この花は
私に名前をおしえない
もっと大きな
深いものことをおしえる
おしえてくれる
花を知った朝
花が咲く
ちからいっぱい
空をむいて
花が咲く
自分のぜんぶをだしきって
いろんなことをおもいださせる桜の花を
ながめて今日をまたはじめる
あめで桜が散っちゃうよ
濡れるのもかまわず
花の心配をするこども
通りすがりの
私に関係ないけれど
つい花をみるひとは
私だけでない通り道
散りながら
なお咲いている桜の木
....
今年もつばめがやってきた
帰ってきた
と言う
うちで生まれたつばめや
と言う
小さいな
よく動くな
と話す
話し合う
家族
という言葉を
改めて感じる
春の我が ....
桜は
冬から咲く準備を
しているらしい
前へ
前へ
進まなければ
今は明日のため?
今日は昨日の結果?
のんびり見上げたはずの
桜が遠く感じる
春は自分を省みるとき
流れの早い川の
真ん中ほど
石のうえに立つ鳥がいる
あれは
波乗りか
あれは詩人か
首をわずかにかしげ
未来を憂いている
橋の上にいる私に
尊い詩人が予言した
今のまま ....
目が覚めて
隣に寝ていたはずの
ひとがいないと
私はひとりではないと知る
しなければならないことがあって
私が私に着陸したことに
感謝する
魂がからだに
少し今朝は
自分を気 ....
寒いけど髪きった
風がひゅうとさわる
後悔なんかしないよ
すっきり歩く
背中をのばして
梅がきれいだ
世界はきれいだなあ
死んだらどうなるんかな
魂どうなるんかな
なんで死てあるのかな
なんで生まれるのかな
眠るまえおもうけど
明日があるって信じてる
自分がいる
なにかをリセットしたいとおもい
恒例のだんしゃりを決行する
てはじめに冬服
もう襟足をたてて歩かないことにする
首筋からはいりこむ空気をうけいれることにする
ぶ厚い靴下をすてて
地 ....
正直になんてならないほうがいい
ほんとうのことはあぶないから
手は口ほどにものを言う
うかつにひらひらさせないで
くちびるどうしてすぐ乾く
いえない言葉が熱いから
正直だった頃 ....
あめふって
あたまが重い
しんぶんにもぐりこむ
しゃかいっていろいろあるなあ
昨日もいろいろ起きたんだなあ
やる気のひもを
そおっとひっぱる
きれないように
そおっと
ぴ ....
夜になると眠くなる
おばあちゃんは言う
ちょっとうらやましいと思う
詩にくいつく
がっつりとだきつく
心の中で顆粒みたいにとけた
わかったような気持ちで
ほろほろと指を動かす
....
あの日の
君の叫びを忘れない
忘れないよと
話しかけるうみのいろは
たしかにうみだ
いつか
うまれかわるね
うまれかわろうね
おばあちゃんとおかあさんって
仲が悪いのかな
一緒にいるとピリピリする
すれ違うとひりひりする
おなじ部屋なのに
場所によって温度が違っている
おとこのひとには
わからないの ....
日曜の昼間はぜいたくな席のようだ
時間はゆっくりで
間違った字をかいてもあせらなくていい
とがった消しゴムで無理に
消さなくていい
みんなだらりとしていてもいい
雲がふわりとあ ....
りんごを食べた
わけありりんごを食べた
わけあり家族で
りんごを食べた
みんな無言で
それぞれの方向をみて
ペットのハムスターだけが
かさこそ音をたてて食べた
北国から ....
そうだね ときいてほしい
なにも 教えないでほしい
ちがうよ といってもいいから
いったんはきいてほしい
おなじじゃないんだ
結局はおなじでも
そうだね ときいてほしい
君の ....
母親がきらいです
大きな声でいってはいけないと
おもうから文字にしています
かくれて
あの日それを母にみつかった
母のさめた目が忘れられません
母親が
母親であるからきらいだと
....
釣り堀で釣りをするのがすきだ
どこへもいけない水の底で
大きな魚がひそんでいる
敵は慣れたもので
エサが沈んできてもあわてない
口先でふれては
はねかえる糸がエサを落とすのを待って
....
道をほると
どんどんとほると
一体なにがあるのかとのぞきこんだ
黒々とした土の中に
なにがあるのかと期待した
ユンボでかきだされる黒い土は
内臓のようにみせてやっぱり土だった
そ ....
鳥が
冷たい川にいて
魚をみている
追っている
動かずに
ずっと
みている
魚は
およいでいる
鳥の腹のなかでも
寒い季節に
ちゃんと寒いと少し
安心する
うまく笑えない私だけど
咲いている花をみて
少し安心する
道路工事のおじさん
地面をほっている
がりがりとどかどかと
そのうえに
....
小さいころ
夢の世界は空にあるとおもっていた
雲にのって
とんでいくとおもっていた
かたく手をつないでいないと
別の夢についてしまうから
だいじなものを
からだにくっつけて眠 ....
だいっきらいな人にであった
大嫌いだったから
もしあったら無視しようとおもっていた
長い時間をかけて薄めてきたおもいが
きっと爆発するとおもったから
無視しようとおもっていた
笑っ ....
お風呂の中には水がある
どこからきたのか知りたくて本を読む
おぼれそうになりながら
読む本をささえる指
わたしはどこへゆくの
流れる水になって
言葉はあふれても
どこへもゆけないの
....
生きるためにふんずける
昨日の自分を
ふまれたらふみかえす
明日の自分を
影がうすくなって
ひとは大人しくなるようです
年月は目にみえないというけど
あなたの影もだいぶ薄いで ....
ちいさなちいさなしあわせを味わう
紙コップで飲むコーヒーのような
てのひらで包めるあたたかさは
確かにここにあることを知らせる
だれもがちいさなぬくもりをほしがるけど
簡単にその手を差し ....
振り回した腕が
どこかにぶつかって
赤い血の線が走り出した
あたし傷ついてたんだ
だから痛いんだこころ
あなたに言わない
ことばがみえた
赤い線は
いつか文字をえがく
あ ....
がんばってね
うれしくさせたり
悲しくさせたりする言葉だ
そう知っておこう
晴れているのに寒い日
自分の影は
いつも黙ってついてくる
後ろから
離れずに
離れないで
....
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