冬はいってしまうの?
私のそばから
生まれたがってる花に
きいて今朝のふくらみは
いっそう深まる
見える景色はほんとうの世界?
私がつくりあげたものでなく
想いなど実現の花 ....
もったいつけてみたのに
りんごは赤かった
むいてみたら白い肌があらわれた
赤と白のはざまには昨日があった
とまどってみせたのに
だれにも発見されなかった
土色の顔には夕日は映えなかった ....
斜めがけしたかばんの中にいっぱいつめた希望は
重すぎるからがたごといって僕の首をしめました
電車の窓をあけたくなって
黙ってあけてみました 外の
景色の一部がはいりこんできて
だれかを連 ....
目から水分が流れ出て
喉がやたら渇いている
夜だからか
夜の傾斜が この喉へ突き刺さるせいか
星も月もまばゆい
地面から真っ直ぐのぼってゆく生命たちよ
お前たちはなぜ迷いがない?
....
星と星の間をじぐざぐに歩く
ぶつからないよに 触れないように
そんなしぐさのことを
愛と呼ぶのです
つんつん 低いところつつかれて
なあに と振り向く心
そんな温かさのこと ....
真っ暗な空に
両端が刺さりそうなぐらい尖った
三日月が横になっていた
なぜか 両側に霞がかかっていた
あれは だれかの曇った瞳なのだろう
心の4番目のドアをあけて中のものをぶちまけたよう ....
行方知れずの星を
また探しにゆこうか
今日は君と一緒じゃないけれど
いつもの道へ
渡る橋はもうかかっている
ひとりだってこわくはないよ
君はそういって振り向かずに歩く
音をたてずに君 ....
心配ってさ
きっといつまでもなくならないと思うんだよ
君が僕でない限り
僕が君でない限り
だったら
はじめから自分を愛せばいいのかな
そんなことを思いながら
僕は僕のためのコーヒーを淹れ ....
自分だけの世界にだれもいない
なんて思うことはあさはかで
草木の陰 風の中 きこえる音
それぞれに 生きる命 かくれて
そこに世界がある
どちらが優先か 己が決めるだけ
どうせ と ....
うまいヘタでいうと
生きるのが
ヘタなほうが 正解だ
大失敗なら 大成功だ
うまい生き方すると
最後にリセットされて
振り出しに戻るようになっている
うまいヘタでいうと
生きる ....
失敗したことのひとつひとつに
ラップをかけて冷蔵庫にいれる
だって 乾いてしまうから
何度言わせればわかるのって言われるから
言われるたびに筆箱にいれる
だって忘れっぽいから
怒ら ....
あなたは私のことを想うというけれど
私は 私だけを想ってたいの
あなたが私を想わなくなったら きっと
さみしいに違いないけど
私は生きれるの
ずっとひとりでいたいから
だれかに寄りか ....
あなたがおもうほど私
不幸に育っていないから
私を不幸な子だと呼ぶのは
やめてください おかあさん
あなたがかんがえるほど姉は
困ってなどいないから
知恵が遅れていると
泣かないでく ....
何もかも愛のために許せるわけもなく
あなたがつまらなさそうに出かけるのをとめることも出来ず
どっちもどっちな夜はふける
こんな風に両親だって不仲になったのじゃ と
おもいあたるふしはあった ....
なにをやってるんだって言われるよりも
よくできたねって言われるほうに
どきりとするようになった
ほめられていいものだろうかと思うなんて
自分ではうまくやれたって思っても
すんなり認められ ....
あなたの寝顔が愛しくて
そっと頬にふれました
されるがままになっている
あなたがだいすきです
あなたが自分を責めるとき
私は苦しくてたまらない
あなたが振り絞る声が
胸に突き刺さって ....
ごめんなさい とあなたが言うから
ぎゅっと抱きました
生きていたくない とあなたが言うから
なにも言えなかった
息をしてるだけで ごめんなさいと
あなたが手紙に書くから
息をしていてく ....
ガラガラか
もしくは ぐあらぐあら かもしれない老人の
荒れた咳払いがする
すすけた匂いがする
ここは 老人の街
若者は ばかものだなんておっさんが言い
しにかけって よばれているのも ....
にんげんの主食はにんげんです
人を食って生き延びています
にんげんはにんげんを探し
食うために挑んでいきます
たまに気に入って
持ち歩いたり
数回に分けて食べたりします
飽きたら ....
ごめんね と
言うためだけのごめんに
意味は無いような気がして
ごめんなさい
と言ってみるけれど
自分の中の洞穴から
寒い風しかでてこなかった
なのに
あなたは
い ....
庭にある植木をみると
綺麗に刈り取られた枝に
雪が積もっていた
縁側のマッサージ機に座っている
祖父はもういないからと
母がカーテンを閉めた
仏壇の祖父に祖母が
またなにか報告してい ....
子犬が母犬にじゃれる様子が
かわいいというあなたをみる私
あなたという母親を見る娘の目で
あなたが私を生んだことは確かですが
私は私の意志で生まれたんですと
いう機会はない
あなた ....
気付かれないようにそっと埋めた
悲しみを夜中に掘り起こす
僕の愛犬と
別に犬なんていなくていいけどさと
言いながら鎖をぎゅっと握り締める
僕と愛犬は鎖で繋がってる
どちらが飼い主かなん ....
片手ナベに
この世の終わりみたいな白い牛乳いれて
つきっきりで温める
ナベの内側にふくふくと泡が立つ頃
みじかい瞬間の想いを終了させる
いれたココアのせいで
白は濃く染まる
自分のためだ ....
生まれる前日の私は
今日の日のことを知っていた
今日に憂いて泣くことを
先に私は知っていた
愛を求めて痛むことも
求めぬ愛に泣くことも
先に私は知っていたのだ
父よ母よ
あなた ....
愛され方にコツがあることを
実はあんまり知られていない
自分の願う愛され方と違っていても嘆かないで
愛されるために笑顔でいることは
実はあんまり有効でない
つくり笑いをした後の顔の筋肉は ....
雪が枝からばさりと落ちる頃
山間部のお昼です
除雪車もとまって のどかな風景
年がら年中 年寄りばかりのこの村では
序列通りの決め事と
しわの多さで明日が決まる
子供たちは 真っ赤 ....
かわいそうって言われて複雑なのは
障害者の姉のことか自分のことか
よくはわからない視線にあうから
くすりと笑う姉の笑顔は
子犬がじゃれるようでかわいい
計算された親切の前で
こわば ....
だれの悲しみも
きっと癒せない
アルファベットは知ってはいても
心をうつ
その言葉の意味をわかって
この言葉は生まれないの
だれかのために
うたうことはない
そうだと 言ってしまっ ....
陥れようと
掘った穴に自分の足を喰われる
ゆかいな事件だが
後をたたない
のさばる犯人の名前は
憎しみ
醜い 顔をして
人を恨んでる
悪意は まるで麻薬
綺麗な心は なく ....
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