差し込んでいた ....
廃墟に紅葉が溜まっている、捨てられてもう何年がたつのだろう。窓も壁も風雨にさらされて、朽ち果てている。草も枯れかかって、陽を浴びている。兎も、狐も、狸も、熊も、ここを宿にしたに違いない。獣の匂いがする ....
したたる、鱗粉。新潟中越、たてゆれに蝶は砕け、飛べなくなった。首。静止
できなかった電源、もろかった、緊急対策。飛べなくなって、脱線した車両。
震源地に近く、鱗粉は舞い上がり、蒼 ....
咲く花の、瞳の外へ、柔らかな鮑は退屈なあくびをしていた。もぐればいい。底へ、底へ
ムツゴロウのように干潟の海を泳げばいい。潮は退かない。街へ行くバスは、発車したばかりだ。もう一時間は来ないだ ....
やってきたそれは
葛飾北斎の波のようにうつくしくはなく
濁って
ドーン
ドーン
扇のように覆いながら人家を飲んだ
人をさらった
北陸海岸 ....
赤い傘差して今日も雨
カタツムリは縮こまって
濡れている
陸上競技場のアンツーカーはけぶり
女子大生は傘を差して自転車に乗ってやってくる
雨の日は少し喉が軽 ....
海
は
あったが
水
は
なかった
隕石
が
宇宙
から
運んできてくれた
水
がなければ
花も
....
なぜこだわるのだろう
バスのなかからみるきょうのゆうやけ
いつまでぼくは短歌的抒情にこだわるのだろう
ゆうやけているぼくの人生
あの色はなんという色だろう ....
潅木の茂みから飛び立つ鳥たち
夜明けはちかいか
失速している改悛の闇から
流れ出る泉の清らかさ
海岸線ははるかかなたの松林のむこう
潮騒も聞こえない
....
いくらか冷たい墓標の下の
海
さくらがちって
波間に浮かぶ
いちめんの花びら
春でもな ....