私はたそがれたいのだった
熱い紅茶をくちびるを湿らすように飲むと

赤い楓の葉がぼんやりと庭先に佇んでいる

胸がぐっと引き裂かれていくと
むき出しになった夕陽がじゅくじゅくとして ....
旗がなびいている
誰かが、立てた旗だ
陽炎の向こうで、たなびいている
風は、あたたかい
熱が、宇宙へと広がっていく

  ※

私たちは行進だ
宇宙を往く行進だ
時々は小惑 ....
ともだちはきれいな、大きい粒の星が見たい
眼をキラキラとさせて言うのだった


ある日
あの娘が他の男と愛を確かめていることを
僕は知った
がらんどうになった胸の内が
発熱し出して ....
石畳の路
無数の傘がふわっと咲いた
メレンゲの心が少し浮き上がる
赤、白、青と色とりどりの傘の中を
空から鉱山夫達を乗せた汽車が降りて来る
蒸気を吐き出し、漆黒のボディを捻り、
 ....
独りきりの部屋でも燃えるような魂があるよ
ベッドの上で吐き出すように詩にするよ
指先に炎が宿れば
打ち出されるオトとコトバは、音符と休符さ
世の中には君の知らないメロディーや

孤独が ....
凍えた風が沈んでいる
店は仕舞っている北の街
凪いだ心の奥底で
ふつふつと涙が湧き出てくる夏
君がいなかった頃
この街で
僕は鮮やかな夕陽を見たんだ
それはぼんやりと
童話 ....
生意気な
口が
ひとりでに
言葉を
吐いたので

取り返しのつかない言葉だったりするので

煙突の上で
とにかく待った
雨が降る
六月には街では
雨を受け入れる用意 ....
財布を落として2時間30分
中身が無くなり手元に戻ってきた
もちろんデートは散々で
君の呆れた顔しか覚えていない
スーツは一張羅を着た
クリーニングに出してビシっとキメた
はず ....
やがて消える
笑顔や
ことばや
想いや
そういうものをぜんぶ絡めて


君と僕とは
美しく出来ている


そういつか
やがて消える
それが君と僕だ


それでも
さあ ....
君の白くて細い素足
踏みつけてはじめて、土が息を吹くのだろう
太陽が照らす中でその頬はやわらかく緩んでいた
ようなのだけど

 ※

泉の飛沫が鮮やかに虹を創り出していると
 ....
茅ヶ崎の海辺を
ビールを片手に歩き続けると
海面が生き物のようにキラキラと音を立てた
私はTシャツに綿パン、サンダルという散歩の延長のようないでたちで
あの人が生き急ぐようにしていたことを ....
5時の鐘がこだますると
夕暮れにゆっくりと宇宙が染み入りはじめた
遠くの子が手のひらを揺らしてさ
どろんこの膝小僧
汚れたての白い軟球
買ってもらったばかりのグローブ
ひとりの

 ....
なんて不思議
溶けちゃうみたいよ
頭のさきっぽから変な液体出てないかな?
浮かれてる?
そうさそりゃ浮かれてるのさ
あの娘と手を握ったよ

お日様がむんむんと
受け入れ ....
もしも
僕の声を宝箱の中にしまって置いたなら
時々は空気に触れさせてあげて欲しいんだよ
多分聞くのも嫌になるような
そんな時もきっとあるのだと思うけれど

もしも
僕の指先の温度をカ ....
ロンダの住む赤茶けた家は
アダレの街外れの丘の上にある
朝方、ロンダの澄んだ歌声が聞こえてくるのを
街の人は微笑みながら聞いた

 ※

アダレの街に徐々にネオンがと ....
詩は


誰にでも届かないところで
誰にでも触れられない距離で
詩は やわらかい
詩は 傷ついている


詩は
誰にでもからだをゆだねて
詩は おとなしく それでも ....
うめぜき(46)
タイトル カテゴリ Point 日付
たそがれたい自由詩2*10/8/28 0:00
移ろうものと共に進んでいく自由詩4*10/8/16 0:20
ほしとともだち自由詩010/8/8 23:22
メレンゲの恋自由詩110/6/22 3:49
独りきりの部屋で燃えるような魂自由詩1*10/6/20 2:44
その手に夕陽が溢れている自由詩110/6/17 4:20
六月に僕は旗を振ったりもする自由詩9*10/4/8 2:09
バファリンには解熱効果があります自由詩3*09/10/22 2:25
行為の間、五線譜の隙間、沈黙に似た祈り自由詩2*09/9/28 2:38
無防備な頬自由詩2*09/9/25 1:36
茅ヶ崎自由詩009/8/10 1:22
君の道自由詩1*09/7/14 0:57
液体出ちゃう自由詩2*09/6/29 1:44
ポエムになりたい自由詩2*09/6/28 5:59
ロンダの青い空自由詩4*09/5/16 23:26
遠ざかる5月の輪郭自由詩6*09/5/6 1:54

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