老人施設とは
終着駅のようなものとおもっていたが
通過駅にすぎなかった
口をあけたままの老女も
うつろにみえる老人も
どこかへゆく途中だ
雄々しく背中をふるわせて
幼児にむける
....
今から出発したら
どちらが早いだろう/着くのは
今朝と明日の朝
できれば戻りたいさ
あなたはきっとそう言うね
月をみながら歩いたら
きっと明日へたどりつける
真っ黒な木々がこ ....
夜空をみると
ごめんねって言いたくなる
それは黒が諭すから
夜の空気に触れるとぜんぶ
さらけだしたくなる
それは月がみつめているから
自分は正しいと信じながら
間違ってると感じて ....
いやだよ
あなたに送った文字の
返事がさっき届いた
だいじょうぶ きっとやれるよ と
どんな栄養ドリンクよりも
ききそうな気がする
がんばってる君の応援
だれもがさみしがりや ....
素直がいいって言われて
月に相談したけど
かたちを変える月は
黙って去っていった
明るくなれよと言われて
太陽に相談したけど
いっそう強く燃えて
はねのけていった
私の今は
....
小さな頃は
空は遠い存在で
夕焼けに真っ赤に染まるとき
なぜかさみしくなりました
いつから
こんなに近くなった
手を伸ばしてつかめそう
雲がもくもく語りかけ
すいこまれてゆきます
....
泣いてるけどさ
君もどこかで泣いてるのかな
そんな想いさえ届かない
空は配達なんかしない
願い事だけ
かけられて星は重そうに
震えているから
笑っちゃうね
同じ数だろう人びとの数
....
人ってきっとドロドロしてる
液体たっぷんが人なんだ
皮膚でささえていなくっちゃ
こぼれてみんな溺れてしまう
たいていそれはいやな言葉
いやな気持
キタナイ
引き金になって
アフ ....
冷めた目で見つめるから
月が青くみえるのだろうか
ひんやりしてるね
の あなたの言葉に
どきっとしたのは
透き通ってしまったのかしらん
そんなわけはないと知りながら
胸元に触れて ....
真っ黒な空
私の心の中みたい
いやな気持あふれて真っ黒になっちゃった
せめる気持ちは
なぜきえないの
自分だけが正しいなんて
間違ってるのに
ちっぽけだね
君がそう言った気がす ....
えい と割る割り箸は
ささくれだってはむかってくる
お前なんかに
の 小骨ささって
あいた
た
どうしてこんなに
太陽までも
小さな刺を残して私をすぎる
終わりを考えないでいようとするなら
始まりを考えないことになるね
いつまでなんて決めたくないから
いつからってことも忘れようとする
カレンダーにつけた丸印
全部に丸して隠してる
それで ....
愛するってなぁに?
全部包みこむこと
雨はすべて濡らす
どんな闇でも
目を伏せる君の
後ろになにがあろうと
私がそれに惑わされなければ
エイエンは奇跡じゃない
霧のように優 ....
空の横顔を
私たちはながめている
空はいそいでいるから
いつだって横顔
髪がさらさら雲になり
息がたなびく風になり
通りすぎたあとは
しっとりと夜になる
なにも言わぬ横顔の ....
考えすぎない
なんてできない
考えきる
こともできない
風みたいに
自由になりたい
なんて思ってるくせに
臆病者
風は
よく思われたい
なんて思ってない
見つめす ....
小さな単位ではかる
それは大きなねがい
みんなねがってる
みんなのしあわせ
方法がちがうと
肌触りがかわって
認めたくないよな気がするね
それでも
同じ方向をむいていたいね
....
ぷちんぷちん
はじかれた心だけ飛んでけ
種だって遠くへ
飛ぶから命はつながる
いらないものいかせるかもって
君はフリマとかだいすきで
持ってった分より
持ち帰る方が楽しみみたい
....
しょうがをすりおろす
わざわざ金のものを用意して
細く飛び出た繊維に
寄り添いたくなりながら
ぴりっと辛いわけじゃない
ぼやけているわけでもない
ちゃんと無言の私の
代わりに橋になっ ....
今日は何度も芋虫をみた
全員私にむかって這ってきた
山になり谷になり
もくもく もくもく這ってきた
おおこわ
そう思ったのに見つめてしまう
もくもく もくもくと 背中が移動するから
....
素直になろうかな
そう思ったとたん
外はひんやり気味の太陽
やっぱり無理
咲いている紫の花を
ながめてそう思う
凛とたつ
それはむずかしいことでもあり
そっけなくゆらゆら
....
君が教えてくれた
僕はねじれていると
苦しそうに身をよじる
君の姿は
細いけど強いもじ
いっぽんのもじ
人はひとり苦しんで
ねじれてゆくうち
いっぽんのもじになり
想いを奏で ....
期待したいからメガネをかける
まるでよくはみえないメガネを
遠くの方だけみえればいい
できたら君の居場所以外を
手に取るようにみえるなんて
そんな恐ろしいことはいやだよ
真実なんて ....
騙したりしたい
真実だよと言って抱きしめたい
永遠にと言いたい
終わりなんてこないと言いたい
ずっと一緒だって言いたい
どこへもいかないって言いたい
冷めた目をかくして
熱く抱きしめ ....
手に入らないのならいらない
矛盾した
考えだった子どもの頃
どうしてそこまで強気で
いられたのだろう
なんにも持ってなかったせいかな
涙さえ敵におもえた
自分の瞳を叱ったり ....
母親の悪口を
延々と書き連ねて
どうか私を救い出してほしいと
しめくくった手紙を母が読んでしまったことがあった
あんたはこわい子やね
母がいった
あんな手紙を真に受けるんだ
....
大事なものになると
わかっていればもっと
大切にしたのに
なくなってしまうまで
気づかない
みんなそうなの?
当たり前だとおもってしまった
呼吸さえも
だれの了承もえないでいい ....
一番目の扉を
あけたときにすでに
決まっていたんだろうか
君のゆく道
どれだけ引きのばしても
君の瞳はもう
遠くを遠くを見つめてた
さようならって
たった五文字だね
こんにち ....
疑う も
信じる も濃くなると
苦しさで動けなくなってくる
当たり前じゃん
そういってくれたあなたみたいに
大切な人のカテゴリを
笑って守っていきたい
わがままを
言えば言うほど
自分に疲れるだけなのに
一体なにがしたいんだろう
夜空に広げた反省会
だれもみないのをいいことに
センセイ質問いいですか
月は黙って首をふる
明日と ....
ありがとうございます
一日に何度もいう言葉
どれだけ想いを込めたかを
思い出す頃には
アイスクリームもとけているんだろうな
最新の冷蔵庫が
食う電気の量よりも
ひかえめに笑ってみ ....
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