母親はいつも重い
遠くても
近くても重い
あなたをおもうとき
いつまでも私はこどもで
あなたはきりりとしている
げんきでいてください
なんて
いえないから書く
いえないからた ....
言葉には棘がある?
だから履いたら足が痛む
言葉には角がある?
だから当たれば胸が痛む
言葉には温もりがある?
だから抱けば涙が流れる
支えられて
傷つけられて
癒されて
....
正しければいいのだろうか
それぞれがすすむ
正しいと想う道は
歩きにくい他の者には
まだとべない雛を待つ親鳥
とべるきょうだいもよりそい
つかのまの待つ時を
なにごとかうたいながら
....
つばめの仲間は待っている
雛たちが飛べるようになるのを
せかすわけでもなく待っている
その羽がそろうのを
みんなで集まってみせている
飛ぶってこんなに素晴らしい
飛ぶってこんなに楽しい ....
いつから願い事をしなくなったのでしょう
かないっこないからじゃない
夢がなくなったんだよ
私よりも
先に歩いている大人たちは
そういうのです
少し後ろを歩いているはずの
子供 ....
すすんでは後悔して
そんなくりかえしのための夜がある
空がまっくろでよかった
そんな風にいつも想う
みられなかったり
みえなかったりで
暗いのはいいね
あかりが目印になって
そ ....
なにものにも出番があるに違いない
そうおもわれてしまわれている
いつか
いつか
部屋のすみにおかれた文具のように
ひっそり
それはあなたがわすれていったものたち
だれがせめられる ....
むかでがのんびり散歩してたら
にんげんがさけぶんだ
あわててむかで
はしるはしる
足はからまわりして
からまるからまる
なんにもしません
むかではなきながら
からまる足をうらみ ....
蛇が
つばめの子が大変おいしそうだと
どうしても食べたくてたまらないと
細い棒を伝ってやってきました
なにも知らないつばめ親子は
しずかに眠っています
にんげんは驚いて
蛇をつつ ....
とんがってるのが
雨にたたかれて
とんとんとん
まったいら
ならいいけど
でこでこでこ
だから
くっついても
もういたくないよ
雨がつくった
ひととひとのうえいぶ
安心すると
ねむくなる
亀になって
ねむくなる
君のこうらはどうしたの
ずうっとうしろに脱ぎ捨てて
だからかな
とがってる
かみつきそうな
顔してる
待っててやるから
....
後悔しそうないろ
夕焼けのいろ
朝から今までを
リセットしていいかな
昨日のあやまち
庭にうめて
明日きれいな花になる
空は捨てられた
想いのかたちの
雲でいっぱいだよ
....
ひとは
自分では
はじめることも
おわることもできない
できることは
ただすすむだけ
うろうろと
ふらふらと
すすむだけ のろのろと
それをみただれかが
指をさしてわら ....
つばめの二番子は自由だ
二回目のつばめの子育てがはじまっている
一回目とは別の親子だ
家族も慣れたもので
つばめたちを見ながら
見ないで暮らしている
ああいるな と
目で確認 ....
鳥は
飛ぶ訓練をする
幸せでも
不幸せでも
ひそかに
ひそかに
夢をみるのだ
別の世界を
別の自分を
飛んでいる自分の羽が
風となる日を
雨のてんてん
つなげば文句ばかり
だから言いたくないの
なんて結局言うくせに
女は無口じゃいられない
静かな雨はないように
景気よくうちならせ
壊れたバケツもうたいだせ
おとうさん
あなたは自分がつくった娘が
どうしているか気にならないの?
元気でいてほしいとか
幸せでいてほしいとか
もしそうおもっているのなら
自分から行動してよ
ぜんぜんそうは ....
それぞれの指に
それぞれの記憶があるんだろうな
今は十本が必要な私のために
今日も言葉を紡いでいる
ゆび ゆび ゆび
まるで星のように
つながってつくりだす物語
全部一方通行だと知っていれば
大人しく回り道ができるのだろう
知らない道は
いきあたるまで前しかみえない
後悔するのは
戻ることじゃなくて
遅れることなんだよなあ
競争してし ....
ぐれいぷふるうつは
少し苦くて
少しあまい
目にしみるのは
ルビーの涙かな
ぐれいぷふるうつは
ひとりでたべるには多すぎる
わけあいたい苦さです
あなたに似ています
ルビ ....
幸せになりたい
くやしいときそうおもう
幸せの定義なんて
知ってて知らない
言葉にならできるとはおもうけど
私のそのときの幸せってきっと
言葉になれるものじゃあないんだ
言葉 ....
心には穴があいている
わざとあいているんだ
いろんなことを
おとしこめるように
わすれたふりで
ねむれるように
お風呂にはいると
それはぷくりと浮かんでくるから
そっと両手でな ....
心まで渇いていたから
冷たい飲み物をたくさん飲んだ
きりきり痛むのは
カラダの真ん中あたり
たしかあなたがいたはずの
芯まで冷えて
まだ早いことを知った
夏日の今日
売っているものに
ちょいと足し算をして
言葉は
引き算をする
めしあがれ
なんかおいしいね
ひとことが胸にしみて
おしまい
今日の日よ
簡単なものをつくる
それがほんとうはむずかしいのよ
そんな風に言いながらつくる
おいしい?
素早くきいてみる
返事をまたない
からっぽになっていたら
泡であらう
ぜんぶあら ....
雨ですね
言葉がふえる季節
無口な人の傘が
はっとする色で驚く
傘がそのまま人の
数になり
忘れられるものもまたある
帰る頃には晴れて
笑顔になったり
いっそう激しくなっ ....
心細いから影がいる
そう思って振り向かない
影が私の
前にきてくれるときがあるから
うつむきかげんで歩いてる
あの子にも教えたい
けしてひとりじゃないんだよ
どんな人だって
....
オレンジを切る
六等分に切る
大きいのと小さいのができてしまって
やっぱりさ
みんなおんなじってむずかしいね
大きいのをあなたに
そうおもってよくみると
オレンジのかたちが
ま ....
素直になってもなにもいいことがない
だって
大人になるって意地をはることだもの
ほしくても いらないとか
いらなくても ありがとうとか
顔色をかえずにいえなきゃならない
夜になると ....
不安の正体が
自分だということは知っている
自分となんか
戦いたくはないよね
気付かないふりで
丁寧にお茶で もてなしてみる
少しきむずかしいお客様みたいに
それじゃあどうも ....
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