遠くを見ると、果てしなく感じて目を閉じた

足元を見ると、崩れ落ちてゆきそうで怖くなった


さようなら


桜の枝が揺れて花弁が零れる時
そんな言葉を耳にする

さようなら ....
街はカーニバルの海

路地裏では人身販売

初めて像を見た子どもの瞳の輝き

自分の行く末を知った少女達の涙

混沌のパラドックス

流転するパラノイア

 ....
その日街は大騒ぎだった

ボスのルチーノがこめかみに一発銃を撃たれて死んだのさ

愛人のマリアはこの世の物とは思えない叫び声を上げて死体にしがみついてた

ルチーノは悪いことはやってたが人 ....
風の強い夜路地裏では猫が恋人を探してる

猫も独りじゃ寂しいんだろう

動物も植物も、独りじゃ生きていけない

あたしは窓からその様子を窺って隣で寝息をたてる男にちらりと目をや ....
くるぶしからキスをして

部屋の灯りはすべて消して

わたしの乳房をまさぐるその手が

あの人のものだと思いたいから


背中から愛撫して

声をあげないで

わたしの陰 ....
「やっぱうまくいかんわ」

すれ違った会社員らしき人が

携帯で話しよった


「やっぱうまくいかんわ」


(ほんまにそうじゃな・・・)

ウチは自分の事を言い当てられたかと ....
貴方の指が欲しい

貴方の瞳が欲しい

貴方の睫毛が欲しい

貴方の背中が欲しい


貴方が欲しい

全部棄てるから

貴方だけが欲しい
雨の日に梅酒を作った

晴れの日にはスケッチに行って

昨日の晩はお皿を割った


夢も見るし電話もかける

こんな何気ない毎日を繰り返して

それでも私

幸せ ....
あの頃不幸であることがなぜか魅力的に思えた

何一つ不自由のない暮らしをしてお姫様のように扱われていた

車窓から一瞬目に飛び込んできた物乞いの目は淀んでいたか

柔らかな ....
やさしい歌を歌いたかった

誰も歌ってくれなかったから

野ネズミが騒がしく街を出てゆく

荒廃と言う名がふさわしい場所

私は鎖に繋がれたまままた眼を閉じる


夢 ....
黄色いコンバーチブルを真っ赤なバラで埋めて

君を乗せて走る

君が見たがっていた

瀬戸内のあの穏やかな海へ向かう

何時間かかるか分からない

それでも構わない

花はやが ....
冷たい湖の中をただひたすらに泳がせて欲しい

何処にも始まりはなく何処にも終わりがない

水草に足を取られて沈んでしまうまで

ただ泳がせてほしかった


そんな事を思いながらあの日 ....
優しくされたかった

愛して欲しかったし

贔屓して欲しかった

石ころは尖ったまま

この心臓に到達する
呼吸はソットヴォーチェだと言う

それが何だか分からないままだが

自分の足先も見えない程に急いで

手に入れたかった物はいつだって

遠い雨空の上にばかり拡がってた


 ....
桟橋を渡るバイクの後ろに乗っていた

水面が眩しく光ってた事だけ覚えてる

何処に向かうのか、何処かに帰るのか

独り善がりな寂しさと僅かな強がりと

それだけを持って呼吸していた頃の ....
誰にでも許されるべき弱さがある

そしてそれが世界を回していくと

気付かない神の子孫達はこう言う

強さこそが総てを守れる唯一の力

俺は弱いが彼女の涙を知ってるぜ
愛なんてまやかしだと教わった事がある

目の前を黒猫が通り過ぎた夜はいつでも

へべれけになって好きな女の名前を叫ぶ

抱きたいわけじゃねぇが手を繋ぎてぇな

愛す ....
優しさを見て育ったから優しくなった

厳しさを見て育ったから厳しくなった

それなら俺は何も見てこなかったんだ

誰からも気にもされない透明人間だが

愛した女が一 ....
裏道で春を売る女たちの笑顔

謳わない金糸雀の末路を知る

深夜一人で自慰にふける大人

街中の虚ろな目をした子供達

皆が悲しい詩人だった頃の話
優しかったからキスをした

激しかったから抱き合った

気移りしたから首を絞めた

温かかったから抉り取った

それで一生私の物になった
ボロボロの毛布を子どもの頃いつも持ち歩いていた

それは僕にとって母であり祖父であり分身だった

手放したのは中学の時で好きな子ができたから

今大人になってあの毛布の ....
水面の月が欲しいと泣いた

夜店のだみ声が怖かった

火をつけた理由はそれだけだった

鉄格子に囲まれた部屋は居心地が良かった

僕は外の何者にもなりたくはなかったのだから
今流行りのナントカは君を楽しませるらしいね

でも今流行りのナントカは君を抱きしめてはくれないね

それに今流行りのナントカはみんなが持ってるね

さらに今流行りのナントカはめっぽう熱や水 ....
あの日空は群青色に染まっていた

空き缶を蹴ると仕度前の飲み屋の看板に当たった

僕は酔わない

胸の合鍵は冷めたままチャリッと鳴った

何処かへ行きたくて何処へも行けなくて今日も都バ ....
いつも独りで膝を抱えて座っていた

遊びと言えば砂に絵を描くことだった

お母さんは気付かない

幸せでも不幸せでもなかった(はず)

もう少しおじいちゃんちに居たかったな ....
体液に青色2号混ぜ込んでカラカラ笑う(まるで機械だ) 止めどなく涙が溢れ朝露が零れた事にしておきましょう 平凡な主婦です大事にされてますだけど消せないメールがあります あなたのくれた言葉を何度も繰り返す(忘れないために)

あなたのくれた掌の熱を胸に当てる(冷めないように)

あなたのくれた笑い声に耳を澄ます(雑音が混ざらないように)

あなたはたくさん ....
身体中に流れるコールタールが心臓を突き破った

屋上から見上げた空には自由の文字が浮かんでた

地に着いた両足は腐り始めてる

優しい人達の笑い声は遠く

涙だけ詰まったボトルが転がっ ....
永乃ゆち(242)
タイトル カテゴリ Point 日付
桜並木自由詩3*12/5/28 20:27
祈りの民自由詩1*12/5/27 16:01
ルチーノとマリア(改作)自由詩1*12/5/27 15:33
遺言劇自由詩1*12/5/27 15:21
くるぶしからキスをして自由詩2*12/5/26 1:33
人生自由詩4*12/5/26 1:11
欲しい自由詩1*12/5/26 0:40
日常自由詩4*12/5/22 3:29
幸せな少女自由詩3*12/5/21 7:50
子守唄自由詩2*12/5/20 10:04
契り自由詩2*12/5/18 9:01
自由詩8*12/5/17 21:06
石ころ自由詩1*12/5/16 16:36
ソットヴォーチェ自由詩1*12/5/16 16:35
桟橋自由詩0*12/5/16 16:34
強さ自由詩2*12/5/15 8:44
まやかし自由詩2*12/5/15 8:39
性分自由詩2*12/5/15 8:35
ハロー、ハロー。悲しい謳い人。自由詩4*12/5/14 7:15
愛の果て自由詩3*12/5/14 6:59
孤独自由詩3*12/5/14 6:46
水面の月自由詩4*12/5/13 6:32
今流行りの自由詩2*12/5/13 6:09
都バス自由詩6*12/5/13 5:40
ささやかな不幸。自由詩8*12/5/12 0:39
短歌2*12/5/11 23:19
恋情短歌2*12/5/11 23:17
短歌0*12/5/11 23:12
プレゼント自由詩1*12/5/11 22:44
自由の文字自由詩3*12/5/11 14:51

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