今日の私をスライスして
全部並べたら
時間がみえた
未練の一枚を捨てよう
冬がすきだから
春がきてほしくなかった
白の季節が安心できたから
雲のような白に抱かれて
あなたがいな ....
夜中に灯油をいれる
つばめが驚くから電気をつけられない
灯油をいれるもの
懐中電灯で照らすもの
ふたりで作業することになる
ひとりでできることなのに
つばめがぬくぬくとすごすために
....
夜風をぬって届かせたい夢の国の
ドアはそこにあると思う
この手に触れそうだから
春風にゆられ木にぶらさがっていたい午後の
遊覧船みたいな あやふやになりたい
星のみえない夜
月は大 ....
ぎざぎざだ
尖がった角は ひっこまない
じぐざぐに歩くしかない気持ちになってくる
出会いがしらに
そっけない会話
電車のドアがあいて
目をあわせないで降りる
しあわせ
探してる ....
おびえたカラスみたいに
があがあ鳴くの
つややかな黒の羽を
ばたりばたりさせながら
いっぽんの電柱の上で
歩く人を見下ろしながら
同じカラスが
飛んできたのに
くちばしをとがら ....
きいて欲しいのに
頷かないといけない
人は話したがりのイキモノ
話す呼吸のつなぎ目を
狙って割り込まなければならない
うんうん の数が多いほど
わかるよ の数が多いほど
あなたが ....
遠くのほうに自分を置いて
春の桜を引き寄せる
欠けてしまったパーツのような
花びら心に埋めたくて
胸にぎゅうっと抱きかかえ
時間の流れに流れつつ
どうでもよいか と手を離す
....
さみしい
言ってはいけない言葉
かもしれない
夜中 想うきもちは
さみしい
想ってはいけないのかもしれない
過去の過ちだから
さみしい
かっこ悪い
正しくない
素直になるな ....
うちのばあちゃんは
ぼけているから早起きで
朝日に 夕日におがむのは
家族の幸せ
息子と孫の名前を
一人 一人つぶやいて
無事に帰れと願います
居間の嫁の名前は呼ばず
雪が降り ....
古城に積まれた石の壁を
遠くから眺めて
はせようとするけれど
なにも浮かばない背景
わからない時代をわかるなどと
桜の開花に似せて占いそうになる
今ある自分の足元の
小さな水溜り ....
起きる意味がない
あなたはそう言って眠り続ける
目がさめてもそこから
出ようとはしない 窓の内側
だれにも同じ時は流れ
その音に胸は苦しくなり
私の正義であなたを切りつける
常識の旗 ....
春のせいにしないで
花びらもつぶやくのに
君は去ってゆく
春の風はゆるやかだと
思い込まないで
春はいそぐ
春はうつろうから
ゆったりだと思おうとして
君を捕ま ....
あたたかい言葉がいいだろか
優しい言葉がいいだろか
夕暮れ時の帰り道
欲しい言葉を考える
雨 雨ふれふれ
ふったとて
帰る距離にはかわりない
なのに人は傘さすせいで
みえない壁 ....
指先でティーパックのお茶を振るとき
私は目の前に広がる茶畑を見る
小さなパックの宇宙に広がる緑を見る
半円形のそれは
ぴかぴかと光を反射して
まだ朝露もまあるく転がっている
乱暴に ....
人が人を求める理由は
人が人を食べないからだ
人は本当は人のことを
食べたくて 食べたくてたまらないのに
食べてはいけない決まりになったから
それ以来 人を求めることをやめられない
....
私の皮膚に
とても近く触れて雨がある
どこからきたものか
わからぬ雨がある
ところで
どこからきたものか
知っている君からの便りは
私からこんなにも遠い
遠い君を想う
今 雨 ....
白いペエジにバラバラと落とそう
もうこんな方法しか思いつけない時間なんだ
空洞はごうごうと風の音しか響かせない
なのにすがりたいほど 指先は震え探す
君の温もりなんて知らない
愛さえ ....
こわい夢をみました
こわい夢はこわいものになって
私を覆っていきました
なぜこわかったのか
それは私にはかなわないものだったのです
私がなにをしても なにを言っても
言葉が通じなかった ....
ざわざわしている森の中で
私の命だけが静かでいる必要はないのだ
煌いている光の中で
緑にも影がある 川の光も影を持つ
入ってみない?
なんて聞く前に足を踏み入れてもいいのだ
川には ....
生まれた日から 疑問符と一緒でした
母の心に マイナスな思い出をうえつけた日でした
私のことが いらなかったのではないと
望んでたと きいたことはないけど
それすらも 確かめないで生きてきまし ....
だからできひんねん
叩き割った あなたがコップを
砕けて飛んだ
コップは粉々になり
私の目から ほとばしるそれも液体
血なんかみたくない
のに どうして
わかっていながら ....
私 あなたに好かれたくて
あなたに好かれたくて
でも
私は私の疑問符を
飲み込めなかったの
どんな風に
みっともなくうつっても
私 私でしかいられなくて
あなたを求める手を
....
もぐっていたのに起こされて
携帯電話の音でした
向こう側からきこえてる
終わりの知らせの音でした
冬きたりなば
春です 春 が来ました
花です 花 が咲きました
夢の中で溺れてい ....
私の言葉が尖るのは
爪とぎ忘れた猫だから
咲き始めの葉っぱだから
ごめんなさい
ごめんなさい
と春にまかせておじぎした
ぽきん と折れる
かもしれない
でもね でもね
そ ....
その花は春に咲くという
涙のかたちの花びらだという
人の心の色だという
震えて散ると思われる
想い重ねて
見るべからず と看板たてて
宴が行われているという
血を探して求めて
....
私の想いをころせ
何度もつぶやきながら
埋める 春の景色の中に
いっそうくらい 春の景色の中に
桜舞うか 舞うか桜の花は
私の眠るカラダを抱いて
舞うか桜のはなびらは
きりきり ....
シャープペンシルの頭をがしがし鳴らしながら
星のドアをがんがん叩き壊す
中にいる 理想論者を引きずり出してゆく
空にいれば安全などと思うのはまだ早い
道を踏みしめてゆくために人数が足らない ....
生きてる花に水をやる
雨の日だって水をやる
あたし 忘れていないのよ
あなたを忘れていないのよ
生きてるクマにあいにゆく
生きてるあたしであいにゆく
クマはあたしを食べるだろう
約束 ....
僕らは
どうでもいいんだけど と言いながら
また大事な話をはじめる
ときおり必ず眠いと言いながら
タバコなんてやめたいと言いながら
コーラが
約束事のように置かれている
ポテトが ....
僕は死体で 君は春風で
君は僕の頬をなぜてゆく
僕は横たわりながら君の温かさにとけてゆく
春のゆめはとうとい
僕は待っている
春の風にまぎれて君があいにくるのを
僕はもうしんでいる し ....
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