不安になって
ぴりぴりした肌でいると
小さなことでひっかいてしまって
ひっかいたものが憎くなる

ごめんねも言わないのね
なんて言葉も鉄砲になる

撃ったら
もどせないのも知っていて ....
だれからともなくなきだして
一斉になきやむかえる

なく意味をすぐに
考えてしまう私だけど

なきたいからないてるんだよ
君はそう簡単に言う

そんな風に明日をむかえよう
大声でま ....
私が私がって言いたくなる時
私の背中から羽がはえてくる
飛んでごらんとはえてくる

ほんとうは飛べるけど
まだその時期じゃない

うん と一呼吸すると
私はすとんと引っこんで
相変わ ....
服を捨てた
どんどん捨てた
着ていた頃の自分を捨てた

服に心をひっぱられたけど
ええいと切って
ばっさり捨てた

タンスはからっぽ
骨になったハンガーが
風にゆらりと揺れている
 ....
ひとりにひとつ星があれば
遠慮なく願い事ができる
かなわなかったと怒ることができる

なまえをかこう
しるしをつけよう

星には手が届かないから
だから
私は木がすきなんだ

空 ....
自由って
探すと自由じゃない

おふとんの中ぐらいの広さでいい
伸ばした手足が届くぐらい
それより先が未知数で
それよりうちが私の温度

自由って
想えば想うほど自由じゃない

 ....
おとうちゃんは田植え機のうえ
おかあちゃんはすきをもって土のなか

青い空のした
風が
ふたりをあおぐ

苗も
気持ち良さそうにゆれている

まぶしいな
いつのまにか
みどりの ....
母の日用のカーネーション 店先の
半額になっている


次の次の日
その次は
お店の裏側でひっそり咲くんだろうな

おかあさんの
姿に似ている
赤いカーネーションの鉢植え
おかあさんのことを
ちゃんと想っています今日

カーネーションやリボンつきの包装紙を
横目でみて通り過ぎ

なにをいっても
もう遅いと
それもいいわけ

とにかく
おかあさんはげ ....
言葉をこねてなんにしよう
言葉がとがって痛い
言葉をつくって偽る
自分の心さえ偽る

たったひとりの自分を
だれが守ってくれるの
放った文字さえもう届かない
だれかみていてくれればいい ....
傘をささない中学生は
二人組で真っ黒だったり
ひとりでぽっちゃりだったり

