夕暮れの梢は影絵になって
本に綴じられるのを夢見つつ
黄昏に黄昏られなくなった
昭和の人を慰める

今朝は霧が深かったが
あの夜とちがって私を不安にさせない
霧の配慮だろうか
舐めて ....
双子がいた
そっくりの双子がいた
生まれてすぐに二人は別れた
兄は南へ
弟は北へ

二十年後
兄は前向きで明るい青年となった
弟は後向きで暗い青年となった

双子を分けたものは ....
刈り取られた田に
残された稲がある
穂を失くした稲が
何行何列にもなって
整列している

同じ背丈をした
穂を失くした稲たち
穂を支えてきた
立派な茎たち

彼らもまた変化し ....
人体のダムが注意報を出したので
放水せねばと小宇宙(コスモ)へ入った
ペルセウスの匂いが微かにただよっていて
一瞬くらっとなる

鳶が窓を開けていたので
冷たい風が元気に流れ込んできていた ....
トイレに入ると
足が冷たくなった
窓が開いていて
風が流れ込んでいた

小便をした
あたたかそうだった
もっと寒かったら
手をつけたかもしれない

東の雲が
肌を赤くしていた
 ....
薄暗い町になり
日も落ちないうちに
車はライトをつける
年季の入ったシャツは
悲しみを吸い込む

雨はスカイダイビング
それも一斉に
真っ直ぐに
特攻隊のように

果たしたかった ....
真ん中に大きくて変なオブジェがあり
周りには遊具がある
女の子は親とブランコに乗っていて
男の子たちはサッカーをしている
老人はベンチで佇んでいる
バーベキュー禁止という看板がある

じ ....
暖房の風に煙草のけむりが流されていく
白い有害物質はもう少し学力があれば
雲になれていたと言いたげに
その頼りない体を漂わせ
目には見えない色になっていった
けむりは部屋に残り壁や天井に付着 ....
仕事帰りの車が
ライトをつけて県道を走る
朝の通勤時とはちがい
どことなく
開放感がただよっている
やっと終わったぞ
そんな声が聞こえてきそうだ

みんなの心の高まりを
動力として
 ....
冬。分かっている。分かっていないことが分かっている。分かっていることは一つもないことが分かっている。分かっていないことは一つしかないことが分かっている。分かっていることは分かっていないことだということ ....
mmnkt(70)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩119/11/23 19:06
双子自由詩0+19/11/22 19:51
残された稲自由詩319/11/21 19:11
放水自由詩1*19/11/20 19:39
トイレ自由詩219/11/19 19:22
薄暗い町自由詩319/11/18 20:17
公園自由詩119/11/17 17:55
煙草自由詩019/11/16 19:28
金曜の夜自由詩2+19/11/15 19:49
僕は冬に分かっている。自由詩016/10/30 19:14

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