いきなり受け渡そうとするから拒絶する

額から、いや目尻から零れ落ちた滴はきれい

言い訳できず敷衍した言葉の羅列が掠める

ともすれば攪拌しかねない重い漆黒

まんじりともせ ....
きっと妖しげな光の中でも

消されない声と消されていく声とがあって

静謐な川の畔で見た目映い煌めきをどう感じ

どう紡いでいくかとかいう崇高な思いがあって

目の前の砂利道のような出 ....
鈴虫の鳴く夜更けに気おくれしたぶんだけ
あとから遅れてやってくる羽音のような放心

懺悔しなくてはいけない気分に苛まれ
吐き出したばかりの蝶番と
見つからない鍵を探して途方に暮れる門番の気持 ....
冷たい陽だまりのなかで

沈静と高揚と紫色の雲をどうぞ

季節と季節の間が短くとも

熱せられたアスファルトから発するコールタールの匂いが懐かしくとも

いつでも駆けつける用意がある、 ....
地を這うもの、空を見上げない
星のイガイガ、喉に突き刺さる
溶けやしない金平糖、甘いもんじゃなかった
そこに何もなかった事など一度もない
目を開けれ必ずそこには何かがあった
視界を遮る何 ....
故意か否か、“努力”という文字が上半分だけ見えるように放ってあったメモ書き

条件反射に背けた視線で過敏に“怒り”をそうぞうした

母ひとり子ひとり、テーブルと椅子のいびつな互換関係に、穿った ....
相変わらず、雪解け水は尖っていて痛いよ

白雲の珈琲ミルクを溶かし入れて
深緑の抹茶スティックかじりながら
水面に揺れる逆さ富士の波紋を
底の方から眺める独りぼっちの和らいだ休息
 ....
確かに腹減ったのでギターのチューニングそのままに掻き鳴らした



ネオン管と真空管のコラボレーション
それで粗探しは終わったと
きみは言いました
何にも聴こえない振りして
ODだった ....
与しないって心に説き伏せて
背中に相対し泣き虫ウイルスに感染したような
腫れぼったい言い方で空に叫んだ

「ぼくは旅人だぁ」

虚ろな兎眼にはならんと踏ん張った意固地で吹雪が霞んで見えた
 ....
傾き歪んだ棚に並べられた手帳を眺めながら
{ルビ目眩=めくるめ}く年月を想えば
こんなにも{ルビ歪=いびつ}な階段をよくも登ったもんだと
自画自賛をしたくもなった

書斎の{ルビ黴=かび}た ....
刃零れ落ちたらサヨウナラ

片目瞑った砥石、仕舞ったままではただの物質
尚更、問い質したい頑なな意志


尖り続けようとすればするほど
肩に力ばかりが入ってしまって
鈍る切っ先、僕らの ....
このまま繋ぎ止め置いたままでは

日々迫りくる雲の流れに押され

上昇し続ける風船のように

いずれ破裂してしまう

この世の泡沫をまるで空の如く掴み取ることもできない

 ....
迸る若気で傍若無人に振る舞う交差点
 の、
 空を見た


急ぎ早に駆け出した千切れ雲より
 立ち止まる自分の方が揺れて
 、見えるのかな


きっと安心したいから
 口の中で燻 ....
暮れ沈む夕の陽に
律を重んじる時報が街を覆った
窓の縁に合わせて
待ち望んでいた犬の遠吠え
クオォ〜ンと愛らしく啼く
牧歌的輪唱の景色だ


拡がり渡る音の波に急かされるキミのたましい ....
至って健全なバイタルサインを見逃してからというもの
酸に塗れた空気に触れる度
気真面目さが仇となるよ

だからシグナルを送るよ
赤紫色の快楽主義者たちへの賛同

だって自分の体内を駆け巡 ....


群れから{ルビ逸=はぐ}れた独りぼっちのちっちゃな猿を見たんだろう

{ルビ無花果=いちじく}の果肉を齧る時、血の匂いを懐かしく想えばいい

もう既に朽ち果てた枯れ葉が寄せる ....
The light is a shadow,…




ひらけた視界の先には広大な芝生の丘
所々禿げた剥き出しの地面の上を歩いた




だだっ広いその真ん中に二台のブランコ
 ....
夜が更け、仄かに灯ってた中庭の静かな黄緑




3つ程滲み溜まった
フィラメントの光粒子が屯う傍で
誰も気に止めず、




人影を探す椅子はつまらなそうに
悪戯に気のない ....
9/4は土星を水平に観たから
環が消えてしまってどうだか
にやりと頬緩める絵空事だとか
自分と土星を見比べないでくれ



手のひらの上
いつもなんとかやりくりして
消滅でも消 ....
君が僕の耳元で
羽音を聴かせた

手の中に捕まえた小さな心
ぶうんぶうん、と

何をしているのか尋ねたけど
机に向かっている僕らは
まだ夢の中にいるんだね

あの時の後悔は消えない ....
徒に真夏の冷気はぎゅうっと胃を握りしめる

丁寧な講釈も机の上の地団駄で全て御破算だ

徐に立ち去る背中に飛び交う怒号も全ては{ルビ徒徒=あだあだ}しく上の空

何の合図か、踊り始めるカメ ....

