あさはか
その響きがいい
ばか
よりはいいかんじ
そんな風に置き換えてみる
あのこがしんだ
その朝に
冬の音なんてどうせしないとおもう
私たちの前にはなんの音もない
空に浮いた私のカラダを
かろうじて文字が支えている
悲しくなんかないのに
雪がふるから痛いよ
まるで忘れていた場所か ....
今日も正月
ぜんざいに餅をいれる
あずきをみている顔で
家族をみる
決まった日に
決まったものを食べて
定位置に
なにもかも座る
あたしの
おなかん中も
かわりなく腹黒 ....
うらむってつまらない
あいつのことで頭がいっぱい
うらむってつまらない
しかいが狭くてうっとうしい
高いところへいきたいな
そこから放つうらみの気持ち
きっとぱあっと広がって
な ....
二十歳の私はずるかった
ばかだった
だけど今
二十歳にもどりたい
ずるくてばかで
ほしくてたまらなくて
絶対想いが
願いがかなうはずだとおもっていた
二十歳の頃にもどりたい
....
ほんとうのこと
それは大抵が言ってはいけない
どんなに親しくなっても
むしろ親しいからこそ言えない
私が真っ黒なこころの持ち主で
ほんとうのことはいつだって真っ黒だから
もしだ ....
正しくありたい
そのときどきに
間違いなら間違いの中で
正しくありたい
他と違う
そんな風でなく
まったくおなじように
正しくありたい
いつでも
違っているから
自分が だ ....
雨の中カラスが世間話をしていた
黒い仲間は
雨にむかって顔をあげてとんでいる
そうだ
カラスは雨をこわがらない
どうしてわたしたちは
雨にうたれるとうつむくのだろう
どうして
....
小さい花は
自分が小さいことを知らないんだろうなあ
花より
大きい小さい私もてあます
師走にかたづけたい
かたづかない
昨日今日
私自身のこころ
年賀状を書く意味なんてあるのか!
わかってますよ
やらなきゃいけないことは
印刷するだけなのに気が進まない
みんなこういう風景を経て
それでも新風を感じる
元日に届くハガキ
....
雪はなんにも言わないところがいいよ
朝にしっかり積もった雪は
まるで借金みたいだけどね
きいてもいないことを語る
わかっているよ
あなたにはもう
終わってるんだってことを
いつか ....
まっすぐいったらぶつかるね
でもうまく泳げることがいいことなのかな
ぶつかって泣く君のそばにいる
こたえを知らない私は
できるだけそっと歩いた
二人の部屋を
今日私は生まれ変わります
さっきまでの私をすててしまおう
昨日までの私なんて忘れてしまおう
だから私を生んだあのひとも
私をつくったあのひとも
とおいとおいところへおくって
私は新しく ....
おかあさんにだって
醜いこころあるよね
乱暴に掃除機かける母
その方がましだね
なんておもう私
無言の父
それぞれに通り過ぎる
まるで街の交差点のように
ちょっと寒い朝 ....
カラスが道端で死んでいました
カラスはカラスのままで横たわっていました
そうやって
カラスはカラスのままで朽ちてゆくのでしょう
落ち葉が
カラスの上にも
ふっていました
カラ ....
みえない月はどこにいる
いつもと同じ空にいる
みえてる太陽はどこへゆく
いつもと同じ空へゆく
互いになにを想ってる?
気にしてる?
気にしてない?
きいてみたいけど
きいて ....
イノシシがでるんだってよ
近くの山からおりてくるらしい
親子でいるのをみたって人がいた
イノシシはこわいが
イノシシを食べるのはすきだって人がいる
イノシシはきっと
人間がこわ ....
車の前を
カラスとっとっとと横切る十二月
二本足で
黒い姿がひかってる
そのもっと後ろ
まっかな山
急いでいるのは私だけかな午後
カラスの地についた二本の足が
私の目をもってっ ....
さようならと
言うひとの心はいつも
決着がついている
置いて行かれたくなくて
あせるのかな
わたし
遅れるのがいやです
みんな でいれば安心だなんて
そんなことないよね
いつ ....
目に焼きつけた
景色をかみしめながら
違うシーンを泳ぐ
かなしかったり
うれしかったりは
別の次元で同時進行
おなじにんげんなのに
おなじにんげんだから
蔑んだり
尊敬し ....
お母さんはこどもを怒る
いっしょうけんめい怒る
こどもは怒られる
いっしょうけんめい怒られる
こどもは泣く
お母さんは
泣かないけど
その肩はふるえている
それをとりまく
....
幸せ
という言葉がついたものを買いたくなる
そんな時刻夕暮れ
ひとりはほんとにさむい
ネット上の文字が友達
だなんて言わない言えない
でもいいじゃない電車の
窓にうつるひとにつぶ ....
お父さんは私を
殺すこともしなかった
関われなかった時間だけの
記憶はいつのまにか
なくなった
どこかにいるはずの父に
期待してしまう自分をゆるすことにする
今夜は鍋にしよう ....
食器洗浄機であらう
ジャージャージャー
だれかが食べたお皿
だれかのたべのこし
だれかの命のかけら
ジャージャージャー
大量の水で
綺麗でしょう?
また盛りつけてください
....
ある人にはいい人で
ある人には悪い人
犯人探し
終われない
不幸を笑ってごめんなさい
自分の影をふんで
昨日から明日へとぶ
手をつないであるこ
いないあなたと
私もあ ....
眠ることがすきだ
だが眠れば明日がくる
夜になると眠るのが惜しくなる
きっと明日が近付くのがこわいんだ
夜中になくのは弱いものだけじゃないだろ
強いからなく
夜になにかを決意してな ....
とんぼをみない秋
あの
まっすぐでもなく
ふらふらでもないとんぼの泳ぎを
真似てみたい私の歩み
目的が
ありそうな顔をしてゆくこの道
噂をしなさんな
だれかがささやく
....
知らない父の
面影をみる
おとうちゃん
夢で呼んだ
呼んだことのない私は
甘えたかったのか
許していた
私のことも
父のことも
夢はときに
夢らしくあり
人生ってね
曲がり角がいくつあるのかな
いつも
間違えている気がするけれど
曲がった方が私の道になる
今日も分岐点
知らないうちに選んでる
普通のさようならをして
二度とあ ....
おばあちゃんは栗をむく
背中を丸めて栗をむく
かたいかたい栗をむく
息子にも
娘にも
孫にも食べさせたい
むいたほうが食べやすい
ただそれだけで
もくもくと
真剣に
一 ....
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