いいものを
素敵なものを
そんな考えでいたけれど

どうせなら
おいしいものがいいな
たっぷりならいいな
安かったらもっといいな
簡単なら

あれこれ あれこれ

だけど やっ ....
指先よりも遠い空
青い姿で広々と
全部包んでくれそうだから
甘えた声を出しました

横切ってゆく白い猫
ちらりと横目で振り返り
しっぽをつんっと尖らせました

お前なんかは相手にされ ....
当たり前のことを
当たり前にやるのが
当たり前な人間だとしたら
当たり前なことを
当たり前にやれない
私という人間は ヒトではないのかな

認めたくないけど そうなのかもしれ ....
池にほうりこんだ鏡みたいにキラキラ
お昼休みの太陽
君の髪もキラキラ

手前からとればいいのに
わざと後列から取るパンには
迷う手が示すように少しの罪悪感が見えるね

缶コーヒーのプル ....
知らないおうちで寝ました
おじさんと 
ひとっことも話さずに
暗い部屋で寝ました

天井のそばに
顔写真があって 目があって
こわかった
あれはだれ なんてどうでもいいけど
こわいな ....
雨の日の傘 最近は黒が多い気がするが
むしろささない人の群れの中
溶け込んでいるか不安な私

濡れて歩く自信がないので
傘さして 肩をすくめて歩きます
ななめに顔を隠しながら
午後まで続 ....
嘘をついてもいい気がします
音の無い夜
もちろん嘘はいけないことで
許さないでください

ちゃんと優しく騙しますから
騙されてみてください
罰なら明日の朝日の中で受けようと思います

 ....
今日の空は青すぎて善人しか似合わない
大手をふって歩けそうにないから部屋にいる

閉じる部屋の
向こうにあなたはいるでしょう
きこえない
音を見ようと研ぎ澄ます
それでもまた
己のドア ....
僕は自転車
銀色の自転車
まっさらなときはあれほど
毎日走ってたのに
今では隅っこでさび付いている
埃をかぶった自転車

雨って冷たい水だけど
キラキラしてきれいだったな
ここからは ....
泣いたりしないで話せればいいけど
今夜は特に寒そうだから無理かもしれない
俯きすぎて 内側に入り込んだ
肩がきりきりといたんで
無理に胸をはるとぽきりと 折れてしまいそうです

言葉を音に ....
雨がずっと降ってるから
詩なんて浮かばないんだよ
こんな夜は言葉だって
しめって重くなるばかり

春ってだけでしんきくさくなるというのに
この寒さで花も散ってしまった
遅咲きの桜もこの雨 ....
眠れないとあなたが泣くから
夜の外を探しにゆく
たらりと垂れた夜の糸口が
あるはずだからそれを探しにゆく

ほんとうはあなたのそばにいたくないから
せっぱつまった顔で でてきただけ
せめ ....
あるひぷつときえてしまうような
きみのイチペイジにぼくをとじこめてほしい
きみのイチペイジに

ぼくのあしたがどんなでも
いまのぼくが
くれてゆくよるにおびえて
おわりたいから

き ....
過ぎてゆくからいいんです 春
巡ってゆくからあるんです 風
またくる季節とおもうのですか
君に触れた景色

流れてゆくからあるのです 時
掴まえないからいいんです 夢
も一度見えるとおも ....
窓の外
つばめが鳴いているんだよ
夫婦揃って がやがやがやと

渡ってきたのか
帰ってきたのか
去年と同じ場所の巣へ

ぐちゃぐちゃうるさいつばめがいる

下が汚れるから出て行って ....
あなたには障害といわれるものがあって
そのことで私はあなたを見るとき
少しの躊躇を憶えるけれど

あきらめない

わすれない

そうあなたが書いた決意が
しろい紙にかいてはってあった ....
いつまでも散らない桜があったとして
僕らは愛を永遠に誓えるの?

一瞬で散る桜があったとして
僕らはずっとそれを覚えてるの?