染みるだろう
痛いだろう
秋風は特に

包まれて
ほろほろと
愁思に触れ
湧き立つ淋しさが
吹き毀れる度に

両の手で目を塞ぎ
アスファルトの丘の上
下るように影が放 ....
盆去りても尚
陽が翳る事無く
燦々と照り付け
路面熱すと或る日の午後四時頃



やけに冷たいカゼが窓枠を叩く
何種類かの啼き声を
聞き分けられぬ程に
蝉時雨は止まず



 ....
青々と生い茂った広大な芝生の丘に乾いた細身の葉先が隙間無く犇めき合い、そっと朝露の雫を麦藁帽子代わりに被っては祈り誰かを待っている
其処は天と地を糸電話よりももっと古来の伝達で繋ぎ御魂捧げる{ルビグ ....
『ジャングルジム』



錆びた匂いが手に纏わり付き
警告にも似た揶揄が飛び交う轍の枠組みの中に居て
空にも往けず/地にも栄えず
隅の方に腰掛け
陽気に駆けずり回る人の群れを
見やっ ....
遮光カアテンの隙間より洩れ注ぐ流線形のオレンヂ光
それは例えるなれば、廃村の呻き声が凝結した色に変幻したという
静寂な深夜の長距離バス内に灯る望郷/涙すら閉じた瞼をも透かして乾かす
 ....
骨身惜しまず、働いたあの頃を振り返る日々
―――そんな気色ばむ日常に嘯く日々はもう老いた

連れ添いふたつの撓み軋む感情を
――――諌めるように
律動を産み落とす篝火を手に
――――掲 ....
何処から枯れて往くのか
それは末端と相場は決まつているのか

箍が外れたような浮揚感
霊長類かどうかを計るのか

俺を司る心体の両軸
その片一方のちぇえんが外れた

23個の頭蓋骨の ....
{ルビ絆=ほだ}されたよねえ、と
抜け殻は凄烈なまでに粉々に砕け散った

見知らぬ人格が現れた、お陰様で


嘯いたのか


御人好しね、が褒め言葉の時代じゃねえし洒落臭え
自己確 ....
そうだね、世知辛いねなんて同調気味で
やるせない想いを昇華出来ない
不毛なマゼリンの地に見立て
彼女は飽くなき野心の狐眼を秘め、
背を向け去ってった

フレンチブルドッグ小脇に抱え
大き ....
Leaf(75)
タイトル カテゴリ Point 日付
『かしづきの夜』自由詩116/10/16 20:30
『静かな川べりで』自由詩010/11/4 18:58
『suzu no ne』自由詩010/10/30 20:39
『冷たい陽だまりのなかで』自由詩1*10/10/28 18:31
『限りある自由、翳りなき自由』自由詩1*10/6/24 18:25
『すげないは、いつの あの頃』自由詩1*10/4/28 21:04
『山と雲と葉と、ぽつん』携帯写真+ ...1*10/4/18 13:00
『コトの顛末』自由詩0*10/3/5 1:49
『ぼくは旅人』自由詩2*10/1/21 21:56
『縷々継がれ往くサマ』自由詩1*09/12/31 16:47
『刃零れ落ちたらサヨウナラ』自由詩1*09/12/19 1:57
「分離」自由詩0*09/11/15 19:58
『ミライの無い信号機』自由詩1*09/11/10 17:38
「ヒプノタイズ・マイセルフ/ HYPNOTIZE MYSEL ...自由詩009/11/3 15:18
「ユーモラスに憂う、抗酸化シリアスという名の浄罪を飲み込んで ...自由詩2*09/10/16 18:59
「泥色の陽溜まり」自由詩2*09/10/13 20:05
『光る翳と翳る光〜The light is a shadow ...携帯写真+ ...1*09/10/11 16:03
「中庭黄緑灯夜」携帯写真+ ...3*09/9/24 18:51
「手のひらの上、土星の環っかが消失した日」自由詩0*09/9/12 14:22
「白昼夢」自由詩009/9/10 19:57
「踊り狂うカメレオン、松風の如く」自由詩1*09/9/4 14:56
「秋風に晒されて想う日の夕暮れ」自由詩2*09/8/27 19:53
「晴レテモ尚、雷鳴止マズ」自由詩009/8/25 19:52
『枕木の契る丘』自由詩1*09/8/20 19:49
『ジャングルジム』携帯写真+ ...0*09/8/13 18:34
「月の砂と背凭れ」自由詩1*09/8/4 20:07
『光蘚〜ヒカリゴケ』自由詩1*09/7/31 20:29
『ズ骸骨 躍ル 戯ケ』自由詩0*09/7/26 20:33
「絆サレナイ絆」自由詩009/7/25 19:44
「可笑しなフレンチテイストと東京タワーの下」自由詩009/7/25 19:36

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