これまでレヴィナスの宗教哲学としての側面を指摘してきた。
「存在(生)」=「戦争(闘い)」と捉えるレヴィナスは、それに抗する「存在の彼方」を探し求める。そしてそれは、「宗教」の形で獲得されるものなの ....
レヴィナスは、意識や哲学を「現在」という言葉で特徴付けているように思われる。

「現在」は、時間的な「今」であると同時に、「現れて−在ること」、目に見えるような形で立ち現れていることである。

 ....
「警戒」もしくは「意識」を働かせていないとき、私は他者を「無条件的に」「信頼」している。この「信頼」という語は、私がレヴィナス読解の為に勝手に引いた補助線であるが、とりあえずこのような語を置いてみない .... 「信頼」とは、傷つくことの可能性である。そして傷つくことを受け入れることである。
けれども私たちは、往々にして、傷つくことに耐えることが出来ない。ここに、自己保存、自分の身を守ること、威力を以って他 ....
レヴィナスは、過ぎ去ってしまった時間(経過=喪失としての時間)との関係で、「責任」という概念を持ち出してきたのであった。

問題はある意味単純なものである。もし、個人の「自由」というところから発想 ....
これまで色々と勝手な推測をしたり、本文には何ら触れられていないことを様々に寄り道したりしながらレヴィナスのテキストを読んできた。議論が空中分解しないように、一旦確認の意味で、テキスト本文とこれまでの議 .... 「経過=喪失」としての「時間」。レヴィナスは何のためにこのような「当たり前の事実」を持ち出すのだろうか。「この告知の意味を今は明らかにしなければならない」(p37)。
(第5節「<他者>に対する責任 ....
さて、「歴史」が呼び起こす「目的論」との対照において、レヴィナスがそれとは「別の仕方で」、即ち、「経過=喪失(英語ではlapse)」としての「時間」に注目して、その「隔時性」の中で締結される「責任」の .... 丁度、レヴィナスの時間論についての議論が出てくるところで、それに関係する部分のある興味深いエッセイを読むことができたので、今回はそれを論じたい。「あをの過程」さんの、「ダンショウ(2) ZONEに関す .... 読み、語られる度に恐怖を感じる思想というものがある。
それは人類の歴史上、しばしば「宗教」という名で呼ばれてきた。

極限的な思考は、常にある種の宗教を含んでいる。日常と非日常、現実と非現実 ....
存在(生)を闘争・利害と捉え(「存在の彼方へ」を読んでみる/祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3〜3(2))、それからの超脱(「存在の彼方へ」)をレヴィナスは探し求める。
(本文第2節「<存在> ....
これまで、レヴィナスが、言語の考察から導き出した「懐疑論」を梃子に、「異なった現実(リアリティー)」について論じようとしてきたのではないか、という推測を述べてきた。

ただ、そこでのレヴィナスの記 ....
レヴィナスの「懐疑論」への注目はかなり執拗なものである。「懐疑論」の論理性というよりは、まるでその存在自体がレヴィナスの思考の梃子になっているかのようである。

「存在するとは別の仕方でを思考する ....
*内容的には、7ではなく6の「懐疑論」の議論からの続きです。

「存在」(生、利害)からの超脱の道を捜し求めるレヴィナスは、「存在」(利害)が「〜である」という「断言」として表現されることに着目す ....
*書いているうちに話が段々込み入って如何にも「哲学」っぽくなってしまった。
どう纏めて良いか分からなくなってしまったので、とりあえず「レジュメ」的に投稿して、日常的な観念に引き戻して考え直す作業は次 ....
弱肉強食であり、利害計算である「存在」(生)。レヴィナスはそれとは「別のあり方」(「存在の彼方」)を捜し求める。「それにしても、存在とは他なるものとは一体いかなるものなのか」(p20)。

と ....
「責任を負うということは、『言いたいこと』が本当は何なのかもう一度考え直すことである」、それがレヴィナスのいう「責任」ではないか、と先に推測した。
「責任」は<語ること>である、とそう本文には記され ....
哲学を、多様な光を乱反射する「プリズム」に例えたのは、ドイツの左翼思想家テオドール・アドルノであった(「否定弁証法」より。木田元他訳、作品社、1996年、74ページ)。プリズム。それは見る角度によって .... さて、レヴィナスの議論が、「弱肉強食の『生』」ではなく、それとは「別の仕方」を提示しようとするものであることを先に確認した。そして、その「別の仕方」とは、祈り、即ち「幸あれ」という、生への肯定の言葉で .... 「戦争」という過激な言葉に導かれて「存在の彼方へ」というこの本を読んできた。まだ始まったばかりであるが、語り手であるレヴィナスが持ち出してくる諸概念は、余りにも、特殊な、常軌を逸した言葉であるように見 .... 私は「存在の彼方へ」という書物は、宗教的な思想内容を、哲学の用語で叙述したもの(即ち神学)の書物だと思っている。「存在に感染せざる神の声を聴くこと」という前書きの言葉は先に引用した。仮にここでいう存在 .... 私が愛読している本の一つに、フランスの哲学者エマニュエル・レヴィナスの「存在の彼方へ」という本(講談社学術文庫、合田正人訳。1999年)がある。

かなり異様な文体で書かれた著作で、明確な言葉の定 ....
もぐもぐ(22)
タイトル カテゴリ Point 日付
「戦争」の虚偽と「正義」の再構築−「存在の彼方へ」を読んでみ ...散文(批評 ...104/8/28 12:14
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「忘れられる」ものとしての「信頼」−「存在の彼方へ」を読んで ...散文(批評 ...004/8/16 17:29
殺さないものとしての同族−「存在の彼方へ」を読んでみる15散文(批評 ...004/8/16 13:54
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時間と認識−「存在の彼方へ」を読んでみる13(2)散文(批評 ...104/8/8 17:46
喪失としての時間−「存在の彼方へ」を読んでみる13散文(批評 ...104/8/8 14:48
あをの過程さんの時間論−「存在の彼方へ」を読んでみる12散文(批評 ...5*04/8/7 18:26
暴力と責任、若しくは<善悪の彼岸>−「存在の彼方へ」を読んで ...散文(批評 ...104/8/7 13:07
場所を持たない私「自身」−「存在の彼方へ」を読んでみる10散文(批評 ...004/8/6 18:04
レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9散文(批評 ...2*04/8/5 19:46
現実、夢、リアリティー−「存在の彼方へ」を読んでみる8(2)散文(批評 ...004/8/4 21:08
「大胆」な「懐疑論」と異なった「リアリティー(現実)」−「存 ...散文(批評 ...004/8/4 13:38
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「割り切れなさ」と懐疑論−「存在の彼方へ」を読んでみる6散文(批評 ...2*04/7/31 15:36
「何故人を殺してはならないの?」−「存在の彼方へ」を読んでみ ...散文(批評 ...1*04/7/30 17:34
言葉と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる4散文(批評 ...1*04/7/29 17:51
祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3(2)散文(批評 ...1*04/7/28 18:11
祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3散文(批評 ...1*04/7/28 13:13
「存在の彼方へ」を読んでみる2散文(批評 ...104/7/27 18:44
「存在の彼方へ」を読んでみる散文(批評 ...2*04/7/26 20:18

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