家はたくさんあるのに
その家の屋根にはたくさんの鳥が集まっていた
一列に並んで
まるで会議中のようであった
それぞれが首をかしげ
うなづきながら会議をしていた
ついと一羽がとびたつと
い ....
神様はいますか
わたしたちをみていますか
神様はわたしたちについて
責任をとってくれますか
だからわたしたちを死なせるのですか

神様はいますか
わたしたちを躍らせていますか
だから私 ....
血管に流れているのは感情です
言えない言葉が澱になって
いつかその人を支配してしまうのです

だけど言葉を
出し過ぎてしまったら
枯れてしまうのです

ひとは
その皮膚のしたに
自 ....
あなたは特別だよと
言ってあげたかったけど
特別なひとなんて
いないと習ってしまった

背中がちいさく ちいさくなって
あなたの涙だけが大きくなる
わたしはなにも言えない
言っても無駄 ....
私の耳
補聴器の電池に支配されている

あなたの足首
ソックスのゴムにしめつけられている

そんな風に
みんななにかに支配されている
おおげさに言うと戦っている

会話せずに繋がっ ....
うまい詩がかけなくて
詩の書き方をしらべようとしたら
詩の飼い方とうってしまって
なるほどなとおもった
もうそれでいいとおもった
わたししをかかなくなったらすこしまとも
になった証拠
でもやっぱり
文字にたよっちゃう
指先が勝手に
動き出す時はちょっとまともじゃない
さみしいからとか
怒ってるからとか
そういうこ ....
道端で死んでいる動物ばかりみてしまう
どんな気持ちだったのか

空が青くても
遠くても
顔をあげなくては

死はある
どこにでも
私の隣で
まただれかがうまれかわるのだろう

 ....
一生なおらない病気であるならば
それは病気ではなくわたしの一部なのだろう

そう気づく秋の景色のなか
定期的に通う道の
木は色をかえて
それでも同じ木に安心して歩く
虹はすごい
あめの中にしっかりと立っている
すべてのひとに
なにも言わないままで感動をあたえている

虹はすごい
わたしたちの心の中に
いつのまにかうつっている
消えない姿で
笑っている猫がいた
実際には笑っているようにみえる猫がいた
太陽を少しだけさけて
のんびりねそべっていた地球に

私はいやなことがあって
泣きたくてそこへいったのに
笑っているような顔の ....
過去にあったいやなことが
頭にうかんでくる
わすれられたらいいのにな

どうしていやなことはわすれられないんだろう
いいことはすぐにわすれるのに

あなたがわたしに言ってくれた言葉も
 ....
本屋にこたえがあるとおもい
休日に探しにゆく

お金があればいいし
収納が得意になりたいし
料理もうまくなりたい

かけたものを補えるとおもっている
補えっこないともおもっている

 ....
私はあしが遅いから
全力では走らない

前にだれもいない風景なんて知らない
だれもいなくなった風景なら知ってる

応援してくれる人はいないけど
なんにも言わない木や草花や
撫ぜていって ....
母は金曜日に 毎週 カレーを作る
金曜日の夜はカレーだ
食べても
食べなくてもいいからだと
母は言う
その夜から日曜日の夜まで
鍋の中はカレー
カレー一色だ
我が家の匂いもカレー一色だ ....
あなたが動けない朝
わたしの空気も重くなる
言葉にできない気持ち

心の病気もみえればいいのに
ふれてはいけない部分を知りたい

あつあつのやかんみたいなの?
カチカチの氷みたい?
 ....
男がため息をついている
背中はどんどん小さくなって
いつのまにかそこには
泣きそうな男の子がいるだけになる

男はせきばらいをひとつして
たちあがって歩いて行った
その背中はまだ少年だっ ....
タバコの煙で会話するひとがいる
その表情は煙でぼかされている

隔離された空間で
ひとりの顔をみせている

私はタバコを吸わないけれど
なんにも言わずにみていたよ
あなたの白いその顔を
朝がこない夜もいやだが
夜がこない朝もいやなものです

がんばっても
がんばっても
がんばれと言われるような

がんばらなくても時間は流れるのにね
あなたは秋の空だといい
だれかは今日も暑いという

あめに苦しむときも
風におびえるときも
同じ秋の空の下にいる

足りないものをうめるように
文字にしたくなる心を
あなたは読んでく ....
道路の真ん中では
車にひかれた動物が痙攣している
歩道では
画面の動物を探すひとびとがいる
画面しかみていない うつっていないその目は

