胸が裂けた
君のほのあかるい口笛が響く
それを掬う手つきで
詩を書こう

涙が音楽をとじこめている
どこかで聞いたことがあるような
ないような
1?だけ浮き上がる
空を描くように
 ....
夕暮れの 一秒を
握って
ひらいて
ほどいていく

風 吹いたら
暗闇が 死んでいく
手影絵の 一秒 
狼が躍って

あの子の モスコミュウルに
キスの味が
しますよう ....
物語
ベッドに抱いて眠る夜は静か
手垢に塗れて端っこは噛んでいる
それでもいいの
大切なものなのと
物語の夢を見る
星空がきっと
天井の向こうに広がっている

 *

君 ....
ふくらはぎが つかれたら
マッサージに行くといいよ
中国人のお姉さんが揉みほぐしてくれる
魔法のように
ステップも、ほら、軽い!

あるいは
肩がガチガチに重たくなったら
タイ人の ....
トゥルル
君の耳たぶに
メロディを置いておく
故郷の空が茜色になったなら
想い出すといいよ

海沿い
走る列車
柔らかな山の稜線

時々忘れそうになったら
トゥルルと吹けよ
 ....
手をつないでいた
痕は
君に残っているかい

抱きしめた時の骨の
軋み
君は覚えているかい

うずくまって、泣くなよ

ほうら、風が吹く
ほうら、音が鳴る

太陽の欠 ....
言葉がカランコランと音を立てて
積み上がっていくと
そこには
ぼんやりとした、影が
カチコチに勃起しているよ

勃起すると

サイコロみたいな言葉を
壊して 壊して 壊して

 ....
潮騒
の果てに
祈り御達の呪文
あなたになっていく
沈黙

海辺
風化した
軌跡や誰かの舞踏
あなたになっていく
海風


どこまでも、空
果てを描かなければならない ....
この手

結んでひらいたら
あなたらしき人が立ち上がる

駆け抜ける
そのたった
ひととき

どこかがあたたかい

結んでひらく
なぞるように

もういない
あなたら ....
空の頬が膨らんだ
精一杯の口笛が耳をくぐる
寂しさを覆うと
僕は孤独になる

海のおでこは臭い
優しく撫でてみると指先につく
匂いの向こうを見つめると
僕は孤独だった

愛 ....
君には届かないことばかり
している
君と一緒にいたかったな
君の笑顔を見ていたかったな
君に泣いているところ
見られて恥ずかしかったな

君には届かないことばかり
している

 ....
時計は8時30分を指している
海面に凛と立つあなたを
私は海辺から涙をこぼしている
風は灰色だ
漣(さざなみ)を立たせたり
あなたの眼を見開かせたり
していて
宇宙は落ちてきそう ....
声を上げて、歌いながら
幼い日 螺旋階段を見上げている僕は
空の蒼さを はじめて信じた

空の蒼さが 神話になる時
僕は公園のベンチで 泣いた
膝小僧を抱えて
気づかれないように
 ....
しあわせにしますと 言ったけれど

なかなか きみをえがおに できない

お味噌汁を飲み干して

おかずに手を伸ばして

やめて

ときどき きみを 見る

むずか ....
まあるい まどがあった
まあるい ことを忘れて
さみしい暮らしをしているのだった
キャタピラをこさえたテルは涙を大切に箱にしまう
にじむ ああにじむのさ 世界が
手を広げて
抱きしめる ....
ダメなロックンロールでごめんなさい
いえいえダメなロックンロールほどかわいいものなのよ
どうぞ焼き立てのアップルパイに
ローストしたドラムスを添えたの
召し上がっていきなさい
あ ....
さみしいさみしいが
毛穴という毛穴からにじんで
コンクリートの路地や
木造の二階建てや
塀の上の猫まで
とにかくもろもろのものをさみしいさみしいの中に
沈めていって
やがて太陽がさみ ....
腐った樹木に自転車が腰掛けていた

秋の日差しは柔らかく土を暖めている

君の空には手が届かない



遠くに踏み切りの音が響いては、消えていく

その旅に置き去りにさ ....
生きている人がおそろしい匂いを放っている

動物のようなクラクション

雑多な陽射しが交差しながら

肌や、路地や、建物や、自転車や、青い看板やら、を焦がす

おそろしい匂 ....
ユニコーンが咆哮するので
必死になってお腹を押さえる
すると君は
まるで星空を抱えているみたいだと笑う
お母さんが歌ってくれた
ある日の子守唄ばかりが耳元で風化していく
耳を開いてしま ....
眠れないのかい
そうかそれならば、そばにいて、少しだけ先々の話をしようか


