うたうことで
なにかが変わるのだろうか
私の 今日も
信じるか
信じないかを論じることは
生きるか
ゆくかを 問うことに似て
どちらの答えにも納得できず
赦されたいという
....
君は尖がってるから痛いと泣いた
それが僕の言葉なんだって言って
だから全部入れ替えようと
取り出してみたら
真っ黒だったんだよ
どろどろだったんだ
清い水で洗いたくて
抱えてっ ....
どこまでも行くんではないですか?
そんな囁きがきこえそうな
森ではいつも会議が行われています
人類について
世界について
生命が
生まれては飛び立ってゆく
後ろも向かず
こんこんと ....
無条件に抱かれることが愛だなんて
知らなかったよ
なにかを果たせないと
たとえ子供でも
愛されないと思ってた
顔色を伺ってるって
こういうことを言うんだって
知らずに生きてたから ....
触れられたくはないという傷口を
あなたは紅く晒している
こまかく震えるそれは
風がふいても激しく痛む
泣きながら
叫びながら
それでも隠そうとはしないのだ
まるで
勲章のように胸をはり ....
あなたという ゆりかごにのって
ゆらり 揺れています
あなたが どんな風に想い
どんな風に泣いても
ゆりかごに乗った私には
見えません
ゆらり ゆらり
通用しないといっては ....
どんな風がすき?
その風が
吹くわけでもない こんな日も
どんな花がすき?
その花に
育つわけでもないこの花も
意のままに
したいか 空の色までも
どんな人がすき?
そ ....
斜めの方角からきた野心に貫かれて
私の正義は枯れてゆきました
たばこのぽい捨てなんて注意できる勇気はない
路上に捨てられた吸殻も拾えない
潔癖症の私にはふれることができない
自分で ....
上には上があるという
横には横があることを
だれもちゃんとはわかってない
並ぶってことは重要だ
生きることを認めることだ
同じ地球の同じ場所に
並んで生きるということだ
上には上 ....
夢 いかがですか
どんな夢でもお好みのままに
夢 いかがですか あなたに夢売ります
僕のポケットにあふれるぐらいに
夢がたくさん入ってる
あの日 君の心から奪った
夢も押し込まれている ....
フレル 震えるそこに フレル
いつまでも降り止まない雪は
ついに私の心にまで侵食する
どろどろになっている私の心の中に
冷たい温度のそれはしんしんとつもる
フレル 凍るそこに フレル ....
寒すぎると心が痛む
一人でいると涙腺がゆるむ
みんなでいると息がつまる
やっぱり私は わがままなんだろう
右から生えてる草をちぎって
左の川へ投げ捨てる
自然に命があるってことも
知 ....
なんかちょっと曖昧にしてたら男が逃げた
いいかげんにはっきりしてと言ったら母親が逃げた
みんなどっかへ逃げる癖があるんだろう
どうするつもりだっていうから私は逃げた
私だって逃げてもいいと ....
どうしようもないことなんか
考えたくもないのに
どうしようもないことしか
考えたくない時間になる
昼間あれほど楽しかった想いも
すっかりふとんの中へ旅立ってしまったから
いい人ぶっ ....
雨がガラスに寄り添って
打ち明け話しているような
ひとりの私は指先で
つっとなぞってゆきました
地面をおおう水溜まりが
あまりに暗くみえたので
身をひるがえして逃げました
溺れぬ ....
神様 あんた いたんだね
てっきりいないと思ってた
苦しいことばっかりだから
てっきりあたしは神様に
愛されてないって恨んでた
神様 あんた いたんだね
こんな最後の最後に ....
なにかを恐れ
なにかを待っている私の
目の前になにかが
やってきたとするなら
静かに受け入れることが
できると思えない 今は
まわりくどく
考える私には
寄り添ってくれる
言葉が ....
うらやむという気持ちは
胸の内側がやけるような
足を小さな虫がはいずるような
そんな小さなほころびから始まる
うらやんで/憎しみになる
あれになりたい/真似になる
あれはちがう ....
無言で参るお墓には
先祖が眠るとおもわれる
震えて見える母の指先
なにが思い出されているのだろう
泣いているのと尋ねれば
なにも言わずに首ふった
母の手には グラスがあった
琥珀の色 ....
それぞれの親がしんだときのことを語った
それが約束のように
背負っていると思い込んで
なにかを決めようとした
自分がしぬなんて考えもせずに
残ることを話した
それがどんなことなのかなん ....
風走る
まるで今を失うかのような
心配をして 風走る
真ん中に
穴のあいたような私のからだの
真ん中をびゅうと風走る
大地をゆさぶるようなこの風に
踏ん張りながら 一気に過去が蘇 ....
あのとき踏み切りの前で思いとどまらせたのは
お前の もう帰ろう
というひとことだった
母は繰り返す
私をみていない目で 私を語る
お前はぎゅっと私の手を握り それで私は ....
生きている と
声高にわめくな我が身よ
それを見守ってくれる
その影も知らずに
ここにある と
つきだしたその背には
みんながくれた翼があり
風があるのだから
ひとりだ ....
少し前に雨がやんだ
吐息のような匂いがたちこめている
冬というものは罪の意識の現われのように悲しい
ガソリンの足りない車のように
とまる心配ばかりして生きる
走りながらとまることを考えな ....
夏のあの日に舞い戻り
やり直そうと
君に言った
君の手が白くなるまえに
繋いだ手が雪にふれて
離れてしまう前に
君をぎゅっと
掴んでいたかった
なぜ 笑ってるの
無言の君の写 ....
背中さすっているうちに
うとうとするような
物語の子供にあこがれて
クリスマスにはシャンパンを
抜く音にこわがってみたかった
あの日落としたすいかは
私の腕に重くて まっぷたつに割 ....
あたしな ずっと言いたいことがあったんよ
だけどな おかあちゃんは背中やった
顔を見つけるまでに 後ろむいてたから
声 かけれんかった
あたしな ずっと先に言いたかったんよ
だけどな お ....
雨が通った街路樹の
匂いを胸に吸い込んで
自分の命に響かせる
同じ命に響かせる
冬がなぞった川沿いの
倒れた花に指添えて
季節という名を染めてゆく
冬の肌に染めてゆく
生きてい ....
父と母が男と女だった頃の年齢になった私は
父とは他人になり
母とは どんな関係になったのかな
私の中の父を見て
私に挑んでいた母だけど
天使のような姉のことを
障害者の姉の方って呼んで ....
終わりに
最終章に書いてある言葉は重い
わりと真実であったり
虚をつかれたりする
終わりに
人の終わりには本音が語られる
終わりに
この際といっては
言いたい事 ....
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