背の低い複数だったりするけど

青いジャージから
迷いと期待のにおいをさせていた

その細い真芯までは
 ....
いるはずの人がいないと
その人の型の空気ができている
動いている
呼吸している

私は寄り添って
(いるよね) せいかつをしている
していたいとおもっている

ささえられたり
声か ....
つばめの親は
とぼうとする子供を助けない

少し離れた場所で
おとうさん
おかあさんはとまっている

何事か話しながら
たまに外へいく

こどもはうんしょとのりだして
どたばたと ....
うまくいかない
うまくいかなくて普通だ

だけど
おもしろくない
自分だけにおもえる

そうだね といわれなくて
頭をうたれて
また少し背がちぢんで

背伸びしていたのに
ぽき ....
負けるもんか
って思ったけど
勝ち負けじゃない気がする

わかってよ
風がふきつける

わかってよ
わかってよ
いろんなものをとばしてゆく

私は
とばないよ
ふんばっている ....
意地をはったら息がつまる
背中がぴりぴり痛くなる

いったん意地をはると
ひきかえせなくなる
はらなければよかったけど
吐いた言葉をどうにもできなくて

残った意地とだきあって
折れ ....
いろいろとくやしい
わかってもらえない
わからない
くやしい
せいいいっぱいくやしい

夢中でくやしがって夜になってしまった
だからこそ生きている
そんな気さえしてくる

だれかを ....
紋白蝶と
紋黄蝶が
八の字を描いてとんでいる

互いの色など
関係ないよととんでいる

あのひとは嫌いでね
と会話する私たちの上を

白と黄色の蝶は
とんでいった
わらいながら
ツツジの花が
赤白赤と
クラッカーみたいに咲いていました

祝福も歓迎も
されていないのかもしれないけど
道の端にずらっと
クラッカーはならんでて

ぱーんと
紙吹雪がでてくるよう ....
今日が不安なのはいつものこと
ドアをあけたくない気持ちになる

雲っているから
雨がふりそうだから
制服の頃なら通じたいいわけ

もうため息はつかない
そんな約束は無効になって
背を ....
重そうな藤の花
棚からたれさがる午後

春の重みと
命の重みで
私まで深くもぐりそう

探し物は
子供の日の
母の日の
父の日の役割の家族

目にささる紫を
心に刻みながら
 ....
ポケットのついた服を着ている
あわてて後悔を隠すため

間違っては訂正を繰り返し
ポケットはいっぱい

夜にざららととりだして
テーブルに並べる
色はあせているけど
今日の景色だね
 ....
春どまんなか
土からは
いきおいよく命がうまれてくる

その上にいる私は
押され気味にゆれている
風はあたたかい

どっちへゆこう
きまりきった日常なのにおもう
人って
どこから ....
母にあいにゆく 明日
なんとなく息苦しい
なんとなく憂鬱

母は
やっぱり母だろうな
そうであってほしいし
そうでないことも願っている

今日は鏡をみない
私の中の母をみたくないか ....
みんな迷っているとおもうけど
私はほんとうにいつも迷っている
次にだすのが
右か 左か
それすらもうろ覚えな気がしてしまう

確かめるすべはいつもない
後姿は遠すぎる

同じむきに歩 ....
指は
口ほどにモノを言う

って書いたら目があった

そりゃそうだよね
おなじ場所からはえてんだもん

みんなうまれた場所はおんなじなのに
とりあったりしてるから
減ったようにおも ....
あなたと会話をする
迷路にまよいこむ
歩いても
ふいに道があわられきえる

言葉が
ひゅるひゅるとうねって
あなたをかすめてながれてゆく

わかってない
互いがしぼりだしている
 ....
負けたくないとおもうけど
一体なにになんだろう
どうして戦わないといけないんだろう

優しくなりたいとか
してほしいとかっていうけど
優しいってなんだろう

言葉が深すぎておぼれそう
 ....
正しければいいってもんじゃない

正しいなんて
自分からみた円にすぎない

相手からみれば
それはかけた月のようなもので
ふーんと横をむかれるだけだ

正しいのにと地団太ふんでも
 ....
おまつりのちょうちん
ぼうととおくあかるく

おみこしを
かねを たいこを
かついで たたいているのは
おじいちゃんだ
おとうさんだ
となりの おにいちゃんだ

いまはもういない
 ....
朧月(1707)
タイトル カテゴリ Point 日付
君のあしあと自由詩213/5/21 8:23
かえるのうた自由詩213/5/20 22:28
羽のかたちの影自由詩613/5/19 22:29
脱皮自由詩913/5/18 13:14
星の木自由詩813/5/17 20:52
自由の泉自由詩713/5/15 21:15
田植え風自由詩313/5/15 14:00
旬の花自由詩413/5/13 23:11
おかあさんへ自由詩413/5/12 22:38
言葉の船自由詩313/5/11 21:50
傘をささない中学生たち自由詩213/5/10 15:55
人型の空気自由詩813/5/10 10:20
春の儀式自由詩613/5/9 8:28
普通自由詩213/5/7 22:01
風くらべ自由詩313/5/7 17:19
意地っぱりの花自由詩813/5/5 20:23
黒い鳥自由詩613/5/4 21:43
八の字の蝶自由詩313/5/4 15:47
ツツジクラッカー自由詩413/5/3 22:35
親鳥自由詩313/4/30 8:29
藤棚自由詩113/4/29 22:39
ポケットの中の風景自由詩513/4/28 22:31
自由詩413/4/27 9:57
おんなの鏡自由詩313/4/26 23:32
すれちがう足自由詩313/4/25 22:00
おしゃべりな指自由詩213/4/24 21:41
真中の食卓自由詩613/4/23 10:15
戦わない花自由詩313/4/20 8:31
ふんわりした月自由詩413/4/18 22:30
はるまつり自由詩613/4/13 21:09

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