ことばにする前に果てしなく傷つけられていた 
もうことばにできないと思った 伝えることができない 
「意識」の前に死ぬことば
 「意識」した瞬間肉は裂け見えない血が ....
死んだらこ
の心をどこ
に埋めよう
か考えてい
る。街には
電球のちら
つく光だ。
(朝に向か
って逆走し
たいよね。
日付変更線
とかものさ
しではかっ
てじぶんの
さび ....
噴水のきらめきも届かない
少女の視線が
かなしみの残骸を抱えた
背中を追いかけている
ことばではない
しかしことばがそうさせる
愛もまた
主語のないひとつ欺瞞
うつむいた少女の
視線 ....
「あのね、
から物語は始まり、
彼女は電話をきったのです。
金木犀の香りの詰まった壜に、あなたの名前を書いてる、
「か・こ」
シャーレに
なつかしい-あなた
あたらしい-わた ....
世界は終わるのだ
と、高らかに宣言する少女の
耳元に 蝶の呼吸を
あてがう
溶ける息 ああ やわらかい
だれかがカーテンを開く
閉じきった窓の中には透明な壜と生殖器
暴力がにおう はてし ....
お母さん
殻を捨てて
どこに行ってしまったの
虫って短命だ
それなのに
幼いわたしは必死になって
いのちを透明な箱にぶら下げて
笑っていた
(昔 蝶のこと)
もし/わたしがちょう ....
ぽっかりと 口を開いた 巣の中へ
吸い込まれそうな 私の心
 
風が繰る 世界はたちまち 瞬間で
今日はベトナム 気まぐれの地図       ....
二十歳はいつかの幻想だった。
思い出が時計の針を進める。
ラジオがよく響く夜があり、
蟻が部屋を這い回る朝がある。
そんな時は、がらがらの電車にずっと揺られていたい。
私が景色に語りかけるの ....
明日はきっと、
君の胸に届くだろう。
今日突き刺さった「ことば」も、明日はきっと、
透明な肌の下で脈打つ血になる。
だから、焼き尽くせ、愛。
夏の空に解き放つ、翼。
3日待ったが紙は鳴かな ....
谷を撫でる風、
きゅー、と声をあげる。
川が熟れ、
女に還っていく、
熱い血流。
空には蒸発した、愛の証。
ふくらむ/われる
話したこと。
罪を吸い取る、
雲について。
....
貨物列車が
運んでいく
悪夢を
受胎する 駅
怒りで熟した
果実を齧り
したたる 未来
過去と未来の反復→恍惚
君の名前を叫んだ
花の名前 可憐な響き
嘘
が
舌 ....
溺れ死んだ、青
ゆらめく光が
かすかにぬめる皮膜を
捉える
窒息
沈黙
弔いの、波動
闇の中で膨張していく
朝は
海藻に慰められた
腐敗した、輪郭
沈澱していく言葉
....
教室に飽和した言葉
(誰かを汚すために 鋭利な刃を吐く)
「静かにしなさい!」
震えているのは
教室の空気/私の肩
意味がないのは分かっているのに
それでも抵抗するのは虚しいと思っ ....
「さようなら」黒板に大きく書いたなら
次の日私は小さな記事に
涙枯れ猛スピードでペダル漕ぐ
籠にひらりとはかない恋が
幻を見ていたのよと母が言う
線香の煙青空に消えて
....
湖に溺れている豚
必死な形相
肺にあふれる涙
私は歩けないから祈った
永遠に沈黙が続くなら
壁に骨をぶつけ
音楽を差し上げます
青空を
深々と突き刺すスズメバチの群れ
赤く腫 ....
机に沈み込んだ横顔
蛍光灯の光が彼女の髪を濡らす
黒板という舞台
踊り手
ほとんど白・大事な赤・時々青・見えない緑
語り手
怠惰な単語・疲労感を滲ませ・叱るのは簡単だ
....
春に連行されます
籠から逸れた、いき方
春に連行されます
たおやかな影を纏い
籠から逸れた私を春は見逃さない
永遠、それは感覚を捨てること
研ぎ澄まされた、生きた感覚で《私》を放棄すること ....
先生にひろってもらった消しゴムを
当然と思った私が嫌い
神様はいないよと言ったおじいちゃん
そんな貴方も仏になった
見られるとバカみたいに赤くなる
恥ずかしがるなよ君は美味しい
....
道徳が煩わしいと思った
ビー玉を口に放り込んだ
冷たい、罪の味がした
ビーカーの中の塩酸が沈黙している
友達が1人、また1人私の墓場に埋められる
言葉に蹂躙された分
憎悪で応えた 目 ....
さよならと つぶやく君の 背中だけ 目で追い掛ける 春の夕暮れ
先生の 正しい言葉 毒づいて 今日は悪魔に 心売りに行く
放課後の 君の耳を 塞いだら 愛してるって 言える気がする
....
若葉 舐める
冷ややかな朝露
春の青空の下 ささやかな背徳
私の左腕のように
彼の肌は傷付いていた
固まってしまった体液があり
それが彼の悲しみだと知った
悲しみには悲しみで応えよ ....
「ふきのとうがコンクリートから顔を覗かせて
いるからもう春だと思います」
と、松戸くんが言いました。
私は松戸くんが嫌いなので、松戸くんの筆箱に
給食で出たししゃもを二匹入れてあげました。 ....
終わりのない貴方の肌を必死に捕まえようと
夜が明けてしまう前に 癒されない 私は
時間は無垢である そして残酷だ
ここは砂漠 灼熱/酷寒
過ぎていく焦燥の中で私は何を掴み取り何を遺棄したのか ....
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