いつかね
君は誰かを裏切る
すると口の中が深く深くざらざらしていって
乾いていくんだ
その人の歪む ....
波が打ち寄せる
冬の海岸では、夏の抜け殻が永遠のようだ
水平線の彼方に摩天楼が広がる
闇夜を切り裂くネオンの宝石箱だ

名も知らぬ一輪の花に
そよ風が吹いている
揺れるその余韻に ....
七月○日

君は誰かに蒸されて出来上がったと気がつく
その蒸し器の大きさにちょっと恐れを感じる
おそらくそういう人が他にもいるんだろうと思う

七月▲○日

富永の笑っているのを見 ....
デパートの窓辺から幼な児達が歌っている
「あわてんぼうのサンタクロース〜、クリスマス前に〜」
僕も知っているから
この歌は何十年前から歌われている

コンビニエンスストアの店員が
 ....
どんな人にも子守唄が取り巻いている
毛穴の一つひとつから歌がこぼれて
体の周りに薄い膜を作るのだった
愛する人の体に進入しても
私は膜の外側にやはり弾かれてしまって
一生懸命に聞こえてく ....
ジュースにぷかぷかと浮かんでいる「ド」は
「レ」やら「ミ」やらを探している風なので
飲み込んでドレミと呟いてみたものの
どうもそんじょそこらのドレミになってしまう
それを物書きの哀しい ....
クリスマスソングばかりがらーめん屋で流れている
そこにいてひたすらにらーめんを啜っている
あらまあこれは体の良いクリシェだこと
と自らを貶めていると
途端にらーめん屋の店主の体が開きだし
 ....
どうも右肩が重いので、

塩を部屋の隅に置き、

てっぺんをつぶす

大きな声が聞こえたような気がしました

タクシーの無線みたいな

声がどんどん右と左の耳に溢れるように、聞こえ ....
胸の奥深く
茂みになったその向こう
木々、そのこもれびに
獣が棲んでいる
愛した女に、泣きながら、喰らいつき
肉を引き裂く
したたる血に、自身が切りつけられながら
喰らい、泣く
 ....
確か
音楽は聞こえていた
かすかな光に包まれていた
天使がいたかどうかは覚えていない
けれども
私は生まれていて
私は泣いた


この、今
あなたの ....
うめぜき(46)
タイトル カテゴリ Point 日付
Conductor自由詩513/7/22 21:10
夜の過ぎていく自由詩213/6/25 2:53
それでも物語る自由詩113/5/26 0:53
マッサージポエム自由詩113/5/16 0:33
トゥルル自由詩213/4/14 0:40
僕の腕はその重たさを忘れない自由詩113/4/13 8:56
言葉が勃起した夜には自由詩013/3/6 3:44
海辺にて自由詩812/9/28 1:50
祈りは仄かに発光する自由詩112/7/7 0:09
空の頬が膨らめば自由詩512/5/3 1:27
君に雨が捧げられますように自由詩112/4/28 1:54
わたしは海面に立てないでいる自由詩712/4/17 2:39
この世界で君よ歌え自由詩112/3/3 1:42
なかなか きみをえがおに できない自由詩3+12/3/2 1:34
印象風景20120214自由詩112/2/14 0:20
ダメなロックンロールでごめんなさい自由詩112/1/23 21:32
さみしいさみしいさみしい自由詩611/12/1 0:47
秋は遠く、近く自由詩211/10/19 2:59
上海夜自由詩111/9/17 20:39
ユニコーン自由詩211/3/30 0:20
君が眠る為の眠れなくなる話自由詩2*11/1/28 3:48
海岸線、野道、ベッド、夢、都会の早朝自由詩1*11/1/12 1:22
君と蒸し器について考察するこの年月は自由詩2*10/12/13 3:43
慌てているのさ自由詩010/12/13 1:51
輪唱自由詩0*10/12/11 4:51
自由詩210/12/8 4:01
らーめん屋でクリシェに見舞われる自由詩110/12/2 5:23
想像する体に憑依する妄想は自由詩010/10/31 23:58
夏よ、私を赦してくれ自由詩110/9/20 1:55
やがて死ぬ でも それで良い自由詩1*10/9/12 2:10

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