自分勝手な理想を常に
自然に求めすぎです

そんなあな ....
わたくしの母親は
望まれるべくして生まれた
五人きょうだいの長女です
裕福な家庭で母親がええしの出
というのが自慢なのです
大恋愛の相手がびんぼうにんで
結婚なんてできないから見合いして
 ....
家庭教師のセンセイは
教科書切って細くして
社会をぐるぐるまきにしろという
仕方が無いから指先でチョキチョキ切っておりました

ノオトの端でぴっちりと指の先端切れたから
あかあい血がにじん ....
自分のことを説明しようとして

どんどん自分から遠ざかってゆくのに気づく

ごめんなさい

なぜかあやまって着地する

それがあっているのかどうかさえ

わからないほど遠くなった自 ....
片足けがしてひきずったら
地球はなんて歩きにくいと思った
階段は多すぎるし人も多すぎる
田舎という言葉が頭の前のほうで絵になった

隅っこにいるのはあいつじゃないか
おおい おおい 
ち ....
なにも持たずに生まれました
未来さえ
約束されずに

ほしくてほしくて泣きました
与えられると信じて

母でしょうか
父でしょうか
私を創ったひとは
私を抱いたでしょうか
夢をみ ....
赤ん坊は泣く
抱いてよう 抱いてよう
ほんとうにそうなのか

生まれたことを嘆いて泣いている
のではと思ってしまうのは
生まれたくなかった私

赤ん坊のつきだす両腕は
求めている
 ....
古ぼけた湯飲みに乗り移った祖母が
あんたもええかげんにしいやと見つめる
ああ
そんな目でみんといて

欠けた茶碗は祖父だった
だいたいお前はお前はお前は
ええい
うるさいうるさい白いご ....
まだ生まれてきていない言葉を探した
生まれていないのだから
つくるしかないとおもった

見上げると桜が咲いていた

お前は私のこどもではない
桜がたしかに言った

私の記憶には桜があ ....
桜が大勢で騒いだので
その周りで年寄りがころびました
電車もゆっくりめに走っています
窓の中の人もみています

新入生も新入社員も研修で
桜の中にはいってゆきます
どうしたら花になれるか ....
今朝よんだ本にかたいものがはさまっていて
誤ってのんだらしい

私のカラダの中を
ゆっくり ときどき急いで
まわるついでに 観察してるようだ

なんとかとりだそうと本を探してみる
巨大 ....
隣のうちの高校三年の息子が
看護師のおかあさんとバトミントンをしている
野球部だった息子は真っ黒な顔で
看護師のおかあさんは真っ白な顔だ

二人とも真剣な顔でバトミントンをしている
道の真 ....
眠れないというあなたは夜を嫌って
薄いカーテンを少しあけるのです
ぴったり壁につけたベッドからどこかへ
ゆけるとおもっています

上の方の星には目もくれずに
下のほうの街灯もみないで
中 ....
猫がとなえる雨乞いの呪文
断りもなく春は重い
丸い肉球で世界を救う
そのとき僕はなにをしてるんだろう

花が咲いたと風が笑う
影がこっそり出かけてゆく
桃色のブーケをいっぱいつくる
黒 ....
朧月(1707)
タイトル カテゴリ Point 日付
交換自由詩210/5/1 22:19
青空散歩自由詩510/5/1 10:24
悲劇のティアラ自由詩410/4/30 23:45
重ならない午後自由詩610/4/28 13:03
再婚自由詩110/4/27 22:14
雨降りお使い自由詩310/4/27 16:55
嘘つき志願自由詩510/4/25 23:12
らんちたいむ自由詩410/4/25 13:07
僕は自転車自由詩410/4/24 23:19
溶ける夜に自由詩110/4/23 22:19
涙雨自由詩510/4/22 22:03
夜の糸口自由詩610/4/21 22:49
ぷつ自由詩110/4/21 20:09
循環自由詩310/4/20 12:58
つばめがいる家自由詩210/4/20 10:12
決意の朝自由詩410/4/19 10:03
悲観主義自由詩210/4/18 12:39
おんな三代自由詩110/4/17 19:51
美食家の夢自由詩110/4/17 16:28
私は私を抱きしめる自由詩110/4/16 12:39
負傷したなら自由詩410/4/15 21:02
花吹雪自由詩410/4/14 10:26
使者自由詩210/4/13 19:58
食事自由詩210/4/12 20:41
春 ひいらり自由詩410/4/11 14:23
桜狂想曲自由詩210/4/9 23:11
吸収自由詩610/4/8 22:51
進路指導自由詩110/4/7 22:16
終わりの今日自由詩310/4/6 23:50
重い春のレクイエム自由詩210/4/6 8:54

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