わたしは
それらすべてをみながら
走りすぎる  ....
あめがうわべを洗い流すから
あめの日に素直になるひとが多い
だけど信じるなよ
それはあめがやめば変わるから

近所の川辺にならぶあじさい
色が多くて目が迷う
きっとこんな風なんだろう
 ....
カラスになりたい
カラスはまっくろけ
声もがらがらで
だけど群れている

仲よくはきっとない
互いに知らん顔

だけど群れている
まっくろけのカラス

おばさんが石なげる
おじ ....
夜にしか反省しないから進歩しないんじゃないかな
だけど星だって夜しか光らないじゃん
それから私たちは黙った
それぞれの反省に忙しかったから
二人はこういうときに便利だ
迷子にならないから
地面にめりこむようにして死んでいた
獣は獣として死んでいた
そして
殺したのは私たちなのだろう
忘れてはならないと思う

私もいつか
死ぬだろう
忘れてはならないと思う
死ぬというこ ....
むしょうに反省したくなる
日曜日の朝
自分がちゃんと出来ていない気がする
それは君の口癖

テレビを時計がわりにしてみている
毎日は急にとだえる
それが日曜日の朝

罪をつぐなうよう ....
川は流れをかえて
小さな水たまりを残していった
そこで鳥は水をあびていた
なんども
もしかしたら魚もいたのかもしれない
水浴びをした鳥はその
綺麗な羽をおしげもなく震わせて
水を切り捨て ....
無責任感を強くしたい

なんの根拠もなく君に
大丈夫だよ!と言う
毎朝 毎朝言う
あめがふっていても
きっと晴れるから!と言う

それで一歩がだせるならいいじゃないか!
と言って笑う ....
家族そろってごはんをたべた
自分の話しばっかりするあね
テレビを独占する父
祖母の言動にぴりぴりする母
さりげなく長兄にだけ自分の分をすすめる祖母
そしてわたし
すみっこのわたし
だけど ....
あめの山にはいって木をきる人がいる
チェンソーをひびかせて
切る理由がある木なのだろうが
私にはわからない
他とどう違うのか

倒されてゆく木も
生かされている木も
ただ黙って空をみて ....
朧月(1707)
タイトル カテゴリ Point 日付
バードサミット自由詩416/11/20 21:52
無神論者自由詩116/11/19 13:09
赤い感情自由詩416/11/19 9:06
大事なひと自由詩216/11/16 21:52
二人ぼっち自由詩116/11/4 22:32
詩飼いびと自由詩516/10/29 21:52
わたししをかくの自由詩216/10/28 21:01
自由詩216/10/20 21:21
自由詩716/10/11 11:25
自由詩016/10/5 21:03
しあわせな猫自由詩316/9/30 22:15
もやもや自由詩116/9/30 22:01
休日の本屋自由詩116/9/29 21:58
ビリからみた風景自由詩116/9/26 22:17
母は金曜日にカレーを作る自由詩316/9/16 9:41
固い扉自由詩116/9/16 9:24
男はつらいよ自由詩516/9/14 9:19
タバコの顔自由詩316/9/12 21:54
時間自由詩216/9/9 21:34
手紙自由詩416/9/1 22:18
自由詩116/8/9 11:51
七変化自由詩216/6/24 21:15
カラスだらけ自由詩216/6/17 21:09
反省会自由詩316/5/29 20:19
亡骸自由詩316/5/22 21:40
いつも罪人自由詩316/5/22 10:29
水をあびる鳥自由詩316/5/18 22:21
無責任女自由詩216/5/13 10:50
満腹族自由詩216/5/12 19:42
伐採自由詩316/5/9 21:04

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 
0.33sec.