背中から目を生やして
臍や膝から絶叫する
ドス黒い塊に押し潰されてしまいそうだから
誰かを呼んでる
助けを呼んでる
こんにちは
夏の陽に心浮かれてきみに見えないたくさんの敵
どこまでも広がる脂っこい空の、不自然なまでの青さ
あまりにも惨い
きみはこの太陽に焼かれたんだね。
人というのは本来、とても喋りたがりなモノだと思う。だから、世の中の中高生や大学生、会社員なんかは日々その口からだらだらとくだらない情報を垂れて生きてる。本能がそうさせるのだ。
知ってる情報や出来事を ....
おれは駅の改札を通った。
周りには汚い小娘やスーツの老人、けしからんほど短いスカートを履いた猿なんかがひしめいていて本当に嫌になる。最近腰が痛むんだ。
電車は驚くほど空いていて、あの人混み ....
「蛙」といういきもの。いや、いきものという表現は不適切かもしれない。彼等(本当はこの表現も不適切となるのだが今後使わせていただきたい)は神仏的な崇拝の対象、あるいは偶像の類であるから。
蛙は生き ....
誰も苦しんでいるのだ。熱い岩に放り出されて、良心と岩の狭間で脚をくじいたりする。眼をぎらつかせた出来損ない共が身ぐるみを剥がしにくる。私はそういった事に備えて矛やら盾やら、様々な言葉で武装しているのだ ....
黒ずんだ海と
カンカン照り付ける
子羊達の
脂ぎった踊り。
赤青黄色の深い振動に身を委ねて
真っ黒な光の筋を手繰り擦り寄る
放っておいてくれないか
ずずず、と墨のようにぬめる
眼を開けて、ふわあと欠伸をひとつ
ゆっくりと眼 ....
あれは雲だろうか
それとも
空を泳ぐくらげたちが太陽を食べているのか
――――――――――――――――――――
7月にしては優しい夕日をおれは眺めていた
....
まるで無意識のような
白く渦巻いた雲が深い藍色を濁したこと
見上げる
何故きみがそういったことに拘っているのか
皆目見当がつかぬ
やがてきみは空を飛び地球の最果てにさえ届 ....
ふらり
ひたひたと足を滑らす
溶解液漬けの満月を見たかつた
布団から抜け出しておれはゐた
泥のやうにしづかでやはらかい真夜中
おれは哭いた
やたらに咽喉を震わせ ....
孔雀の団扇羽のような5時30分の夕焼けを
舌いっぱいに転がす
きみの顔もわからなくなるこの空で
おれは遥か彼方の宇宙を眺めて
ただ、立っている
右足で
ずっと吼え続 ....
ぽつりと、世界に取り残されたおれは
静かに目を瞑って世界をつくった
隣には無愛想なきみが、珍しく饒舌で
あア、こんなとききみが隣にいてくれたならおれは
今夜は随分と筋張った月が ....
目蓋の裏に赤く焼き付けられたきみの白い肌に
舌を這わせた
きみの背中に髪に足に腰のゆるやかなくびれに目を滑らせては
やがて別れを告げる涼しい緑の丘で
脳を軋ませてきみと
深い ....
いちいち口にすることさえ無粋な感情を抱いたおれは果たして
きみを頭に住まわせた
おれは
きみを想い
毎晩嘔吐した
きみの後姿を想って
おれはきみをよく知らな ....
おれが涙と一緒にこぼしたあの八月の藍色の
午前4時頃の
きみと繋いだ手は
サァァと
獏にさらわれてしまった
夜の闇で真っ黒になった酸素を
腹いっぱい吸い込んでしまえば
ますます苦しくなってあえぐ
ぬれた目蓋を透かしておれは孤独を見た
独りで酸素を吸い、今日も生きているのだ
泡ぶ ....
さっきまで立っていた足場のように全てのものごとは過ぎ去ってゆく
景色がハイスピードでじぶんを貫通していく
震える手で赤いボタンを押して
2分30秒の茶番は幕を閉じたのだ
0.3sec.