私は
父に愛されなかったから恨んでいるのだろうか
愛されたかった
抱きしめられた記憶が欲しい
私は
私をつくった人としての父しか知らない
古ぼけた風景の中の父は
ただ 命令をしている ....
私が
景色を切り取って綺麗にうたおうとしている朝に
母と祖母が冷たい戦争をしていた
庭では 冬支度がすすんでいた
家の中の空気と 外の空気が
同じぐらいの温度の朝だった
無言とは
ひ ....
エゴイストの鳥はうたう
自分の目で見えた世界を
自分だけの声で
うたで
エゴイストの鳥はうたう
知っていると
自分のものだと
エゴイストの鳥は
エゴイストであることも知っている
....
紅葉の葉を見上げたら
葉っぱの裏側見えました
紅葉の裏側は綺麗です
光が透けて煌いて
赤に青に 揺れる紅葉が
なんだか白く見えました
風にゆらゆら ゆらめく紅葉
赤く染まって何想 ....
軽蔑の光を灯して
人は彼女をみるのだ
知恵が足りない子だという
足し算 引き算はできない彼女は
人のために泣くことができるのに
ずるい笑みを浮かべて
また騙そうとするだれもかれも
だ ....
努力をすればかなうと思わなかったけれど
あなたには私がついてるって
言ったあなたがあまりにも
疎ましかったから努力しました
がんばることで もう
あなたについていてもらわなくていいように ....
あなたが夢みる世界は
なにで染まっているの?
世界にはいろんな花が咲いている
そう
いろんな花が咲いている
あなたが願う世界には
なにが始まっているの?
世界はいろいろな悲しみがつま ....
夢をみた
ふかいいふかい沼にはまりこみ身動きもとれず
出せる声は呻くような無様な音のみで
がいこ がいこと鳴くイキモノが迫っては消える
暗いとも明るいとも言えぬ景色は
これがこの世界の果 ....
胸が苦しくなりました
雨がふったから/あなたをみかけたから
なんだか切なくなりました
一人だと思ったから/負けたと感じたから
愛しいと思いました
いじらしかったから/がんばってたから ....
その腕を伸ばし光を遮り
覆い茂る葉の濃い緑は
生きている証 生の強さ
ぽとり
先からこぼれ落ちる雫で
小さき命を救いながら
静かに立っている様は壮大な命
私に目もくれず
拒まず ....
肌触りのいい言葉が欲しいって
君は背中を向けた
蒼い海がすきって
悲しく目をふせた
だって雨が降ったんだよ
そんな言葉飲み込む
ゆるやかな坂をあがって
黄色い花が咲いてる広場で
あ ....
だれでもよかった
私を連れ出してくれるなら
暗い山奥の村から
しわしわの年寄りになりたくなかった
自然の恵みを貪り食う
老人が仙人みたいな口をきくのに耐えられなかった
年寄りの年寄 ....
暗いとしか言いようの無いことを
考えてぐるぐる
なんで だとか
どうして だとか
特に自分で自分のいわゆる
だめ な 部分を
えんえんと つつく遊びに没頭する
そしていきなり
....
雨が空からの使者ならば
私は何を伝えられよう
木々のこずえに
しなだれかかる茂った葉に
この窓に流るる雨水にも
知りたい便りがあらんことを
少し望みてじっと見つめて
このカラダ全 ....
なぜか
いやだいやだって泣きたくなりました
あなたは慰めはしないと思うけど
そっぽむいていていいの
だから部屋から出て行かないで
コーヒーを持つ手が震える
なにがこわかったんだろう ....
人は一人だと知ったのは
夕暮れの空き地に隠れたときだった
もう帰るもんかと思ったけれど
戻るしかない自分を恨んだときだった
なぜ子供は親を選べないの
なぜ生まれる場所を選べないの
親は ....
空に憂いをうたい
こんな風にこんな風に
雨に涙を想い
そんなことでそんなことで
歩けないような息ができないような
か細いことが美しいとおもってしまふ
君と僕らはどこが違うか
海の ....
湧き出る水のある川をめぐって
ダムという池をつくるそうです
下の村では 水がとぼしく
水よ 水よと叫んでいるそうです
上の村では命の川と
崇めている老人は次々しんでいった
川はだれ ....
いつもいつも
一から始まるように感じる朝は
夕べのやり残しの食器洗いよりも
途中になった本棚の整理よりも
まず
この窓を開け放つところから
始めなければならない気にさせる
....
あなたに優しくできない私が
あなたの子供なんです
後姿老いましたね おかあさん
何度も思い直す行く道で
せめて逆らわない
怒らない おさえて おさえて と
窓の景色が流れるのを
....
舞う花びらはどこへいく
いつかはこの地に落ちるのに
しっかと根付いた木から離れ
ひとひら ひとひら
散ってゆく
たとえふうわり飛べたとて
風のきまぐれにまどわされ
たとえひらひら飛 ....
飛んできた花びらはお使いの途中
なんて書いてあるかは
太陽次第
掴んだって無駄だよ
ほら
もう
見えない
レモンソーダみたいな恋はもう ない
泡が綺麗だね
君が そう言った
....
チチオヤ ハハオヤって無条件に
子供を愛すとおもってたけど
違ってたんだな むしろ自分を
愛してほしいとおもってるんだな
彼氏 彼女になったなら
相手が大事だとおもってたけど
違ってた ....
貴方の心に手を添えることで
貴方が楽になり
私が生を知り
それで2人が
今を笑えるならそれでいいと思う
貴方の胸に耳を当てて
その音を確かめて欲しいというのなら
私はいつまででもその ....
ゆふれいは
いると思う?
きいた 君がふいに
消えてしまいそうで
抱き寄せた
僕はいきている?
きいた 君は笑って
僕の胸に顔を埋める
こんな風にずっと僕らは
ゆふれいは ....
小さな引き出しがいっぱいついている壁
そこには私のすきなものが入っている
願うだけででてくるその引き出しは
私の夢にはなくてはならないものだった
どこの場所にいてもそれはあらわれ
私には ....
くねくねと曲がりくねった山道に
さしかかる前のカーブを曲がるとき
世界が終る気がした いつも
悲しい気持ちがした
山奥の村は孤独が住んでいる
柿の木の下にうずくまる犬
容赦のないこ ....
私の
この私でさえ
わからぬこの気持ちを
わからないままにわかるという
人を愛したいのだろうか
今の私には
それは違うという声は受け入れがたく
たとえば交差点でぶつかった肩にとま ....
夜になると
寝ないといけないなんて知らなかった
眠らないことで叱られていたと理解できたのは
だいぶ後のことだった
そういうことだったのか と
あのときの母の怒りは
そういうことだったの ....
待つこの身は
悲しい時を過ごしてはいず
数える雲もただ白く見えるから
貴方は心配しなくていいよ
朗々と
どこかで奏でるピアノの旋律
聞こえた気がしたのは私だけにか
この指は
鍵 ....
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