冬、
前歯がのびる
冬、
前歯がのびて
冬、
痛みが
かじかんでいる
たもとに
つっ立っている
おおきな動物の
からだを
すりぬけながら
人間同士が
殺し合う
ころしあ ....
先生は言いました
あなたも自分で選んできたはずでしょう
と
とと
か
かか
こ
ここ
ボタンから指をはなせば
な
なな
て
てて
折り畳まれた頭をもったの ....
トイレの中を
赤い鳥が
泳いでいる
すっかり
無駄になったものは
なんて
きれい
捨て去ってしまう
ぜんぶ
胸ぐらを
つかんだ
手の硬さ
殴ろうと
思って
会った相手を
....
こいびとは
ずっと
眠っている
こころを
腫らしながら
そこには
あらしのような
晴れ間が
ある
そこにだれがいけるの?
ずっと ひとが いない
彼女たちが
つよく ....
夜、真っ暗な中、なにもないような山間の道をえんえんと走った。連れと、ここを二人で走ったら、どんな二人でも、恋に落ちるかもね、と話した。人生について語らなきゃいけない気がするからね、と言った。そして、い ....
この部屋は まるで 水槽
口をぱくぱくさせている 光のあわいに あわせて
線路から 水があふれでて ドアをたたく
6:10 6:20 6:30 6:40 6:50 7:00
電線を雲がは ....
いい加減に
貼りつけられた
sun
もうずっと
霧がすごい
おじいさんが
たちどまって
咳きこんでいる
son
軍隊にとられた
女にとられた
腕と
脚と
ば ....
赤ちゃんはかわいい
赤ちゃんはきもちわるい
赤ちゃんはやわらかい
赤ちゃんはあぶない
夏が
台所に
腐って
うかんでいる
かわいかった
やわらかかった
壁に
首の断面を
押 ....
おとこが
あかんぼうの
はなしを
している
おとこのこえは
ひどく
かわいている
夏が
二度とは
来ないことに
なったのを
知っている?
だから
とろけたあと
とがりついた ....
さようならをするでしょうね
明日のことがわからない
おはようございますと言うでしょうね
昨日のことがおもいだせない
血が
よろこんで
泣くから
肋骨に
光を
あてろ
酸素を
....
こいびとを
産み忘れた夜に
こいびとは
お腹をだして
口をくちゅくちゅ
頭が
ごとり
ベッドから落ちて
布団の海に
船がこぎだす
あの子
どこの子
どこにいった子
ぼくの ....
階段を降りて
坂道を下ったら
ともだちがきえていた
目の前を
横切る電車に
乗っていったのだった
老夫婦が手をつないで
それを見ながら
歩いていた
Aを語るB
Bを語るC
Cを語 ....
永遠に独白しつづける少年少女の夢
ナイーブであることが夏休みを凍えさせたけれど
薄い氷にとびこんだときに
からだがコバルトいろになったよ
と言った
ぼくのほんとうの髪は
茶色くて
....
彼女は
丘の上に
住んでいて
彼女の家のまわりには
花がたくさん
咲いている
冬も
夏も
秋も
春も
彼女は
そこに座っている
おはなばたけ
とても
きれいで
おはなばた ....
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